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池田常道氏に異議あり。

またBookoffネタ。
ロクスノとかいう雑誌のバックナンバーを見つけたので買ってみる。
クライマーとかいうオタク連中の自慢話満載のカルト雑誌を定価で買う奴の気が知れない。
K2登頂50周年特集とやらで、登山史研究における日本の第一人者、池田常道氏のK2解説を読む。
さすがは池田氏、という切り口で読ませてくれる記事である。

この中に気になるくだりがある。
登山史において、アレイスター・クロウリーの評価を見直すべきではないか、と池田氏は提唱している。
しかしながら、東北山岳ガイド協会所属山岳ガイド大滝勝は、池田氏の提唱には真っ向から反対するものである。

アレイスター・クロウリーとは、20世紀前半、ヒマラヤ登山の黎明期において、カンチ峰など幾多の登山隊に参加、その奇異な行動が特筆されている。
いわく、
医師でもないのに高度障害に倒れた他隊員の肺水腫を見抜いた。
雪崩の発生を予言、クロウリーの予言に従わず行動して遭難死した隊員の救助活動には一切手を貸さず、大ひんしゅくをかう。
自分の意見を聞かない登山隊の隊長を拳銃で脅した。
などなど。
そう、もともとクロウリーは別名「20世紀最大の神秘主義者・魔術師」と呼ばれ、オカルトの世界では名を知らぬ者はいない。
黒魔術に身をやつし、薬物と性交の怪しげな儀式を用いた人物である。

Ac02
日本のオカルト関連本でよく引用される、儀式中のアレイスター・クロウリー像

クロウリーについては、昨年Climbing誌だったかで大々的に取り上げられたようだ。(筆者未読)
小学生の頃からオカルトに親しんできた(親しむなよ)私にとって、「岩と雪」に掲載されていたジョー・ブラウンのトランゴ登攀の記録にクロウリーの名前を見つけた時には、ある種の恐怖を覚えた。
クロウリーが黎明期の登山隊に関わったのは、明らかにアルピニズムとはかけ離れた、二次的な目的があったためである。
池田常道氏がクロウリーについてどの程度認識しているかは不明であるが、結果的に登山史に寄与したにせよ、アレイスター・クロウリーを必要以上に評価すべきではない、というのが私の意見である。

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クライミング」カテゴリの記事

コメント

そんな人がいたのか~
怖いけど的中するならその能力だけはほしい。。

天気も読図も雪崩も大変です。

オカルト映画「オーメン」好きだった私ですが、やはりどこか作り物だという安心感あってこそだろうなと思う。
こういうのって「ムー」とか「ニュートン」など読むとでてきたりする話題なのだろうか?登山かじって2年ちょっとの私には遠いお話です。汗

投稿: POP | 2006.07.31 23:24

雨が降ってくると、ツアーのお客様に 必ず 聞かれる質問、
「この雨すぐ止むかしら?」
「雨具、下も履いた方いい?」
あー、観天望気を超越して、天気左右する超能力が欲しい瞬間。

私、シルバの一番シンプルなコンパス使っているのですが、師匠からはミラー付の高級コンパス勧められております。
でも最近、『風水コンパス』に興味津々です。お客様は嫌がるだろうな。

投稿: 聖母峰 | 2006.08.01 12:24

うわぁこれは恐い…

>「岩と雪」に掲載されていたジョー・ブラウンのトランゴ登攀の記録にクロウリーの名前を見つけた時には、ある種の恐怖を覚えた。

すみません、「クロウリー」の文字だけに反応して寄らせていただいたもので、登山に関して全くの門外漢です…
察するに、昔の有名登山家の本に、カルト界の(色んな意味での)風聞を一身に集める魔術師の名前が突然登場し、驚いたわけですね。

勿論過去の話で、7/31の時点では、それを踏まえた別の話(再評価について)をされている様ですが。

寝室のベッドの中に蛇を見つけたとでもいうか…うまい例えを思いつきませんが、実際の秘技の真偽はどうあれ、彼の呪いの意志だけは、書物を通じて感じられたのでは無いでしょうか。

写真はゴールデンドーンに籍を置いていた時のものでしたっけ。…登頂時は…?

投稿: aoyume | 2006.08.26 08:10

aoyume様、はじめまして。
<<寝室のベッドの中に蛇を見つけたとでもいうか
ああ、上手い例えですね。

<<…登頂時は…?
結局彼らの時代には8000m峰を登頂することはできませんでした。
クロウリー自身は、前述した「雪崩発生を予言、巻き込まれた仲間の救出を拒否」した件で登山界から追放されたと聞いています。
まあ、高所登山での「高山病」で性格が変わったりとか、メンタルな部分を侵される場合もあったりするのですが・・・
オカルトの世界の人間であるクロウリーが初期のヒマラヤ登山に入れ込んでいたことは、とても興味深いと思ってます。

投稿: 聖母峰 | 2006.08.26 11:01

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