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月山朝日ガイド協会の雪崩講習

16~17の二日間、月山朝日ガイド協会の雪崩研修に参加。
同協会の雪崩講習は、昨年同様、『決定版雪崩学』の共著者である樋口和生氏を北海道から講師に招いたものである。もうひとりの講師、新庄防災研究所の阿部修氏は、どちらかといえば会社業務でよくお世話になっている方である。
さらに北村山公立病院から医師を招き、レスキューデスに関する講義も含む。
このように、月山朝日ガイド協会はヒマ持て余した爺が集まった名前だけのガイド協会とは異なり、充実した研修がある。

冒頭の雪崩画像の紹介から始まる樋口講師の講習、
いかに指導するかという視点でメモをとる。
続く午後からのビーコン研修、このときは私のガイド師匠が講師だが、「人にビーコンを指導するにはいかにすればよいか」という視点で進められる。
一日目の最後は現役医師によるレスキューデスの講話。
医療現場の知見を知りたいがために、会社休んで来たようなものである。
大学時代の後輩で専業山岳ガイドのA君は、白馬岳主稜で発生した雪崩事故にたまたま遭遇し、見事に埋没者の救出・応急処置をこなしている。かくありたい・・・それが雪崩講習を受講する強い動機である。

二日目は朝から阿部氏を講師にしての積雪断面観測。

Sekisetu今年の月山はめちゃめちゃ雪が少ないです。

阿部さんには、以前の雪氷学会の積雪断面講習で
「ほらほら、もっとちゃんと綺麗に断面作らないと、コンサルの方はお金もらえないよ」
と、教育的指導を入れられてしまった。
今回の研修でも、弱層テストで雪柱をシャベルで削りだしているとき、
「ちゃんと綺麗に切り出すと、弱層のわずかなズレも観察できるでしょ?」
と、阿部さんから直々にご指導が入り、大変恐縮する。

Yukimi右の二枚は私が従来使っている労山の雪観察カード。左のルーペ、カード、スタッフバッグは今回購入した「雪見ちゃん」(雪観察セット)

二日間の最後の講習は、講習生が二班に別れ、「実際に雪崩に遭遇、メンバー三名が行方不明、うち一人はビーコン無し」という設定で、ビーコン捜索~ゾンデーレン~埋没者搬送までを通してやってみるというもの。
最初は私がリーダー役。
以前、自画自賛の強い某山岳団体で教わったとおり、二次災害監視役、捜索役、スコップ役に役割を分けてみたが・・・・
後の講評で
「監視役は・・・人数的にもったいないよね」とあっさり否定される。ははは。
思うに、雪崩講習というものは、最後の実際の捜索演習に全てが集約されている、と思う。
机上講習や画像・書籍で学ぶ知識、埋没体験は所詮畳の上の水練、つかみでしかない。

実際の捜索演習において、樋口講師がいみじくも「ビーコンが全てではない」と仰っていましたが・・・
私の当ブログ、発売当初から英版記事を翻訳して掲載したこともあり、マムートのパルスビーコンで検索して訪れる方が大変多いのですが、私見を言います。
日本の電波法によってパルス機能をロックしたマムートのパルスビーコンを6万円かけて買うくらいなら、従来の製品(トラッカー4万円)を購入し、残りの金額で雪崩講習に参加し、捜索実習を受けた方が数段「建設的」だと思います。
今現在のビーコンが完成されたものだとは思いませんが、手持ちのビーコンの使い方に習熟した方が賢明だと思います。

しかし、捜索実習ではいかに自分がリーダーに向いていないか思い知らされる。
思いの他、鬱々。
今年は異常な少雪。
周囲の山肌にも亀裂が生じ、黒い地肌が見えている。車道沿いの法面も雪崩だらけで地面が露出している。
日没後の白い湯殿山を眺めながら、
「あー、日暮れて道遠しだなあ・・・俺ってやっぱりガイド向いてねえのかな・・・」と思いつつ下山するのであった。

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コメント

「雪見ちゃん」(雪観察セット)てのかなり気になる。
詳細情報希望です。

雪とは縁遠い生活だった私が山、スキーと最近になって雪のよさ、怖さを肌で感じることができてきました。
いつかオフピステを・・・と目指しもくもくとゲレンデ練習するなか、そのほかの課題は雪生活の技術向上と対処知識の取得です。机上ではだめだ。というのが私の感想なので昨年ラッセルと豪雪の中のテント泊体験にプラスゲレンデスキーで休憩なしで滑り続けると考えることが増えてきます。
必要装備のゲットはあと1年ぐらいありゃーなんとかなるかなあ。

とってもとっても悲しいことがありました。
乗り越えていかなくはなりません。
心の強さは講習なんかじゃ身につかないもんだ。
乗り越えて乗り越えて、いつのまにか強くなるものなのかな(ため息)
たまには現実逃避して雪と遊んで忘れたほうがいいのかな?
苦笑(たまにはどころじゃないか)

投稿: POP | 2007.01.21 02:23

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