いつもの楽しみにしている保守系ブログを閲覧すると、いきなり「梅里雪山」の名前。
なんだと思えば、京大隊の遭難慰霊碑が傷つけられたとのこと。
保守系ブログの多くが、反日中国人の心ない仕業としていきり立っている。
一報を伝えたのは左翼偏向の毎日新聞。
遭難慰霊碑についてネット検索すると、傷つけられたのは最近ではないことが判明する。
次のサイトをご覧いただきたい。
いずれも遭難慰霊碑を訪れた旅行記だが、すでに慰霊碑に傷がみられるのである。
山と旅のホームページ
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~jnaka/index.htm
写真と東洋蘭と山野草
http://blog.goo.ne.jp/purinnsesuhana/
「写真と・・・」は05年12月の旅行記で、画像はないが酷い状態であることを記述している。状態は毎日新聞の報道と同様であろうと推測される。
「山と旅の・・」は02年当時の慰霊碑の画像が掲載されている。遭難者の名前は読み取れる程度の傷であるが、人為的な傷であることが容易に判断できる。
つまり、慰霊碑への傷自体はもう4年も前から存在していたことにある。
なぜ、左翼売国偏向の毎日新聞は今頃になって報道したのだろうか。
さらに気になるのは、傷をつけた人間が何者かである。二つ考えられる。
1.梅里雪山を聖山とあがめる地元住民による行為
2.反日思想で頭真っ赤な中国人観光客による行為
少し山を知る者なら、上記1の地元住民による行為は容易に想像されると思う。
この点から、毎日紙の第一報は非常に踏み込みの足りない報道ではある。
第一報の翌日、同じく毎日の朝刊では次のような報道がなされた。
記事引用開始
傷が目立ち始めたのは04年夏ごろから。梅里雪山周辺は長江とメコン川、サルウィン川が並行して流れる「三江併流」地域と呼ばれ、03年に世界自然遺産に指定された。最近は中国内外から多くの観光客が訪れており、日本人隊員の遺体捜索のため通う写真家の小林尚礼さん(36)=東京都杉並区=は「観光客のいたずらではないか」と推測する。【四谷寛】
記事引用おわり
2日朝刊の報道で注目されるのは、現地に住み込み事情通のカメラマンである小林氏の「観光客のいたずらではないか」というコメント。
あるブログでは、地元住民の感情を尊重しようという主旨で、登ってはいけない場所もあることを認識すべきと結んでいる。ご本人にその意図があるのかは不明だが、京大・中国登山協会隊は登っていけない場所に足を踏み入れたと読み取れる論調である。
実際、「登山隊」の成立にはずいぶんドロドロした裏面も付き物である。それは外部の人間には、伺い知れないことである。
ずいぶんと報道に併せてグッドタイミングな時期に出版された小林氏の著書紹介によれば、登山隊に対して住民の妨害行為もあったとのことであるから(参考ソース クライミングブックニュースhttp://d.hatena.ne.jp/climbing/)住民感情が良くなかったことも事実であろう。
登山と地元住民の対立は遠い昔のマナスル、メスナーによるカイラス登山断念の例を挙げるまでもなく、地元住民の感情は尊重されなければならない。その意味で、私達登山を志す者は謙虚でなければならない、と改めて思う次第である。
さて、中国の登山関係サイトを調べればわかるが、梅里雪山は世界十大美などと賞賛され、中国人観光客にとって絶大な人気を誇る観光地である。
小林尚礼氏がコメントしたことから、この傷は観光客によるものと判断してよかろう。生活を共にし、地元住民と深い交流を続けてきた小林氏の言を否定する根拠は見いだせない。
この件について私の意見は一つ、
「慰霊碑を傷つける行為は、何者であろうと許し難い行為である。」
宗教に絡むならば、政治思想に絡むならば、何をやっても許されるのか。
クライミングブックニュースの著者が憂うように、残念な話ではあるが、あと数年もたてば同地域は大型資本が入り観光化が進むと私は予想している。
山は、変わらぬ姿を見せて欲しいものである。
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