はいはい平日ですよ

Reef
Photo by Shorena

日々多くの方々にアクセスいただき、ありがとうございます。
平日は阿鼻叫喚の現場作業に邁進のため、ブログ更新テキトーになります。

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餅の里、一関

さすらいの現場作業員、先週から岩手県は一関に住み込み。

さっそく一関市立図書館にて調べもの。
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地方都市の公立図書館としては非常に垢抜けたデザインで、綺麗なカフェも併設されている。
なにより社会人にうれしい、開館時間が午後8時まで。

一関市を含む岩手県南は伊達藩の影響を多大に受けていること。
そして「餅食」文化の地であることを知る。

調べていくうちに腹へってきた。あー我慢できん。
急遽、「餅膳」で知られる ふじせい に直行。
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注文したのは、もちろん「ひと口もち膳 雑煮付」。
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こういうお雑煮付きです。

では、「ひと口もち膳」を一つずつ解説。

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しょうが餅 具はシイタケ、根しょうがのおろし汁を効かせた「あん」がかけられている。しょうががばっちり効いていて喉にきます。

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あんこ餅 岩手県南独特の「もち本膳」では最初にふるまわれる餅。冠婚葬祭に欠かせない一品とされ、こしあんです。

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納豆餅 岩手県南では冠婚葬祭で餅が出されるが、納豆餅は「糸を引く」という言葉から不祝儀に出すのは禁忌とされる。

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くるみ餅 オニグルミをすり砂糖・塩で味付けしたもの。ちなみにくるみ餅は「岩手県民の好きな餅」の上位に常にランクする餅だそうな。

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大根おろし 甘酢で味付けされている。岩手県南伝統の「もち本膳」の中央に位置する、欠かせない一品。

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ごま餅 黒ゴマをトロトロにすったタレ。

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えび餅 小さな沼エビを丸ごと炒って、だし醤油であじつけした餅。岩手県南独特の餅で、食文化に関する文献を調べていて一番気になっていた餅。真っ先に箸を伸ばして喰いましたが、エビの香ばしさが餅によく合う。けれども、最初にあんこ餅を食べるのが本式の作法です。

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ずんだ餅 枝豆をすりつぶし、砂糖・塩で味付けしたもの。本来は夏から秋の餅料理。そもそも岩手県南に餅文化が根付いた理由の一つは伊達藩の影響といわれるが、当然ずんだ餅も流入してきたものだろう。

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じゅうね餅 「じゅうね」とはシソ科の「エゴマ」の実をさす。ゴマ同様によくすって砂糖・塩で味付けしています。かすかにシソっぽい風味です。

タレを残さずたべられるようスプーンもつきます。各小皿の餅は一口サイズなので、小食な女性の方でも全部食べられると思います。

 以前とりあげた「お茶餅」でも書きましたが、餅文化といっても、もともとは貧しい農民たちはクズ米を粉にして練り、「しいな餅」として食していました。
 古老の証言では、現在のように「白い餅」が食べられるようになったのは昭和35年あたりから、と言われています。ちょうど日本の高度経済成長の頃ですね。
 しかし昭和40年頃を境として、県南地域の結婚式から本格的な「もちふるまい」、「もち膳」の習慣・作法が消えていきました。
 ようやく生活が豊かになり、「白い餅」が食べられるようになると同時に、地方独特の習慣も消えていく。

 一方で、岩手県南の自治体では「餅食文化」としてイベントや研究会などで、古来の「もち本膳」の作法を残すべく活動が続けられています。

 初日に美味しい「ひと口もち膳」を食ったし、今週も仕事頑張ろう(自己申告)。

参考文献 : 一関もち文化研究会「一関地方に伝わる「もち膳」の再現」平成18年、 一関もち食推進会議「もちのまち」平成29年、佐藤育郎「一関お餅道場」平成20年

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ショウナ・コクシーはワーゲン好きらしい

イギリスのショウナ・コクシーは、フォルクスワーゲン好きらしい・・・

イギリスはシェフィールドにほど近い街・ロザラムのフォルクスワーゲン輸入代理店・バン専門店「Leighton Vans」のPR動画に出演してます。
やかましいBGMのクライミング動画と違い、ピアノをメインにした音楽がヨーロピアン風ですな↓

ショウナ・コクシーはプライベートでもフォルクスワーゲンのバンを愛用してるようです。

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ロシア隊、プンギ南東壁完登

 信頼できるロシア情報筋によれば、ロシア人ペアがネパールヒマラヤ、プンギ(Phungi 6538m)南東壁の登攀に成功しました。

Phungi

メンバーはアレクセイ・ロウチンスキー(2014年タムセルク南西壁中央バットレス初登)、ユーリ・コシェレンコ(2003年ワレリー・ババノフと共にヌプツェ東峰南東バットレス初登)の2人。

