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北京五輪の聖火をチョモランマに登らせる必要はあるのか?

表題のタイトル、なんと1月4日現在の中国メディア(新華社、人民日報他)で報道されている記事の内容です。
この記事が中国で報道される意義は後に述べるとして、記事詳細を以下に引用します。

以下記事引用開始
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08奥运圣火有必要非登上珠峰馬? by 新華報並網1/4
(08北京五輪の聖火をチョモランマに登らせる必要はあるのか?)

 北京五輪組織委員会のオフィシャルサイトは<北京市の副市長、劉敬民の取材内容を発表した。劉敬民によれば、今年オリンピック準備作業には六大事業があり、聖火リレー方案は4月に正式公表、今年に適当な時期を選び、チョモランマ登山のテストを行う。

 オリンピックの聖火を世界の最も高い場所に登らせる。
 チョモランマ、確かに2008年オリンピックの意義を象徴して新しい歴史を創造し、オリンピック精神を地球上の更に多くの地域に広めさせることができる。しかし、オリンピックの聖火を世界で最も高い場所に登らせる理由はあるのだろうか?
 2008年のオリンピックは人文オリンピックだ。(訳注)
 人文オリンピックは人を第1位に置く。この「人」とはスポーツ選手を指すだけではなく、オリンピックに参与する全ての人を含むべきだ。どのように人を第1位に置くか?少なくとも、オリンピックに参与する全ての人の安全を確保するものである。しかし、誰もが知っているがチョモランマ登山は危険であり、たとえ登山家にとっても8000メートル以上の登山において生命の危険に直面することを意味する。
 (中略)
 人類初のチョモランマ登頂以来、2004年現在の登頂者は2249人、死亡人数は186人、死亡率は8.27%だ。2006年の上半期、100人が頂上に登り、その内11人が死亡、死亡率は11%に達する。
 2008年の聖火リレーはチョモランマに登るだけではなく、更にオリンピックの聖火を持って行き、特定の時間で頂上に登り、そしてテレビ中継する。その困難を考えれば、ついてくるのは危険係数の増大だ。
 2008年オリンピックの象徴的意義のためにチョモランマ関係者の安全を省みず、彼らを生命の危険に直面させる。これは人文オリンピックに適合するのか?

 2008年オリンピックはグリーン・オリンピックだ(訳注)。オリンピックの聖火を世界最高所に持っていき、チョモランマに環境破壊をもたらすことがあるのではないか?
 試算によれば、1953年5月29日の人類初登頂から90年代まで、チョモランマ登山に際して50トンのプラスチック、ガラスと金属が遺棄された。2000年、清掃登山隊は7トンのごみを清掃して、400数本の酸素ボンベを徹底的に一掃した。今なお多くのゴミは山上に残っている。報道によると、国連環境関連部署の地質学専門家グループは今年初めにチョモランマについて考察、氷河が減退し、地形に著しい変化が現れていることを発見している。

 環境保護組織“地球の友”ネパール分会の総監督・夏爾瑪は証言する。「チョモランマの汚染と環境問題は、登山者が大幅に増加したためにもたらされたものだ」
 オリンピックの聖火が世界最高所でも消さないために、更に多くの人にテレビ中継するために、今度の登山の近代化設備は間違いなく普通の登山より多くなる。これも環境汚染が増加する可能性を意味する。

 人文オリンピック、グリーンオリンピック、これらはスローガンではなく、誠実な行動として体現する必要がある。このために、オリンピックの聖火をチョモランマに登らせる必要はあるのだろうか?
 もしどうしても中国民族の特色を体現しなければならないならば、ネット上でも言われているように、万里の長城の烽火台は最もよい民族特色を示すものではないか?

(訳注:北京五輪は人文オリンピック(誰もが参加する)、グリーンオリンピック(環境に配慮する)、ハイテクオリンピックをスローガンに掲げている)  
以上引用おわり
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北京オリンピックならびチョモランマ聖火登山の賞賛一色報道にまみれた中国メディアにおいて、突然現れたこの記事。
日本でも、読売新聞が
北京五輪聖火、越えるかチョモランマ…登山訓練を開始 by読売新聞1/4
と、ノー天気な記事を配信しています。
 さらには、チョモランマ最高齢登頂を記録した三浦雄一郎氏は08年に再度登頂、五輪聖火のリレーに参加したい旨発言しています。
 葛藤の末、チベット難民銃撃を世界に知らしめた某国クライマーの選択も、一つの生き方。
 中国政府にすり寄って聖火リレーに協力するのも、話題性を狙った「プロ」の冒険家としては当然の行為と私は受け止めます。

 注目すべきは、北京五輪を間近に控えた今、国家体育局が国家プロジェクトと位置づけている五輪聖火チョモランマ登山を公然と批判する記事が中国国内で出ていることは大変興味深いことです。
 人民日報や新華社サイトに配信されたこの記事の出元は、中国共産党機関誌の一つ「中国青年報」。
 胡錦涛の出身母体であり、胡錦涛の影響力が強いといわれるメディアである。
 中国青年報は、昨年秋に中国の歴史教科書を批判する記事を同社発行「週刊氷点」に掲載、氷点は廃刊に追い込まれている。
 うがった見方をすれば、今回の北京五輪聖火チョモランマ登山「批判」記事は、中国共産党保守派との対立が噂される胡錦涛ら共産党上層部の水面下での争いが滲み出た記事といえるのではないだろうか。

 先日、上司のそのまた上司の机に、かつて職場を共にした中国人からのメールがプリントアウトされていました。(ホントはいけないのだろうけど)チラと見ると、北京五輪にはボランティアでもいいので通訳活動で何か手伝いたい、と書いてありました。
 五輪という世界的なイベントが自国で開催されるにあたり、国民として何か関わりたい。それが自然な感情なのでしょう。
 中国メディアの中で登山の話題を追っていると、聖火登山隊の話題はよく目に入ります。
 五輪というイベントのためでしょうか、自分の夢のためでしょうか、懸命にトレーニングしている隊員達の記事を目にする度、同じ山に力を尽くした自分としては、隊員皆さんの無事登頂・下山を祈るばかりです。

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