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情報発信 ~日本登山界に決定的に欠けているもの~

当ブログのローツェ南壁記事に関しましてはチーム猫屋敷の方から丁重なメールを、そして先日の記事にはGure様よりコメントをいただきました。
アクセス解析でも「ローツェ南壁」で検索して当ブログを訪れる方が多かったので、再度思うことを書きます。

南壁登攀後、その成果についてマスコミの記事は反日売国紙朝日新聞の他、

ボンベが命救う 冬季初完登ローツェ南壁 by 中日新聞12/31(リンク切れ)

あと41メートル…無情の頂 by 読売新聞1/10

と、いずれも南壁そのものの登攀と無事下山を称える内容になっています。
さて、昨年末から今月上旬にかけて、海外の山岳メディアもローツェ隊の成果を報道しました。

Lhotse: Tanabe's Japanese team climbs the south face - but no summit by K2climb.net1/3(アメリカ)

South Face of Lhotse in Winter by ClimbingMagazine(アメリカ)

South Face of Lhotse in Winter  by UKClimbing.com1/9(イギリス)

その他、フランスの山岳サイトkairn.comも1/3付け記事(ソースはK2climb.net)で成果を伝えています。
いずれも、日本隊が登頂は逃したものの壁の登攀は達成したという内容。
この情報は、K2climb.netにはヒライ・ユウスケ氏が、Climbing誌にはナカムラ・タモツ氏(おそらく東ヒマラヤの第一人者中村保氏と思われる)が情報を配信、それがインターネットで海外各国に伝わったものと思います。
思うに、反日売国紙アカピ新聞のトンチキな英訳記事が配信されなくて良かった、と同時に次の2点について思いました。

1.ネットで情報が瞬時に各国に伝わる現在、海外登山の成果を配信する側にも重責が伴うこと。
2.日本の登山情報の海外配信について、日本の山岳メディア自体が貧弱であること。

特に2について。
先の馬目・黒田氏他のインド・シャークスフィン峰における素晴らしいクライミング成果。
日本のマスゴミが取り上げてくれるとはハナから期待してませんが、海外の山岳メディアを普段から注視している私には、何故話題にのぼらないのか不思議でした。
ネット上に出てくるのは、来る日も来る日も同時入山のチェコ隊の成果ばかり。
私が確認している範囲では、Alpinist誌のウェブサイトがようやく日本隊の成果について取り上げたのが最初のようでした。

思うに、日本の登山界における海外への情報発信というのは、非常に貧弱なのではないでしょうか?
(似たようなことは山岳ジャーナリストの柏澄子さんも以前に指摘していましたが)
今回のローツェ隊の成果も、ヒライ氏と中村保氏の2氏の尽力によって海外に配信されました。
海外特に欧米では、K2climb.net(正確にはExplorersWeb)というメディアが英語圏の強みを生かして、各国山岳メディアもソースとしているようです。
ネットも無かった昔は、岩と雪誌の英文アブストラクトが世界的にも貴重な情報源となっていましたが、今の山と渓谷社には別に期待しません
日本の登山界には成果をことさら表にださない、メディアに発表しない事が美徳といった変な風潮がありましたが(今もあるのか?)、グローバルな現代においては、それはもはや無責任な態度といえるのではないでしょうか。
 そして前述のアカピ新聞のようにトンチキ記事が配信されないよう、しっかりした情報が配信されることが求められます。
 いつまでも中村保氏や池田常道氏頼りでは・・・出でよ、21世紀の山岳メディア編集者。

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コメント

登山家とは妙な美徳・妙な慣習を維持するのが好きなのではなかろうか?と偏見をいだくほど時々本当にびっくりする
同じ日本人になのか私は!?とショックを受ける

山の情報ももらすのはもったいない。とかいうとあるどケチ山岳会のヒマラヤ応援隊経験者には、安全対策をしつこくくどくどいうなら手段を選ぶなと思いつつ、アナログにこだわり続ける感覚も理解できない。

アナログな古いもの良さ懐かしさより大切なものもあると思われる

登山初心者のそぼくなきもちでした。

投稿: POP | 2007.01.12 23:53

乱暴な言い方ですが、山の世界の「古い」人って
1.進取の気質に富む人
2.自分の古い手法に固執する人
3.両方兼ね備えた分裂症気味の人
の3タイプいるような気がします。

<<登山初心者のそぼくなきもちでした。
いえいえ、そぼくなきもちでいーんです。

投稿: 聖母峰 | 2007.01.14 05:48

あきらかに2が多いところに所属しとりますな。汗

インターネット利用の情報共有、情報発信に関して
「会じゃない人に教えるのはもったいない」
(そんな時代じゃねーだろ。)
GPSや新商品利用にも
「アナログな山のぼりにはふさわしくない」
(じゃあ電車もバスも自動車も飛行機も携帯電話もつかうなよ)
会の歴史、今まで先輩方が○してきた努力と伝統。
(なんだかわかんないけどはっきり分かるものを示せ)

安全登山をもっとーにするなら使えるものは何でも使う
どんな知恵も吸収しておいてよいと私は思うので
やりもしないで否定する(パソコン苦手らしくとにかく否定的)風潮はいかがなものかといつも不思議です

山のぼってる数などそんなにないが
知識や道具を少しでも見につけようとして、講習会やイベント参加するのも他の団体のものにでると否定的。
会員外と山にいくのも否定的。

とってもとっても不思議です。
聖母峰さんのブログはとっても勉強になります。笑

投稿: POP | 2007.01.14 12:07

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