10月26日にBCを発ち、雪氷壁をたどって10月28日16時30分に登頂、30日にはBCに無事下降。
登攀中はひたすら寒かった、とのコメントを伝えています。

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パンドラ(Pandra 6,700m)北東壁、陥つ

 去る10月18日、カンチェンジュンガ山群のパンドラ(Pandra 6,700m)北東壁がフランス隊によって完登されました。

Pandra4

Mathieu Détrie, Pierre Labbre y Benjamin Védrines abren una gran línea al Pandra (6.700 m) by Desnivel 2017.11.3

マシュー・デトリー(Mathieu Détrie)、ピエール・ラブレ(Pierre Labbre)、ベンジャミン・ヴェドリーヌ(Benjamin Védrines)のトリオは10月16日に北東壁にとりつき、6000m、6400mでビバーク、18日14時に登頂、19日にはBCに無事下降した。

2016年の日本隊 (2015年の谷口けい隊か?) のラインを踏襲するのではなく自分たちのラインをたどったとしている。

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今回のフランス隊のライン

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10月16日、北東壁にとりつく

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10月18日、頂上直下の雪壁

彼らが登攀した北東壁のラインは「Peine plancher」(短期懲役刑)、(1200 m、ED、WI6、M6)と命名されました。

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フランス隊の3名。キャプションが無いので誰が誰だかわかりません。
先日のヌプツェ南壁を登攀した「髭ギャング」にならって「ハゲギャング」にしたとか。流行なのか!?

公開されている散髪の様子↓

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2017年 ピオレドールアジア賞は、

11月3日18時より韓国・ソウルで開催されたピオレドール・アジア賞の審査および表彰式において、

2017年ピオレドール・アジア賞はシスパーレ北東壁の平出・中島ペア、
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2歳の我が子と共に表彰台に立つ平出氏

2017年ゴールデン・クライミングシューズ賞は、韓国のチョン・ジョンウォンに決定しました。
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表彰台に立つチョン・ジョンウォン氏

そしてピオレドールアジア・生涯功労賞は、
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インドのハリシュ・カパディア氏に贈られました。

本家ピオレドールの生涯功労賞は欧米・西ヨーロッパ人に偏向していますが、ハリシュ・カパディア氏がインドヒマラヤ登山に貢献してきた功績を考えるならば、十分に本家ピオレドールの生涯功労賞の資格があると当ブログでは主張しておきます。

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月山・姥沢口の県道通行止め 【2017年11月2日現在】

所属する月山朝日ガイド協会からの告知です。
10月30日の降積雪のため、姥沢登山口に通じる県道が早めに閉鎖になりました。

以下引用開始
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 志津から姥沢に向かう県道は、当初11/6の冬季閉鎖予定でしたが、10/30の積雪のため、早めに閉鎖になりました。志津の積雪はすぐ消えましたが、姥沢は積雪が残っている可能性があります。
 博物園入り口のところで閉鎖となっていますので、ご注意ください。
 また、強い寒気が入ると博物園までの道路や、国道112号もいつ積雪するかわかりませんので、夏タイヤの方は天気予報や国道ライブカメラなどチェックして無理のないようお願いします。

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以上引用おわり

山形県の庄内・内陸を結ぶ国道112号線では既に降雪がみられています。
山越えして晩秋の登山を計画されている方、道路状況にはじゅうぶんご注意ください。

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【訃報】 フレッド・ベッキー逝去

人生すべて山。

Fred2

 アメリカのフレッド・ベッキー(Fred Beckey)氏が10月30日、シアトルの親友宅にて、鬱血性心不全により亡くなりました。94歳でした。亡くなる直前まで、高齢にもかかわらず現役クライマーとして活動を続けていました。

Fred Beckey, legendary mountain climber, dies at 94 by Denverpost 2017.10.30

 最近は高齢でも現役を続ける姿が話題になっていましたが、そもそもはアラスカをはじめ北米を中心に活躍した「北アメリカでは最も活躍した探検・登山家」(ダグ・スコット著「ビッグウォール・クライミング」より)でした。

Fred
 北米各地で大岩壁を開拓しまくっていた頃のフレッド・ベッキー

 特筆されるのは、1940年代から60年代にかけて、フリッツ・ヴィースナーら往年の名クライマーを退けてきたバガブー山群の針峰群を次々と開拓していった経歴でしょう。北西部出身のベッキーとヨセミテで名を挙げたシュイナードが組んでサウスハウザースパイア・西柱状岩稜初登などを果たしています。

