日本人であるということ。
21歳の若かりし頃。
私は中国領のシシャパンマ峰8027mを目指し、登山活動を展開していた。
荷揚げ要員として、TBCから一人でBCへ向かうよう指示が下される。
思いがけない単独行動に、内心喜んで出発。
氷河のモレーンで、一人休憩をとる。
ふと思った。
この広大な荒野で、私は何をもって日本人であると証明できるのだろう。
素っ裸になった時、何をもって日本人であると言い張れるのだろう。
時は過ぎて、今日の朝刊。
日本国民であること「誇り」9割…読売世論調査 by 嫁売新聞9/16
記事をよく読めば、
日本が他国に侵略された場合の対応については、「安全な場所へ逃げる」「武器以外の方法で抵抗する」が、ともに35%でトップ。「武器を持って抵抗する」は17%で、同じ質問をした80年調査(21%)、2002年調査(19%)を下回った。
自国を誇りに思えど、個人主義の台頭により、侵略された場合は逃げるがトップ。
しっかし、武器以外の方法の抵抗ってなんなんだろうね。
日本の周辺で暗躍する、
かよわい女子中学生を誘拐・拉致した挙げ句、工作員養成に利用したり、
ビルに飛行機つっこませたり
ハネムーン客でにぎわう南の島を爆破したり
という凶悪なテロリストに、武器以外で抵抗なんかできるのか?
この世論調査が示唆するには、左翼がかった自称「平和活動家」「反米・反日評論家」の連中が盛んに叫んでいる「日本の右傾化」が、根拠のない戯言に過ぎないことが数字としてはっきりしましたね。
もっとも、メディアの世論調査、統計なんて、いくらでもウソつけるけど。
国と個人をめぐる論議に接するとき、よくチベットに滞在した時の感覚が蘇ってくる。
何も持たずチベットの荒野に立った時の、不安のような、解放された快感のような、不思議な気持ち。
私達は何をもって日本人であると主張できるのだろうか。
| 固定リンク
「expedition」カテゴリの記事
- ピオレドール・ロシア2019ノミネート(2019.12.07)
- 【悲報】ミック・ファウラーが(2019.11.12)
- ロベール・パラゴ逝去(2019.10.26)
- リンクサール主峰、ついに陥つ(2019.08.09)
- 私は山で涙を流さない クシストフ・ビエリツキ(2019.06.23)
コメント