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死よ 驕るなかれ

先週Bookoffで岩波新書の初期刊行本「死よ 驕るなかれ」売価105円を見つけ、速攻で購入。
著者は「アメリカの内幕」等で知られるジャーナリスト、ジョン・ガンサー。
内容は、ガンサーの息子ジョニーが脳腫瘍を患い、亡くなるまでの闘病記である。
この本、私が立正大学在学中、集中して読み漁った岩波新書の中で、特に印象に残った本。
それから20年近くたつ。
今の自分はどんな感想を抱くのだろう。
そんな興味もあって購入。

思えば学生時代、サハラ徒歩横断中に死んだ上温湯隆や、レーサーの浮谷東次郎とか何度も読み返していた。
共通するのは、いずれも強烈な個性と行動力を持ち、大いに可能性を示しながら夭折していること。
私が引っ込み思案で気の小さい性格だからこそ、そんな彼らにとても憧れていたのだと思う。
ガンサーが描く息子ジョニーは、闘病の合間にも向上心を忘れず、努力を怠らず、前向きな生き方をし、そして死んでいく。そこに「人は何故生きるのか」などという愚問を挟み込む隙は無い。
読んだ感動は、学生の時のままだった。
私という人間が成長していない証なのか、素晴らしい作品の与える感動は不変なのか。

 チャイナ・デーリーの英文記事で、中国チベット隊の落石事故の様子を確認する。
 亡くなったクライマー、リンナ氏の妻の名前が、山岳ライター柏澄子さんのウェブサイトでみかけたチベット女子隊隊員の名前と同じである。柏さんのウェブサイトを確認すると、やはり親交のあったクライマーとのこと、柏さん御自身の悲しみが綴られている。
 そして、チベット人クライマーの山への思いと、柏さんから視たレナ夫妻の様子が触れられている。
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 新華社が配信している、リンナ氏と娘との写真。
 私はリンナ氏のように高く困難な山に行くことはない。
 けれど、同じ幼い娘を持つ人間として、その写真がたまらなく悲しい。
 山での死はクライマーの未来と可能性を奪い、多くの人々の悲しみを伴う。
 
 来シーズンも、多くの登山者達が8000m峰に向かう。
 悲しいかな、誰もが無事に戻る絶対の保証は無い。
 インターネットに溢れる登山隊報道に接する度、みんな無事に戻ってきて、と思う。
 今季、戻ってこなかった人々に、この本の題名を送りたい。
 死よ 驕るなかれ

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