この親にして、この子あり。
彼女の名前を知ったのは、上司の車に便乗してNHKラジオのニュースを聞いた時だった。
チョモランマ無酸素単独登頂に、イギリス女性が成功。
来年、自分が赴く予定の山に、無酸素単独成功。
自分の価値観を自分で決められない単細胞が沢山いるクライマーとかいう人種と違い、私は自分達が実施する極地法の意義を認めているものの、そのニュースは私にとってやはり複雑な想いだった。
その女性の名はアリソン・ハーグリーブス。
欧州六大北壁の単独登攀など、卓越したイギリス女性クライマーである。
95年にチョモランマ単独登頂成功後、K2に転進。
頂上付近で雪崩に遭い、行方不明となる。
そして今。
メディアのタイトルに
Son of tragic climber plans to scale the Eiger
とあったので、てっきりアイガー北壁直登のロープ切断事故で死んだジョン・ハーリン2世の息子、ハーリン3世の特集かな・・・と思ったら。
アリソン・ハーグリーブスの息子、トム・バラード17歳が、アイガー北壁に挑むそうです。
成功すれば、アイガー北壁ソロの最年少記録だとか。
在りし日のハーグリーブス母子。子供のどっちかがトム・バラードと思われる。
BBCはこの一連の登攀を記録・取材するそうです。
うーむ、この親にしてこの子あり、とはよく言ったものです。
ちなみにハーグリーブスがアイガー北壁を完登した時、彼女は妊娠3ヶ月。
そのお腹の子が、トム・バラード君。
ハーグリーブスの遺した名言といえば、チョモランマ単独を果たした時の言葉、
『ママはやったわ』
さて、有名登山家である母を尊敬している息子、トム・バラード君は、アイガーの頂に立った時に何を考え、何をつぶやくんでしょう。
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コメント
しらなかった!
なんとまあ。
妊娠三ヶ月って気づかないぐらいだから
なんとかなるのでしょうか?
惜しい人を亡くしたものですね。
そんなパワフルな女性ならなおさら。
お子様の活躍が楽しみかも。
聖母峰さんのぶろぐはお勉強にナルです
投稿: POP | 2006.07.31 23:13
<<そんなパワフルな女性ならなおさら。
<<お子様の活躍が楽しみかも。
以前読んだ記事では、ハーグリーブスの生前から、旦那様は相当心労があったようです。
今回の記事と同時に、たまたま読んでいた日本隊のヒマラヤの記録で、『産まれてくる子供を見るために下山します』とメモを残し、頂上を目前に無念の退却をした方がおりました。
いろんな生き方があるものだな・・・と改めて思います。
投稿: 聖母峰 | 2006.08.01 12:31