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水質浄化の植栽いかだ事業見直しへ

私の性格上、政治ネタを取り上げると血なまぐさくなるので、しばらくネイチャー路線でいきます。

山形県南陽市に白竜湖という沼があります。
周囲を水田と果樹園にかこまれ、山形新幹線から望む風景は、海外から帰国した際など、とてもほっとする風景です。ああ、山形に帰ってきたんだ、という感覚。
D06

この白竜湖、生活排水が流入することもあり富栄養化が激しく、藻や水草が大量発生、悪臭などに悩まされていました。
そこで登場したのが、ビオトープなどで活用されている「植栽いかだ」。
当時の山形新聞は華々しく紹介しています。
以下記事引用開始

浄化作用持つ「植栽いかだ」を湖面へ設置-南陽・白竜湖 by 山形新聞  2005/07/04

 白竜湖(南陽市赤湯)の水質改善を進めていくための新たなシンボルとなる植栽いかだの組み立てと、湖面への設置作業が3日、現地で行われた。
 白竜湖は、稲作の時期になると、排水路の水門が閉められ、周辺の水田約27ヘクタールのかんがい用水として使われている。水田を潤した水は白竜湖に戻り、それを再びかんがいに使うため、4月から7月にかけて湖の水質が悪化。さらに同時期は水門閉鎖によって赤湯地区の生活雑排水が白竜湖に流れ込み、水質悪化に拍車を掛けている。
 こうした状況を改善しようと、県置賜総合支庁と南陽市は2002年から、湖面を覆うヒシの除去などを行ってきたが、行政と地域住民が連携して白竜湖の水質改善を進めていこうと、水質浄化作用を持つ植栽いかだを3枚造り、湖面に浮かべることにした。
 この日は地元の小学生や南陽高の生徒、赤湯地区の住民ら約70人が参加。植栽いかだを開発した特定非営利活動法人(NPO法人)「とよあしはら」(埼玉県越谷市)の山本裕隆事務局長ら3人の指導を受けながら作業を行った。まず杉の間伐材と青竹を組み合わせて3.5メートル四方のいかだを製作。その上に木炭入りの袋を12袋載せ、水中の窒素やリンを吸い上げるハナショウブを1袋につき5株植えた。
 完成したいかだは重さ約500キロもあり、参加者が力を合わせて水辺まで運び、ボートで引っ張り湖面の中央に浮かべた。
 今後は地元のボランティア団体「赤湯地区ふるさとづくり推進会議」がいかだの維持管理などを担当。米沢中央高の佐藤五郎教諭が11月まで白竜湖の水質調査を行い、いかだの効果を検証する。

以上記事引用おわり

正式な事業内容は以下のとおり↓
平成18 年度にNPOとの協働が行われる事業
担当部署 置賜総合支庁保健福祉環境部環境課 山岸正寛課長補佐
事業費 69万円

そして事業開始から1年以上が経過した今、植栽いかだの効果は疑問視という結果になってしまったようです。

以下記事引用開始

白竜湖:南陽市、保全事業見直しへ 有識者、県に木歩道撤去の意見書 by 毎日新聞山形支局12/14
 県と南陽市が取り組んでいる白竜湖(同市赤湯)の環境保全事業のうち、木歩道整備について「効果がなく、撤去すべきだ」とする有識者の意見書が県などに提出されていたことが13日、分かった。木歩道は湖畔の植生を守るために今年度から実施され、一部完成していた。さらに意見書では、水質浄化を目的にした植栽いかだの設置も、植生への影響が懸念されると指摘しており、市は意見書を受けて同事業を見直す方針を決めた。
 市によると、有識者は県文化財保護審議会委員ら3人。県が植生影響調査を依頼した。10月末に提出された意見書によると、木歩道は設置した土の部分に圧力がかかるため植物の根茎を傷め、日光も当たりにくくなるとして撤去を要求。植栽いかだも、いかだの上に植えたハナショウブを湖畔に生育する固有の植物にしないと、周辺の植生が変化する可能性があると指摘した。(以下省略)
以上記事引用おわり

 広大な沼に対して、いかだの木炭と植栽の効果はいかに・・・とは思ってましたが、官庁主導の事業と異なり地元の人々も巻き込んでの活動だけに残念でした。さらなる次のステップにしてほしいところです。

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コメント

 素人考えですが、環境汚染対策とくに汚水の処理をするなら総合浄化槽の設置と汚水処理場を作るのが正解じゃないかと思います。
 水は溜めると当然汚れます。古代都市が滅びた理由の多くが塩害ですから。周辺や地中から集めた養分は湖で煮詰められて塩となり固まってしまいました。山形の湖では塩になることはないでしょうけど、流れ込む養分が溜まってしまうことに違いはないでしょう。流れを変えるか養分を除く。自然分解で処理できる量ではないと思いますけど。
 模擬自然のビオトープは所詮“箱庭”ですね。

投稿: かもめ | 2006.12.15 12:54

re:かもめ様
 <<模擬自然のビオトープは所詮“箱庭”ですね。
かもめ様の一言が全てのような気がします。
建設会社に勤める私としては、効果も明確でないこの手法を役所が採用に至った経緯の方にとても興味があるのですが。
植栽いかだで検索すると、くだんのNPOやこの手法は各地で利用されているようですが、やはり外部の植物を持ち込むという点が問題視されているようです。

 日本各地、特に水が「溜まり」やすい城跡のお堀の水質浄化があちこちで課題になっているため、本件の話題はちょっと注目していたのですが、手法の力負け・・・残念な結果だなあというのが正直な感想です。

投稿: 聖 | 2006.12.16 05:44

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