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南陽市役所のご乱心 ~人間に翻弄される白竜湖~

先日書いた白竜湖の植栽筏の記事、『水質浄化の植栽いかだ事業見直しへ』。
山形県の審議委員会により植栽筏や木歩道の効果を疑問視する意見書が提出され、南陽市役所企画財政課の安部史生課長補佐いわく

「木歩道の70メートル分は中止せざるを得ない。(2万人に及ぶ)市民の署名活動などもあって進めてきた事業だけに、今後は時間をかけて県と協議し見直ししたい」と話した。 by毎日新聞06/12/14
とコメントしていたのだが・・・・

年が明けて、1/8付の山形新聞(現在リンク切れ)
以下記事引用開始
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木歩道中止に地元が反発-南陽・赤湯の白竜湖

(中略)
この意見書に対し、白竜湖の自然を守る会の柴田代表は「地元の人の願いは白竜湖を少しでもきれいにし、にぎわいのある親水空間を取り戻すことにある。意見書は、自然に全く手を加えてはならないとする内容で、地域住民の思いと乖離(かいり)している」と話す。
 南陽市も意見書について「地域の実情と大きな開きがある」と受け止めており、「設置された木歩道30メートルは既に許可されたものと判断しており、ただちに撤去することはできない。今までの経緯を踏まえ、木歩道の影響を長い期間で確認してほしい」などとする意見書を07年1月に県に提出する予定。南陽市は植栽いかだについては従来通り湖面に浮かべ、ヒシの除去作業は07年も継続するとしている

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以上記事引用おわり

おおーっ。
普通、市町村の役人が県の本庁に説明行くのとかって、すっごい憂鬱そうに行く場面を仕事柄みてるんですけど・・・
南陽市役所、一 転 し て 強気な逆襲の構えであります。
ポパイのほうれん草でも喰ったのか?
無責任な立場で傍観する役所同士の争いって興味深いね・・・・暇潰しとして。

さて、この専門家による「意見書」をようやくネットで見つけました。

ネイチャーフロント米沢のサイトに掲載されています。環境問題に関心のある方、ぜひご覧ください。
白竜湖環境保全整備計画に係わる意見書

この意見書を読むと、過去、人間の都合により翻弄されてきた白竜湖の歴史が理解できます。
米増産、水田開発のために水路が開かれ、富栄養化の道をたどることになった湖。
親水の名目で、貸しボートまで浮かべられた湖。
浚渫の排土を貴重な湿原にぶちまけられてきた湖。

意見書では従来の環境対策について、植栽筏は9ヘクタールの湖に効果は期待できないと明言、外来種を持ち込む事自体が「自然環境と生物多様性の保全の基本理念に相容れない」とまで喝破し、ヒシ除去については水質改善の根本的な対処が必要で「際限ない難儀を強いて、効率的な方法とは思われない」とまで書かれちゃっております。

泥炭層の生態系という、微妙なバランス上に存在する白竜湖を保全するためには、もはや釣り人はもちろん人の立ち入り自体を制限すべきとのスタンスで意見書は書かれており、地元の方が仰る『に ぎ わ い のある親水空間』が環境保全とは矛盾した存在であることが明瞭になってきます。
地元の方のコメントに「地域住民の思い」とありますが、自然とは人間の思いを反映して存在するわけでもない、観光資源のために存在するわけでもない、ということを改めて理解すべきでしょう。
そして何より、白竜湖という自然環境は地元の方々だけのものではない、という謙虚な姿勢が求められるのではないでしょうか。

南陽市はこれらの作業を今年も実施するとのことですが、関係者の皆様どうぞ湖の作業で体を冷やさぬよう頑張って下さい。
ただし頭は冷やしてね。

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