1970camp
1968年、ヨセミテ・キャンプ4にて クライミングのレジェンド達 クリス・ジョーンズ、フレッド・ベッキー、イヴォン・シュイナード

Bagaboo
バガブー・スパイアからのぞむスノーパッチ・スパイア西壁のルート。×印はビバーク地

近年になって記録映画『DIRTBAG: THE LEGEND OF FRED BECKEY』も製作されました。

フレッド・ベッキーの親友いわく、
「彼は常にやりたいことに満ち満ちていた。」

クライミング、登山の偉大な先達の死に、哀悼の意を表します。

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2017年 ピオレドールアジア・ノミネートチーム

今年も韓国の月刊誌『人と山』主催のビオレドールアジアに、日本、韓国、中国から登山隊がノミネートされました。
ノミネートされたチームは次の通りです。

12th PIOLETS D'OR ASIA 最終候補チームのプレビュー by 月刊『人と山』2017年11月号

以下引用開始
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12th PIOLETS D'OR ASIA

最終候補チームのプレビュー

 純粋で進歩的な登山を展開し、アジアの登山家たちを激励し鼓舞する意図で制定された、ピオレドールアジア賞も今年で12回を迎えた。登山のオスカーと呼ばれるこの賞は過去11年間、アジア山岳文化の発展を牽引し、アジアの登山家たちに未来志向的な登山の方向を提示してきた。
 すなわち、アルパインスタイルの速攻軽量登山、高難度を追求するクライミング、山を畏敬し自然を保護するアルピニズム本来の純度を強調しつつ、酸素ボンベや人為的な補助、固定ロープやシェルパなどの支援を受けて達成した結果がプロセスより重んじられることができないことを知らしめ、また商業主義に染まった登山・破壊的な登山行為にも警鐘を鳴らした。

 ピオレドールアジア審査委員会は今年も、このような基調を実践したチームをアジア山岳連盟加盟国およびアジア各国の登山専門誌から推薦を受けた後、厳正な審査を経て、最終的な候補3チームを選定した。
 夢をかなえるための情熱一つで挑戦と冒険を躊躇しないアジアの若き登山家たちに会ってみよう。

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ダラムスラ(6,446m)北西壁新ルート
New Route on the Northwest Face of Mt. Dharamsura(6,446m)
KOREA TEAM

 韓国を代表するアルピニスト、キム・チャンホ隊長率いる「2017コリアンウェイプロジェクト・インド遠征隊」が新ルート開拓という素晴らしい成果を収めた。
 しかし成果よりも高く評価される点は、挑戦と探検精神を実現しつつ、将来を担う若手登山家育成を目的とした点である。インドのヒマチャルプラデシュ州のクルー山群に入った5人の遠征隊員は高所順応を順調に済ませ、4人がダラムスラ北西壁に挑戦、アルパインスタイルによる4泊5日のクライミングで新ルート開拓に成功した。
 この北西壁は過去に試みられた記録がない新鮮な目標である。この登攀は、韓国遠征隊がヒマラヤにおいてフリークライミングで開拓した最高難度と評価した。コリアンウェイプロジェクトは、今後も優れた成果を上げることが期待される。ピオレドールアジア審査委員会は、今年の韓国を代表する当チームを最終候補に選定した。

ダラムスラ北西壁新ルート
対象 ダラムスラ(6,446m)北西壁
位置 インド・ヒマチャルプラデシュ・クルー山群
ルート 北西壁新ルート
クライミング方式 アルパインスタイル
隊員 キム・チャンホ、アン・チヨン、ク・キョジョン、イ・ジェフン 4名

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チョーラ東峰(6,163m)新ルート
New Route on Chola East(6,163m)
CHINESE TEAM

 今年は中国においても優れたクライミング成果があった。もちろん海外登山の環境が整っているとはいえない彼らの舞台はヒマラヤよりは四川省近くの未踏峰である。それでも中国の若いアルピニストたちの挑戦は止まることはない。
 3名の中国人青年ガオ・チュン、リウ・ジュンプ、チェン・シャンシャンドンは四川省のサンルイ山群北に位置するチョーラ山を目指した。彼らが目標にしたのは、この山の最高峰である東峰(6,163m)。西峰(6,149m)は1988年に日中合同隊によって登頂されたが、東峰はまだ未踏峰として残っていた。
 東峰頂上直下は強風にさらされた100mの長いリッジで、転落の危険性が高く老練な登山経験と確実な確保技術が必要であり、決して簡単なルートでは無い。しかし彼らは2017年8月9日、頂上に到達した。ビオレトール審査委員会は、中国を代表して今年の優れた登山を成し遂げた同チームを最終候補に選定した。

チョーラ東峰新ルート
対象 チョーラ東峰(6,163m)
位置 中国四川省サンルイ山群
ルート 東峰新ルート
クライミング方式 アルパインスタイル
隊員 ガオ・チュン、リウ・ジュンプ、チェン・シャンシャンドン 3名

