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氷河の中で、安らかに眠れ。

日本雪氷学会のメーリングリストを読んでいたら、学会にドラマ脚本家から問い合わせがありました。

『人間の遺体が腐敗を免れ、綺麗な状態で保存されるような現象は日本の雪山で可能でしょうか』

という意味合いの、脚本家からの問い合わせでした。
なにかドラマのヒントにするのでしょうか。
おそらく、アルプスの
「夫婦が氷河で遭難、悲しみのあまり夫は何年も氷河の傍で待ち続け、ある日老人となった夫の前に、遭難した当時の美しいままの妻の遺体が出てきた・・・」という伝説から、このような疑問がでてきたんでしょうかね。
現実は・・・
氷河で遭難後、十数年経過して発見された遺体の写真を拝見したことがありますが、現実は伝説と異なり

遺体はミイラ化、氷河の圧力で頭蓋骨ペチャンコ

という、ロマンのカケラもない状態でした。
で、氷河を抱くヨーロッパでは遭難遺体が何年も経過してから見つかるというのは珍しいことではありません。
今回もまた、そのようなケースです。

Inquest into climber's death by This is Wiltshire.co.uk 12/8

1989年2月、地質学者マイケル・シーバーズはイタリアの山にスキー旅行に出かけたまま、仲間含む4名全員が行方不明となりました。
それまで仲間の遺体や装備品は見つかっていましたが、今年8月、ようやくシーバーズ氏のミイラ化した遺体が発見されたというもの。
 記事の中で、シーバーズ氏の母親はこう述べています。

  「行方不明になったのが17年前であるにもかかわらず、彼が私たちの心から遠ざかったことは一度もありません。」

 山岳事故で残された遺族の悲しみたるや、ここで語るまでもありません。
 遺体の見つからない氷河上の事故であれば、なおさら遺族にとっては残酷なものなのでしょう。
 キリスト教には成仏という概念があるかは知りませんが、故人のご冥福とご遺族の平安を改めて祈ります。

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