ヤク工たちの経済学
チベット側からヒマラヤを登る場合、車が入る最終地点から先の物資の輸送手段としてヤク(チベット牛)が使われます。
そのヤクを操るのは地元のチベット族の遊牧民でヤク工(こう)と呼ばれます。
特に登山隊が集中する春季のチョモランマ、チョーオユー、シシャパンマといった山では、登山隊の数に対してヤクの頭数が不足し、順番待ちになるほどです。
さて、彼等遊牧民達にとっては貴重な現金収入の道でありますが、それはいかほどの額になるのでしょう。
チョモランマ探険旅行ブームにより牧畜民の現金収入増加 by 新華網5/8
以下記事引用開始
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標高5200mのチョモランマ・ベースキャンプから約4km、チベット族の若者のバサンは簡単な英語で外国人と馬車の料金について交渉しています。結局、二人の外国人観光客は50元使ってバサンの馬車に乗り、チョモランマに向かいました。
バサンは、今チョモランマ登山の最も良い時期ですと語ります。
季節柄、彼の商売は普段より格段に良くなったということで、一日に何度もチョモランマのベースキャンプを往復し、100数元の現金を稼ぐことができます。
チョモランマ山麓、ティンリ西宗郷ではバサンのように登山隊・観光客にサービスする農民・牧畜民が数百人存在します。彼らはチベット族の特色ある民宿を開き、土産物屋を売り出し、登山隊の物資運送と高所活動の協力を引き受けます。
特に登山隊の5200mのベースキャンプから6500mのアドバンス・ベースキャンプまでの物資輸送に活躍しています。これらの活動から獲た収益は、主要な現金収入源です。
地元住民は、普段は高い標高の山岳地帯で農業と牧畜業生産に従事しています。改革開放により、特に2000年以降、チョモランマ登山が盛んとなり、毎年の春季と秋季の2つの登山シーズンで大量の国内外の旅行者が訪れます。村人達はチョモランマがひとつの「秘宝」であることを理解し、チョモランマの旅行を通じて現金を得ます。
チョモランマ・ベースキャンプの連絡官サンジュの仲介で、今年3月末から、現地では既に延べ500人数と約1000頭のヤクを投与、登山者達は農民牧畜民に総額50万元の報酬を支払いました。
ある遊牧民は登山シーズンが終わる5月末まで山中に駐留することがあります。統計によると、登山・探険旅行がもたらす収益は300万元近くになります。
観光ビジネスの隆盛は現地農民・牧畜民に「商業意識」を強くしました。農民牧畜民皆に現金を稼ぐ機会を与えるため、西宗郷では順番にすべての村人とヤクに旅行サービスの仕事を手配して、なおかつ幾つかの極貧家庭のために無料で馬車を貸与しています。
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以上記事引用おわり
実際に登山隊がヤク工を頼むときは中国登山協会orチベット登山協会の連絡官に手配を頼むため、それ以降の現地事情はわからなかったのですが、記事によれば地元の村では持ち回りで仕事がまわってくるなど、かなりシステマチックになっているようですね。
激変する中国経済の今ではいささか古い数字ですが、04年8月の人民日報によれば、チベット自治区の農民・牧畜民の年間純収入は1681元という数字があります。(04年8月の人民元レートで約26000円←年収です。念のため)
その年収からみれば、登山隊の仕事に従事することは良い稼ぎになるわけです。
普段チベット侵略鉄道などと揶揄している私ですが、登山隊に参加した結果、大小に関わらず地元の遊牧民にインパクトを与えていたのが事実です。
また機会を改めて書くこともあると思いますが、遊牧民との接触ではいろいろと考えさせられることもありました。
チベットのみならず世界各地の辺境地に文明の利器や資本経済が進出しているのが現実ですが、そこに多少なりとも関わった者として、その変化を見守っていきたい。
・・・などと真面目に締めてみましたが、チベット族は交易民族の一面をもっています。
おそらく登山シーズンまっさかりの今、したたかな商売に明け暮れていることでしょう。
それから、ベースキャンプにおけるかっぱらい・窃盗の「闇の収益額」も相当なものだと思うのだが(笑)
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