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シスパーレ(7,611m)北東壁新ルート
New Route on the Northeast Face of Mt. Shispare(7,611m)
JAPAN TEAM

 平出和也と中島健郎。
 このデュオは2017年に素晴らしい登山をやり遂げた。シスパーレ北東壁の初登攀である。パキスタン、カラコルム・バツーラ山群の2,700mの壁は、これまでに数多くのアルピニストの胸をときめかせた。シスパーレそのものは1974年ポーランド・ドイツ学術遠征隊が1,500mの固定ロープを使い35日かけて初登頂した山である。
 平出和也はシスパーレに4度、北東壁は2度の試みの末、ようやく成功を収めた。これはアルピニストが不屈の精神を一般大衆に示した模範的な事例といえよう。平出和也は谷口ケイと共に2008年カメット(7,756m)南西壁を初登攀し、すでにヨーロッパのピオレドール賞を受賞した経験を持つ。
 今回彼は中島健郎とペアを組み、アルパインスタイル5日間でシスパーレ北東壁を登り、自分自身の目標にピリオドを打った。ピオレドールアジア審査委員会は、このチームをためらうことなく、最終候補に選定した。
 
シスパーレ北東壁新ルート
対象 シスパーレ(7,611m)北東壁
位置 パキスタン・カラコルム バトーラ・ムズターグ
ルート 北東壁新ルート
クライミング方式 アルパインスタイル
隊員 平出和也、中島健郎 2名

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以上引用おわり

同時に優れたクライマーに与えられる「ゴールデンシューズ賞」には、韓国からチョン・ジョンウォン、日本から一宮大介、中国からベテランの王清華がノミネートされています。

参考記事 当ブログ 中国の王清華、中国人初の5.15a(9a+)に成功

「人と山」の紹介記事を読む限り、平出・中島ペアのシスパーレがぶっちぎりのような気がしますが、ノミネート3隊の中で唯一隊員が公募制だった韓国隊の「若手育成」という持続性のあるテーマがどう評価されるか、中国隊による未踏峰をアルパインスタイルで陥した成果がどう評価されるのか。
11月初めの表彰式の結果を待ちたいと思います。

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Art of Freedom

Art_of_freedom 山岳ジャーナリスト Bernadette McDonald女史の新刊『Art of Freedom』を読む。ポーランドの岳人ヴォイテク・クルティカの伝記である。

 ヴォイテク・クルティカといえば、日本では断片的なインタビュー記事がたまに掲載された程度で、あとはニコラス・オコネル著『ビヨンド・リスク』がまとまったインタビューを掲載している程度であろうか。

 クルティカといえば、そのスマートな「アルパインスタイル」、ラインを重視したより困難な高所登山が高く評価されているが、この本には「人間、ヴォイテク・クルティカ」がよく記録されている。

 読んでいて気がついたことだが、ヴォイテクにとっては「アルパインスタイル」はごく自然な登山スタイルにすぎなかった。日本の70~80年代、やたらと「海外ではアルパインスタイル」と、欧米崇拝はなはだしい先鋭登山家および池田某老人にリードされた日本登山界であるが、そういった「他者の評価」など全く気にすることは無い。
 あたりまえだ、なぜなら彼らには「アルパインスタイル」がごく自然な、当然な登山形態だったのだから。

 アレックス・マッキンタイアらと組んだダウラギリ東壁の記録は、まさにシンプルイズベストともいうべき、素晴らしい描写である。
 そして読み進むうちに、そのシンプルなアルパインスタイルの陰にある地味な活動やエピソードも明らかになる。

生卵300個と格闘するヴォイテク・クルティカ

1983年、クルティカとククチカはガッシャブルム2峰南東稜をめざしパキスタンに入る。
クルティカは食糧係として1人1日卵2個×メンバー2人×登山期間60日プラス予備=生卵300個の購入する。
ククチカは「はぁ?!ポーランドから持ってきた旨いハム缶あるだろ!なんで卵そんなに要るんだよ」 (当ブログ流意訳)とあきれ顔。
そしてより新鮮な卵を選ぶために、リエゾンオフィサーから「ミスター・ボイティク、エッグテストをご存じですか?」
と、新鮮な卵の見分け方を教えてもらう。
それは卵を水の中に入れ、水中に沈んだ卵は新鮮な良い卵、という方法だ。

卵300個購入に不満なククチカは協力してくれない。
クルティカはたった1人、生卵300個を水中に出し入れし、新鮮な卵をより分けていく。

日本人クライマーから「哲学的」 「求道的」 とあがめ奉られているヴォイテク・クルティカが、1人で生卵300個を相手に格闘する。
とかくクライミングの成果ばかりが強調されがちなアルパインスタイルのクライミングの陰に、こんな地味な行動があったのだ。

