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エベレスト公募隊遭難訴訟、裁判始まる

昨年12月に当ブログで報じた、ヘンリー・トッド氏率いるエベレスト公募隊遭難の訴訟問題。
イギリスで裁判が始まるようです。

Three accused over Everest death by BBCnews2/8

当ブログ記事 【速報】エベレスト公募隊の遭難、訴訟問題に発展 でも書きましたが、被告となるヘンリー・トッド氏についておさらいしておきましょう。

 ・格安で8000m峰の国際公募隊を組織・引率していた。
 ・かなり強権的な人物で、「ベースキャンプの市長」の異名を持つ。
 ・率いる隊の酸素ボンベにトラブルが多く、別のフィンランド人からも訴えられている。
 ・各種トラブルでネパールで登山できなくなり(当局による登山禁止か商売あがったりなのかは不明)、2002年はパキスタンのK2に転進、そこで日本の労山K2隊のフィクスロープ、テン場を無断使用、抗議した労山隊に逆ギレしてデマによるいやがらせ等、一悶着の前科あり。
 
 という、ネットに流されている情報から判断するに、あまりお近づきにはなりたいと思われない方。
 (まあ強引で口が悪くて思いやりのカケラも無い人ってクライマーにいっぱいいるけど)
 BBCの記事は次の通りです。以下、記事引用開始

 3人の男性が、エベレスト登頂・イギリス最年少の英国人殺人嫌疑をうけ、治安判事の所に出向きました。
  ジョナサン・ティンカー、ヘンリー・トッド、マイケル・スミスは、1999年5月にロンドン市民マイケル・マシューズ(22)を死に至らしめたとして訴えられています。 マシューズ氏は下山中、ブリザードによって消息を絶ちました。
殺人罪で訴えられているアルペン・マウンテニアリング社からは、誰もヨーク下級裁判所に現れませんでした。
 ティンカー、トッド、スミス各氏は審理中に氏名住所を確認、6月6日にロンドンの刑事裁判所に出頭するよう命令されました。

 記事引用おわり
 killingには「殺人」の他、「死に至らしめる」というニュアンスもあり、イギリス刑法はもちろん英語もそんなに詳しくない筆者ですが、manslaughterという語も用いられていますので、上述の引用記事は「殺人罪」と訳しております。
 ガイドの「業務上過失致死」ではなく「殺人」とされたところに、本件の重大さが表れていると思います。
 なお、原告は行方不明となったマシューズ氏の父です。
 裁判の過程で当然、登山活動の詳細が明らかになります。(この原告となったお父さん大富豪らしいので、費用は気にせず徹底的に裁判で争うものと勝手に予想してます)
 これは遺族による感情的な訴訟問題には終わらず、公募登山の問題点、企画引率する側、参加する側が抱える問題点が浮き彫りになることは必至でしょう。
 今後の裁判の経緯が注目されます。

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コメント

1997年、僕はこのヘンリートッド隊のポスト/チュオユ登山に参加し7500mから撤退した体験があります。大きな原因は、この地点にあった最終キャンプのテントが人員オーバーで泊まることが出来ず、他の既に撤退した隊の破棄した破れテントで、酸素ボンベなし、一晩過ごせざるを得なかった事。この隊への加入の経緯は、故.田部井淳子氏からニュージーランド隊の紹介→ここから、ヘンリートッド隊への「回し」でした。僕のニュージーランド隊に振り込んだ参加費用が、じゃ幾らでヘンリートッド隊に支払われたのか、知る由もありません。ただ、そのネットワークの中で自分が「駒」に過ぎなかった事は確かでした。

投稿: 村岡由貴夫 | 2019.04.20 03:12

村岡さん

 実はこの記事を書いた後、村岡さんの経歴をFBで拝読した際、ヘンリー・トッドの名前が挙げられてまいしたので、大変失礼なことを書いていたのかなと感じていたのですが、そのような経緯があったんですね。

 前年の96年に遠征していた私は、同じ山に入る登山隊同士でテントのやりとり、固定ロープのやりとりをみながら、必要とはわかっていましたが、自分のイメージする「ヒマラヤ登山」とは違和感を感じていたのも事実です。

<<ただ、そのネットワークの中で自分が「駒」に過ぎなかった事は確かでした。
 前述の経験から、村岡さんのお気持ちお察しいたします。

 ただ、「ヒマラヤの大衆化」は登山の歴史でいえば避けることの出来ない流れと私の中では割り切っていますので、今後どんな方向に進んでいくのか、私なりに見続けていきたいと思っています。

投稿: 大滝勝 | 2019.04.21 21:51

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