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国家を背負って頂を目指す女たち ~チベット族・桂桑(グイサン)の場合~

そのメンバーを圧倒的に高所に強いチベット族が占める中国の国家登山隊。
やはり個々人の経歴にはそれなりのドラマがあるようです。

桂桑:チョモランマ峰に二度登って by 宁海新聞网5/19
以下記事引用開始
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 桂桑(グイサン)はごく普通のチベット族の女性で、やせほそった体つき、黒い顔。
もし街角で彼女を見たならば、彼女が我国初の2度チョモランマに登頂した国際級の優秀スポーツ選手にはみえないでしょう。
 1957年、桂桑はチベットのシガツェ・南木林県、普通のチベット族の家庭に生まれました。
 偶然のめぐりあわせで18歳の桂桑は軍に入り国家合同訓練隊に入隊、この時から30年余りにわたり職業的登山家の生活を始め、チョモランマ登頂を夢見ました。しかし理想への道は順調ではなく、彼女は辛抱強く15年間機会を待ち続けました。
 1975年3月、桂桑は第1回チョモランマ登山隊に参加しました。彼女は中国登山隊のメンバーとして苦労しながら8600メートルに達しました。
 しかし、頂上アタックを目前にお湯で足を火傷、彼女は中国最初のチョモランマ登頂の機会を惜しくも失いました。あまりに悔やみ、彼女は自分が必ずチョモランマに立つことを決意します。1990年、経験を積んで15年間機会をうかがい、桂桑はついに自分の長年の夢を実現しました。チョモランマ登頂です。
 9年後に、桂桑は再度チョモランマに登る機会を迎えます。チベット登山探険隊は地球の頂で「第6期全国少数民族伝統体育運動会」の聖火の火種を採集することになりました。すでに42歳の桂桑は、幾重もの困難を克服して、再度勇敢にチョモランマ山頂に登りました。
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以上記事引用おわり

Xin_470701301304461561326桂桑女史 近影

Uploadfile73832度目のチョモランマ頂上に立つ
 
 桂桑女史の登山経歴はトムール(ポベーダ)、チズ、シシャパンマ、チョモラーリ、02年の日中女子合同チョオユー隊では中国側隊長を務め、中国十大当代徐霞客(明代の旅行家・徐霞客を記念した、文化活動を通じて社会建設貢献に対する賞)に選定されるなど、数々の賞の栄誉に輝く中国女性登山家の重鎮です。
 上記経歴記事からは、国家登山隊に選ばれた中でも相当な苦労を積んでようやくチョモランマに立てた事情が伺えます。

 私が注目したのは、テレビ局中央電視台サイトに掲載されている紹介されている桂桑女史の言葉。
以下引用開始
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『山で過ごす時間が長くなるにつれ、山にも感情があると思う。これまで山に恐怖感は感じなかったし、山は私達に対してとても寛容かもしれません。』
 氷雪の山々は1人の女性を鋼鉄のように鍛え上げたが、しかし家族を気にすることが常に彼女の胸の内につきまといます。
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以上記事引用おわり

 私にとって8000mの世界は「死の地帯」であり、正直常に恐怖感がつきまとい、一分一秒でも速く下山することが生き延びるための手法と考えているし今もそれは変わらない。
 この桂桑女史の「山は私たちにとても寛容なのかもしれません」という言葉はある種新鮮な想いで受け止めた次第です。ああ、この人は生涯を山に捧げているのかなあ、と。
 
 中国の「国家登山隊」とは、あくまでも私の印象では、登山ではかけがえのない「個人の個」を無視したような矛盾した存在。
 公募隊で資金と体力に恵まれれば8000m峰登山の機会に格段に恵まれた現代、それとは対極的に「国家のために登る」人々がどんな想いを抱えて登山を続けていたのか、これから続けていくのか、興味は尽きないところです。

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