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1984年マナスルにて、ルートの雪崩の危険性について議論するイェジ・ククチカとヴォイテク・クルティカ 撮影アルトゥール・ハイゼル

クルティカとククチカは食糧で結構モメる。
登山も終了、余ったハムをクルティカが鳥に投げ与えていると、
「おめーなにやってんだよー、食い物粗末にすんじゃねーよ」とククチカが文句を言う。
「ハムとっといても悪くなるだけだし、ポーターもリエゾンもパキスタン人でハム食わねーし、しょうがねーべ」
(当ブログ流意訳)
そして決定的なのは、メスナーに対抗意識を燃やして新ルート・冬季登頂であくまでも「登頂」をめざすククチカ。それに対して登攀「ライン」を重視するクルティカ。ブロードピーク三山縦走直前も、登攀ルートを巡って議論になった2人。袂を分かつのは当然だったといえよう。

山田昇らとの合同登山の事
1986年の山田昇らとの日ポ合同隊として挑んだトランゴタワーに関しても、一章を割いて詳しく描かれている。
ご存じの方もあろうかと思うが、この遠征では山田昇氏ら日本人クライマーがルートの困難さを理由に断念したことが知られている。
本書においても、山田昇氏が「このルートは我々にはハードすぎる」と断念を正直に申し出る姿が包み隠さず記録されている。
ボイティク・クルティカは登山当初から、キャンプ地選定において日本人達が雪崩や落石のリスクがあると思われる場所を選び、意見具申をしつつも「saving face」(メンツを立てる)を理解し、いたずらに自己主張することなく、素直に従っている。
クライミングの断念を申し込まれたクルティカは、最初は冗談かと思ったという。あくまでも登りたいクルティカは吉田憲司氏に一緒に登らないかと誘うが、合同隊であること、全員で行動を共にすべきという理由から断られる。
この登山断念に対し、ボイティク・クルティカは
「誰かに過ちをたずねられれば、日本人達との関係を上手く構築できなかった私にある」と謙虚な言葉を書き記している。
事実、ベースに下山後も冗談を言い合いながら過ごしていたという。

このトランゴ遠征をとらえて、丸山直樹なるライターが山田昇氏に関して「岩の実力は上手くなかった」というような非常に不愉快な表現で山岳雑誌に書いているのを読んだが、同行したパートナーであるボイティク・クルティカは日本人メンバーに対してあくまでも温かく接している。
最も困難な壁といわれるガッシャブルム4峰西壁を共に登り、サードマン現象まで一緒に体験したロベルト・シャウアーなどすぐに袂を分かったクルティカだが、日本人にはなぜか温かい。
その理由を探ろうと何度も何度も本書を読み返したが、ついに理解できなかった。どなたかボイティク・クルティカにインタビューしてください。

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1986年、トランゴタワーで山田昇氏とともに

故・谷口けい女史の言葉
本書で特筆すべきは、ボイティク・クルティカの「登山観」を示すために、故・谷口けい女史の言葉(Alpinist誌から引用したもの)が本書4箇所にわたり引用されていることである。
そのうちの一つは章の冒頭を飾る。引用しよう。

I love to draw beautiful lines as simply and silently as possible...
- Kei Taniguchi, "Being with the Mountain"

古今東西、とくに欧米にはアルパインスタイルのスーパースターともいえるクライマーがキラ星のように存在しているはずなのだが、著者 Bernadette McDonald女史はクルティカの心情・山に対する姿勢を表現するために谷口けい女史の言葉を選んだ。
まぎれもなく谷口けい女史の再評価であり、あらためて故人の不慮の死が悔やまれる。

人生の後半を迎えて

本書は若いアルパインクライマーだけでなく、むしろオールドクライマーの皆様にお勧めしたい。
年を取りヒマラヤでの活躍から身を引いたボイティク・クルティカは、スポート・クライマーとして困難なフリーソロを果たすなどするが、本書後半では少しずつ家庭人としておさまっていく姿が描かれている。

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愛娘Agnes とともに

娘いわく「仕事(自営の貿易業)の出張なのか、遠征登山なのか、出かければわからなかった」と言い、息子は「遠征登山の帰りはイキイキしてたのですぐわかる」と言う。男と女の違いなのか?
ボイティク・クルティカは家庭では躾にうるさい親であり、娘はことあるごとに反抗していたという。
アルパインスタイルは経験してなくても、この部分は共感する読者は多いのではないか(笑)

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家庭ではガーデニングを趣味とするボイティク・クルティカ。
娘のAgnesいわく、「自然に対する愛情は父親譲り」という。この部分だけでも見習いたいものです。

