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奥入瀬渓流事故裁判に判決下る

7日、へなちょこ野党党首選挙でマスコミは大賑わい。
この報道の陰に、野外活動に携わる者にとって重要な裁判の判決が下った。
03年、青森県の奥入瀬渓谷において、地上約10メートルから落下した国有林のブナの枯れ枝(長さ約7メートル、直径約18−41センチ)の直撃を受け、観光客女性が下半身麻痺の大怪我を負う。
この事故を巡り、遊歩道を管理する国・県に対し損害賠償を求める裁判となったものである。

この裁判については、地方紙・デーリー東北社が特集を組み、前日には裁判の行方を注視する記事も掲載している。
デーリー東北社は以前より「岐路に立つ国立公園」と題して、本件事故を含め、八甲田の登山道「不法」伐採事件などを取り上げ、広い視点から国立公園管理の是非を問う特集を組んでいる。
地方紙の面目躍如たる秀逸な特集といえる。
7日の落木裁判の判決は、原告夫妻に1億4800万の賠償金支払いを国と県に命じる判決であった。
私自身、訴訟文・判決文の詳細を分析していないので、細かいコメントは避ける。
落木の可能性の予測を巡りトンデモ判決になる可能性があるが、事故被害者の救済という観点から、妥当な判決だと私は考える。

私がお世話になっている山形県自然博物園では、「自然のままの様子を見学者に提供する」を旨として、観察コース上の倒木の類も原則として手を加えないことにしている。
今回の判決は、国立公園内の遊歩道においても高等な注意義務を求める判決となっている。
ひいては、野外において他人を引率する立場の人間にとっても、十分な注意を求められることとなろう。

デーリー東北社特集「岐路に立つ国立公園」

第1部 南八甲田で 責任 国、県ともに賠償を拒否(奥入瀬落木事故の経緯)

さらに同社は、山形県朝日連峰・平岩山の「不法」伐採問題についても記事を組んでいる。

第3部 疲弊する山々 7 違法行為(磐梯朝日・朝日連峰)

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国と青森県に1億4890万円賠償命令、奥入瀬渓流事故(asahi.com 200... [続きを読む]

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