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ウズベキスタンの青、パルマの青

午前中に大山登山をすませ、横浜へ。
みなとみらい線日本大通り駅前の横浜ユーラシア文化館を訪れる。
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特別展示「青い煌き ウズベキスタン展」を見学。
高校時代、国語担当であり斉藤茂吉の直弟子であった高橋宗伸先生から、よく授業そっちのけで中央アジア旅行の話を聞かされていたが、当時から強烈に印象に残っていたのがウズベキスタンのモスクの青いタイル。
あの「青」を直に見てみたい・・・それが目的である。
んが、展示物は少なく、陶芸品もほとんどが90年代の作品。青いモスクに関する展示は写真展示だけ。
ちょっと期待ハズレでがっかり。
そこはユーラシア文化館、ユーラシアをまたぐ各地方の貨幣の展示は興味深く見た。

横浜から今度は上野に移動。
国立西洋美術館の特別展示「パルマ イタリア美術、もう一つの都」を見学するためである。
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16~17世紀のイタリアの都市パルマで栄えたルネサンス~バロック初期の絵画を集めた展示会、こんな貴重な美術品の実物を拝める機会は、イナカの山形にいては絶対に来ない。
貴重な美術品の実物展示ということで、警戒厳重な受付を済ませ、会場に入る。
真っ先に目にしたのは当時のタイル。
青を基調にしたデザインと人物画のタイルである。
中華圏では「赤」が幸福の色であるが、シルクロードを西に行くに連れ、モスクの青、パルマのタイルの青、青が基調である。
ユーラシアの西では「竜」は悪魔の使い、東では聖なる生き物であるように、洋の東西で用いられる「色」も対照的なのだろうか。

 この見学に先立ち、NHKの番組で予備知識は得ていたのだが、その絵を実際に目前にした瞬間、ワサワサと腕に鳥肌が立つ。
Images_5バルトロメオ・スケドーニの「キリストの墓の前のマリアたち」
薄暗い背景に、人物像だけがまぶしいまでに明るく描かれている。
その非現実的な美しさにあー来てよかったねと思う。

ルネサンス期の絵画、パトロンの指示で描かれるため肖像画や宗教画が当然多い。
そこに描かれる「自然」は背景にちょこちょこと描かれる程度である。
が、そこは腐っても山岳ガイド、突っ込んで見ると結構面白い。
マロッソ画の「聖ルチア」では、背後の樹木に「サルノコシカケ」がしっかり描かれている。
おおっ、イタリアにもサルノコシカケって生えてんのかな~
ヴィンチェンツォ・ガンピの「受胎告知」では二人の人物中央に、絵画の主題として百合の花が描かれている。
私の知識では、百合の花といえば「死者を送る花」なのだが、イタリアでは違うようですね。

 私は美術や芸術史には無知である。
 私が魅力を感じるのは師匠と弟子、ライバル芸術家同士の確執がもたらす人間ドラマ、何より美しいものを美しいと捉える芸術家たちの「意識」である。
 最近ネット上でご高名なガイド協会理事や登攀ガイドのセンセイ達が「下見しなくても登れるガイド」とゆーことを盛んに書いているようですが。
 クライアントの安全確保は大前提として、登攀ガイドのセンセイ方はクライアントを安全に引っ張り上げればいいんでしょうが、我々ハイカー・トレッカーを相手とするガイドはまた違った難しさがあるんですけどね。
 それは山々の持つ自然の美しさをいかに引き出し、クライアントに表現するか、だと考えています。
 そのためには、当然引率する側も美に対する意識と感性を磨かなければならない、と思うの不自然でしょうか。

 もっとも、美術館を見学するというのはとても心が落ち着きます。
 生臭坊主の運営する寺の境内を散歩するよりよっぽどいいですね。
 日々お疲れの方には、美術に関心のない方でも一度美術館を訪問することをお勧めします。

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