登山のパートナーを死なせなかったことを誇りとするボイティク・クルティカですが、私生活では2度離婚し結婚生活は破綻しています。世界各国の登山家から最高のクライマーと称されるクルティカも、女性に関し(以下省略)

本書は、渋っていたピオレドール生涯功労賞を受諾するまでが描かれています。
山岳雑誌や山岳本でその登山哲学を知ることは出来ますが、「人間としてのボイティク・クルティカ」を知りたい方、アルパインスタイルで素晴らしい業績を重ねてきた真の登山家の生き方を知りたい方、ぜひ本書をどうぞ。

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韓国人のストーブ、中国人の鍋

日本の山岳雑誌では、いかに燃費よく湯を沸かせるかインプレッション記事が書かれたりしてますが。。。。

旨い焼肉が喰いたい!
そんな韓国人皆様のご要望に応えたガスストーブが開発されました。

Stove
ZEDKOREA社  Z-3 Stove

従来の小型ガスストーブでは、バーナー火口部が一つだけで火力が1箇所に集中するため、「直径が広いフライパンで肉を焼くのに不便だった。」(月刊『山』の表記より)デメリットを解消するため、火口部を3箇所に増設した製品。
これにともないゴトクも大型になり、直径30cmのフライパンも安定して設置可能。
まさに焼肉をするために開発されたバーナー!
ただし、火力が3倍になる分、ガス消費量も増加、「予備のガスを準備しなければならないだろう」とは韓国の月刊『山』誌の評。


キャンプ料理にはやはりお国柄があるようで、チタン器具を得意とする中国・広東省のアウトドア用品メーカーKeithが開発したのが、

Co
Co2
チタン製の多機能スチーム鍋。
本体は1.8リットル容量の鍋、フタは0.9リットル容量のフライパン、そして蒸し料理用のプレートが特徴です。これで、

Co3_3
こんな中華料理や

Kani
蟹の蒸し料理ができるらしいです。
そして、この蒸し料理用プレートが
Tea
中国茶をたしなむ時の茶盤(チャーバン)になるんですな。
すでに複数の中国アウトドアメーカーからはチタン製の中国茶セットが販売されており、keith社も2100元(約8000円)で販売しています。

アウトドア用具も欧米の受け売りだけじゃなくて、アジア各国の自国文化に合わせて進化していくようです。

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復 活

思いついてから約2年。
現在使用しているiPhoneの残債をまとめ払いしたり少しずつ準備して、

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スマホからガラケーに乗り換える。

政治改革より我が家の家計改革。
機種代も新規で購入すると3万近くするので、通販で新古品を購入して安く済ませる。

今冬の沖縄出張で痛感したのが、やはり通話機能はガラケーで独立させたいということ。

facebookなどで「時代に乗り遅れましたが・・・」とガラケーからスマホに乗り換えた方の報告を読むのだが、私にとって道具の選択は時代に左右されるものではなく、自分にとっての使い勝手がすべてである。

 現場作業していて業者と頻繁に通話でやりとりする事がある。手袋をしているときのタッチパネルに何度イライラさせられたか。
 雨の中や、ハードな現場で汗まみれになっているとき、スマホのような耐久性に乏しい精密機械はむしろ邪魔でしかない。
 
 以前書いたように、スマホの検索機能は図書館の文献検索に欠かせないし、カーナビ機能は大型車を乗り回す私には必要不可欠。というわけでスマホ併用の生活を送ります。

 そしてなにより、年々高機能・高価格になっていくiPhoneに疑問を抱く。そこまで高価な金払って便利さを求めて、この先に何があるんだろう。メディアの提灯記事に踊らされるのは御免である。

 ちょいとガラケーに戻ってみて、自分に必要なモノは何か再考してみます。

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職場の一服

某日。

 イタリア出張から帰ってきたK君の土産を職場で食す。
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右はイタリア特有の「アマレッティ」という菓子。
クッキーに似ているが食感はしっとり系。ピスタチオ風味らしいが、どうも日本のおつまみのピスタチオと違い、火で炒ってない生ピスタチオを用いているようで、やや青臭い風味。
左はコーヒー風味の「クッキー」なのだが、普段日本で食べているクッキーよりもサクサク系のクリスピーな感じ。
 みんなの食べ比べでは、コーヒー風味クッキーに軍配が上がりました。

