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山岳ガイドとパティシェ ~プロとは何なのか~

私は洋菓子が好きだ。
その手の女性向け本も、たまに読む。
パティシェ(洋菓子職人)の世界における、プロとアマの違い。
時折いわゆる「玄人はだし」の素人の女性が、自作菓子を店に持ち込み、商品として置いてくれないか頼みにくるそうだ。
そういう素人女性の持ち込みは、たいてい長続きしないという。
体調が悪い、子供が熱をだした、などでコンスタントに菓子を納品できなくなるパターンが多いらしい。
すなわち、作る菓子の品質が、何があろうと安定していることがプロの条件の一つだという。

今の自分。
扁桃腺が腫れて39℃の発熱。
明日は会社の宿直。
そして、明後日は鳥海・月山・蔵王のツアーガイド。
九州からのお客様を、3日連続で案内するのである。

関西の山岳プロガイドを名乗る方のウェブサイトで、兼業ガイドをひどく貶めている表現のサイトに出会った。
その方にとって、兼業の人間がプロガイドと名乗るのは「疑問」「不思議」だそうだ。
はっきり書く。
私にとって、 非 常 に 不 愉 快 な 表現である。
だいたい、日本の偉いガイドのセンセイ方が無条件に崇拝するガイド登山の本場、フランス・モンブラン初登頂を支えたジャック・バルマだって、水晶採りという本業があったという史実をお忘れのようである。

もちろん、私の師匠を含め、専業ガイドで活躍する方々を、私は深く尊敬している。
一方、山岳ガイドが未だ職業として確固たる地位を築いていない日本、現実として兼業ガイドが果たし、担う役割は大きいはずだ。

兼業であるが、私はプロである。
兼業ということで、甘えたくない。
私は菓子店に自作菓子を持ち込む女性のようにはなりたくない。
熱のある頭で、そのことを考え続ける。

何が何でも、目前に迫ったツアーをリードする。
咲かせてみせましょ、兼業ガイドの意地の華。

出発前日、某内科病院でニンニク注射の成分を点滴してもらう。
さらに、ツアーには扁桃腺の痛みと熱を抑える抗生物質をザックにしのばせる。
ツアー前夜、体を襲う寒気に悩まされながら、会社の宿直室で横になる。

そしてその結果。
点滴が効いたのか、お客様をフォローし、鳥海、続けて月山、蔵王と登った。
毎日雨でずぶ濡れ、体を冷やしながらも、日を追う毎に体調は良好。
2日前まで39℃の熱があったのに・・・
人間って、すごーい(笑)
私はこれでもインドア志向の人間である。
図書館で大人しく本読んだりするのが好きな人間なのだが。
また口の悪い連中からケダモノとかターミネーターとか言われそうだ・・・。

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コメント

プロでも
病気や事故、家族があります。
だって人間なんだもん。
そこを乗り越えてどうしているか
それに日本ってそんなにガイドが儲かるようにできてないよね。確か。。?
そんな事情で兼業じゃなくてできる人なんて限られる。

いいかげんさを批判するのは自由だが
生活という現実を理解しないでものを言うやつは
同じ立場に立ってみろってな感じですね。
負けずにがんばれー!
(がんばりすぎないでね。笑)

私も激務と暑さとストレスで
にんにく注射ならぬカプセルを毎日飲んで乗り越えようとしています。
ドーピングしようと倒れたり休んだら文句がすごい。
だからいいのだ、自分プロの運動選手じゃないんだし
とのーてんきに割り切ってサプリやビタミン注射など
いざというときは38度の熱でもやはり働いてるけど
やっぱり山にはいけないいかない!!(危険だもの)

月山にいつかいこうー
と思いながら別の東北の山にいくことになりました。(笑)

投稿: POP | 2006.07.28 23:28

応援ありがとうございます。ぐすっ。
今回初めて点滴なるものを経験しましたが・・・
売値10万円のポンコツ軽自動車にF1レース用のオイルやら燃料やら注入して走らせてるようなもんで・・・日頃の健康管理が大切だと思い知った次第です。

梅雨明け前でまだ東北の天気はパッとしませんが、pop様が東北の山に来られる頃には、天候が良くなりますようお祈り致します。

投稿: 聖母峰 | 2006.07.29 16:38

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