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温故知新

将来の目標への布石として、ヒンズークシュの資料を読む。
インターネット上で1970年刊長崎大学山岳部「KOE-E-BANDAKA」が600円、1961年刊京都大学山岳部「ノシャック登頂」が相場より安い1300円で売りに出ていたので逃さず購入。
前者は中部ヒンズークシュ最高峰コー・イ・バンダカー東稜初登、後者はアフガン最高峰ノシャック初登の記録。
山域の概念を知るには、過去の登山隊報告書に勝るものは無い。
後者の京都大学ノシャック隊、同時に入山したポーランド隊に先んじて登頂した際、「ショパンの国から来た同志たちへ。桜の国から来たボーイズより」というメモを残した逸話はなんとなく覚えていたのだが・・・
この隊の初登者、岩坪五郎氏(元京都大学名誉教授)とは、一度だけだが用事で数年前にメールのやりとりをしたことがあった。
 あ~こんなことなら当時もっと山の話聞いとけば良かった。
 しかも隊付きの地質学者として同行した澤田秀穂氏、もちろん面識はないが、私がタイ北部をマウンテンバイクで走った際、地質調査所発行「地質ニュース」でよく澤田氏が書いたタイ北部の地質記事を参考にしていた。
 そうそうたる京都大隊の報告書だけあって、登山記録だけでなく、キャラバン中の風物の記録も丁寧だ。

 もっとも心うたれたのは登頂者・岩坪氏の記録。
 行動が相前後したポーランド隊とのやりとり。

 きょうは敗戦の日だ。あのころ、わたしは一個のジャガイモに、目の色をかえる栄養失調の小学生だった。いま、7500メートルの頂上をめざして、氷河のモレーンのうえを、あるいている。ポーランドの連中に見送られて。平和とはありがたいものだ。こいつだけは、山登りのためにも、なんとか守らなくては、とおもう。

 今回入手した報告書の中には、平和な頃のアフガニスタンの様子が輝いている。
 その後のアフガニスタンの不幸な歴史を思うにつれ、岩坪氏の言葉が突き刺さるように印象に残った。

noshaq-for-jm-articleノシャック遠望(Poject Himalayaより)

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