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鳴子の宿

ブログ更新をしばらくサボっている間、世のため人のため現場作業に邁進。
我々現場作業部隊も人手不足はなはだしく、不良社員の私が現場代理人となる。

出張先の宿、たいてい現場管理のK君がビジホを確保してくれるのだが、今回は

親方「おう大滝、今度の宿お前決めとけよ」
私「え?俺決めていいんすか?」

滞在先は宮城県の鳴子温泉。
湯治客や観光客相手の宿が多く、選定に苦労する。

泊まった宿は、

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ルームキーも鳴子っぽいですね。

工程もタイトな現場、ヨレヨレになってチェックイン。
出てきた夕食が、

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え?これで一泊2食付6630円ですか?(注:ビジネスプランでの料金です)
すっげえ不安になるボリューム(笑)
しかも中ジョッキ生ビールは無料サービス。

会社の人間にも当ブログ見られてるらしいので強調しときます。
中ジョッキ生ビールは 無 料 サ ー ビ ス です。

しかも現場作業員には嬉しい、洗濯機の利用も無料、洗剤備え付き。
仕事から帰ってくると、部屋はきちんと前もって暖房が入っている心遣い。

宣伝しておきます。
鳴子近辺で働く作業員の皆様、鬼首・秋ノ宮周辺のシブい山を狙う登山者の皆様、鳴子温泉の 鳴子旅館 おすすめです。
※一泊2食付き6630円は、3泊以上の長期宿泊での割引きプランになります。通常料金は8790円です。

夕食のご飯は固形燃料で炊く釜飯風のご飯。
量が一膳ほどなので、旅館の方が「ご飯たりますか?」と気を遣って様子を見に来てくれる。
なにより、直接固形燃料の火で炊くご飯なので、

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ご飯のおこげがメチャメチャ旨い。
この旨さは、米をサラダの食材くらいにしか思ってない毛唐にはわかんねえよな。

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『第2回蔚州世界山岳映画祭』 の不都合な真実

去る9月21日から5日間にわたり韓国・蔚州郡で開催された『第2回蔚州世界山岳映画祭』。

各韓国メディアは国際イベントとして無難に報道していましたが、韓国の時事ジャーナル紙が痛いところを突いた報道を展開しています。

朴槿恵・前政権時から韓国各地の山岳地で問題になっているケーブルカー建設問題に関して、ゲストとして招かれたリック・リッジウェイもガツンと物申したようです。

「自然と共存」問いただすことになった蔚州世界山岳映画祭の課題 by 時事ジャーナル(韓国)2017.9.27

以下飲用開始
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「自然と共存」問いただすことになった蔚州世界山岳映画祭の課題
9月25日に閉幕・・・上映作品増大など、見た目拡大にも運営システムの粗雑

チェ・ジェホ 記者

 国内最初で最大の山岳映画祭として注目を集めた、第2回蔚州世界山岳映画祭が9月21日に開幕され、5日間にわたって21カ国97編の上映スケジュールを終えて幕を閉じた。

 昨年第1回の時よりも上映作品が19編増え、出品作品も78編(第1回は40カ国182編 → 第2回は31カ国260編)に増加するなど、世界的な山岳映画祭として発展する可能性を確認できた点で、主催者である蔚州映画祭事務局は舞い上がっている雰囲気だ。
 しかし、25億ウォンの予算をかけた国際イベントとしては貧弱な付帯行事プログラムに加え、映画祭の最も重要な上映館チケットに関連した粗雑な運営システムは、昨年第1回の時とあまり変わりなかったという指摘を受けている。
 蔚州世界山岳映画祭が、主催側が掲げるようにイタリア「トロント」、カナダ「バンフ」とともに世界3大山岳映画祭に成長するために解決すべき課題は何だろうか。

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去る9月21日、UMFF開会式の様子 蔚州世界山岳映画祭事務局提供

「このまま世界3大山岳映画祭に成長できるか」

 第1回蔚州世界山岳映画祭が開かれた昨年9月30日、キム・ギヒョン蔚山市長は当日午前中まで開幕式に参加しないつもりだった。市役所で当日朝に発送する日程表に、キム市長の代わりに行政副市長が開幕式に出席として名簿に記載されていた。キム市長は最終的にこの日の夕方の開幕式に出席し、会場で持前の明るい表情を維持したが、当日の朝は副市長を代わりに国際イベントに出席させようと決心するほど不満を持っていたものと思われる。

 キム市長の当日不参加のハプニングは、映画祭の名前をめぐって蔚山​​市と蔚州郡が神経戦を繰り広げたことから始まった。蔚山市は予算10億ウォンを支援する条件で映画祭の名称に「嶺南アルプス」や「蔚山」を用いることを要求したが、蔚州郡は最後まで地域名を譲らなかった。

 蔚州郡がこのような独自の路線を進んで失ったのは、10億ウォンの予算だけではない。蔚山市は今年広域市昇格20周年を記念する「蔚山訪問の年」と銘打って巨大な広報マーケティング戦略を繰り広げたが、蔚州世界山岳映画祭の広報は、蔚州郡の役割だった。

