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嗚呼、憧れの甑岳

9月4日、某旅行社様のクライアントを引率して甑(こしき)岳に向かう。

甑岳とは、山形県村山市の東側にそびえる標高1016mの山。
江戸時代の北方探検家・最上徳内が、自分の将来をこの山の山頂で決意したことで山形では知られた山だ。
奉公先の店から婿に来ないかと誘われた徳内、江戸で学問をやりたいという気持ちを、山頂で確認したといわれる。
 私なら迷わず学問より女と金であるが、このあたりが俗人と偉人の違いなのだろう。

 4年前の冬の夕暮れ、夕陽に赤く染まる美しい甑岳を見て、いつか登りたいと思っていた。
 縁があってガイド山行のオファーが来た。
 早速提示されたコースを下見目的に登ってみる。
 予定の新山コース、登山口の新山集落は熊出没中、新山コースも登り口から頂上稜線まで藪、酷いところは頭上を覆う藪をかき分けての前進である。これでは初級登山として申し込んだクライアントにはあまりに過酷である。
 旅行社に状況を報告し、私からコースの代案を提示する。はからずも山行企画にまで首をつっこむことになってしまった。
 直前になって、地元在住で甑岳に詳しい尾崎さんもガイドに加わることになった。

 そして当日。
 登高途中でお客様1名が熱中症に倒れ、添乗員氏と尾崎さんがフォローで下山、私が残りのクライアントを引率し、予定の行程を消化する。
 時間を気にするため、気づかずにハイペースになっていたのだろうか。頂上では、おばさまのグループから「初めての参加なのに・・・」「30分に一回は休憩いれてよ」とクレームをいただく。
 毎回思うが、旅行社の団体登山のお客様、バリバリの方もいれば山は2、3回めという方もいる。
 その対応にはいつも迷う。
 客を甘やかすなという論調も最近山岳誌で散見されるが、いかに参加者を啓蒙するか。まだまだ私にはコミュニケーションスキルが足りない。
 頂上から戻る頃から雨。植生もヤマハッカが満開なくらいで、先週咲き乱れていたオクモミジハグマは全く見られなくなっていた。
 雨の甑岳。
 クライアントの皆様には、どんな思い出が残ったのだろうか。
 尾崎さんも木元添乗員もお疲れ様でした。
 私にとっては様々な反省材料があった一日。
 会社の仕事と違い、山の反省材料は「よし次は頑張るぜ」と前向きになる。
 やはり私は社会人失格なのかね。

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