危険を危険として認知すること
月山姥沢口・リフト裏の登山道からリフト乗り場に向かう途中、こんな光景に出くわしました。
状況は早朝、木道の下り坂、わずかな雪渓には踏み跡も無く、硬く凍っています。
月山の登山道には、いわゆる「登攀の要素」は全くありません。
上記の光景から、そこに潜在する「危険」を察知できますでしょうか?
最近、一部登攀ガイドのセンセイ方が「下見しなくてもガイディングできる技術」うんぬんを語っていますが、常にガイディングするルート状況を把握することは、我々ハイカー・トレッカーさんをガイドする者にとっては不可欠だと思います。いや、「危険を危険として認知する」ことはガイドだけでなく一般の登山者にとっても重要なことです。
普段よく拝見するクライミングのウェブサイトに、「日本山岳ガイド協会は技術偏重に陥っている」というご指摘がありました。ごもっともだと思います。
ガイド協会が発足した頃、いわゆるセルフレスキューが特に重視されていました(今でもそのようですが)。
それから数年、ガイドが引き起こした重大事故において、1/3、1/5引き上げ技術が役に立つ事故があったでしょうか?
ガイド引率中の遭難事例は、転落事故ばかりですか?
セルフレスキューの技術はもちろんだが、レスキューに至る前、危険を危険として把握し事故を未然に防ぐことも重要だと現在の私は考えています。
もっとも、今の日本山岳ガイド協会の偉い先生方はクライミングガイド育成にご熱心で、そこまで目が行き届いてないようですが。
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