 5日間の蔚州映画祭に集まった観衆は約6万人と映画祭事務局は推定した。昨年の第1回で事務局が明らかにした観衆は、5万3000人だった。しかし、イベント期間中に会場を往来した周辺関係者は、昨年に比べて会場が広く感じられるほど訪問者が少ないと口をそろえる。

 野花漫画フェスティバル、ツリークライミング、全国スポーツクライミング大会、ガンウォルジェで開かれた山上音楽祭「蔚州オデッセイ」など、家族単位やスポーツ愛好家が参加するプログラム会場は参加者でにぎわった。しかしながら映画祭の中心であるべき「映画上映館」周辺は寂しいほどで、映画祭は全国の映画ファンを集めるには限界を表わした。

 このような寂しい上映館の雰囲気は、無料で行われている映画チケットのずさんな運営システムと無関係ではなかった。当初映画祭事務局は、オンライン予約以外に観覧席の20%を現場で発券すると約束したが、開幕翌日になって突然上映日に関係なく事前予約することができるように方針を変え混乱を招いた。

 週末の上映時間に間に合うよう当日券を入手しようとしていた観光客は「売り切れ」という案内に失望して引き返した。臨時上映館3棟も含め4箇所の上映館では、「売り切れ」という案内とは異なり前売券をストックしておいて、会場が見つからない団体のために主催者側は冷や汗を流したという裏話もある。

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去る9月23日、蔚州世界山岳映画祭会場で特別講演をおこなうリック・リッジウェイ氏の様子。 蔚州世界山岳映画祭事務局提供

蔚州推進・神仏山ケーブルカー - 山岳映画祭との共存方法は・・・

 今回の映画祭で主催側が精魂込めたプログラムの中で欠かせないのは、今年初めて制定された「蔚州世界山岳文化賞」だった。受賞者は、7大陸最高峰を世界で初めて登頂した記録を保持し「地球の息子」という敬称を持っているアメリカのリック・リッジウェイ氏である。彼は会場で特別講演と特別展示会をおこない、蔚州地域「嶺南アルプス」と縁を結んだ。

しかし、登山家であり環境活動家に変身した彼には、蔚州郡が推進する「神仏山ケーブルカー」が不満だった。

 リック・リッジウェイ氏は記者会見で「山は野生そのままに保存しなければならない。そしてケーブルカーには反対する」と表明し、映画祭関係者たちを困惑させた。 彼は「山に登った時、野生が与える魔法を感じることができて自然から安らぎを受けることができる」 として 「車に乗って、駐車場に駐車をして、ケーブルカーに乗って展望台まで上がって、再びケーブルカーに乗って降りてくるのは優れた人間の姿ではない」と批判した。

 映画祭発足を先頭に立って主導してきた蔚州郡は、今後は映画祭運営主催を法人にして世界的山岳映画祭として発足させていくという立場だ。
 蔚州郡の方針通りならば、来年9月には第3回蔚州世界山岳映画祭は神仏山の頂上と連結されたケーブルカー駐車場の真下で開かれることになる。

 「自然との共存」をスローガンに掲げた蔚州世界山岳映画祭が、映画祭の存在理由と現実の環境の間で、どんなスタンスを取るかにより今後、名実共に世界山岳映画祭に発展するかどうかを分けるものと見られる。

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以上引用おわり

なにかと「世界的」なタイトル好きな韓国ですが、この蔚州世界山岳映画祭に賭ける意気込みはものすごいものがあります。
昨年の第1回のゲストとして韓国に招かれたのがラインホルト・メスナー、そして欧米ではその名が知られている山岳ジャーナリストBernadette Macdonaldを招いたところに私は韓国山岳界の「本気」を感じた次第。

チケットの問題は「ケンチャナヨ」な韓国社会ではまあご愛敬として、神仏山のケーブルカー問題は痛いところを突かれました。

 あの雪岳山でも経済効果を期待してロープウェイ建設計画が浮上、計画に反対する自然保護・登山関係者に逮捕者がでるほど反対運動が白熱していました。
 朴槿恵政権が終末を迎えたことによりロープウェイ建設も白紙に戻されましたが、最近になってゾンビのように再浮上しているようです。
 当該記事の神仏山ケーブルカー計画のように、経済効果を期待する賛成派と自然保護を訴える反対派との対立が続いているところもあります。計画はかなり推進されているようですが、各関係省庁の対立もあり、ケーブルカー建設が実現するかはまだ予断を許さない状況、といったところです。

第3回蔚州世界山岳映画祭が韓国のみならず世界的な山岳イベントとなりうるか、ケーブルカー建設計画という環境問題の行方にも注目したいと思います。

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