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映画 ブラインドサイト

夜行バスで早朝5時過ぎに東京駅前に降り立った私。
竹内君の入院している病院は面会は昼過ぎから。
私の秘密の花園、湯楽三昧の早朝料金で風呂に入った後、午前中はまるまる空いているので、

Bilindsinght
映画 ブラインドサイト~小さな登山者たち~ を品川プリンスシネマで視てきました。

全盲のエベレストサミッターであるエリック・ヴァイエンマイヤーが、チベットで盲学校を展開するサブリエ・テンバーゲンと共に、6人の盲目の子供達とともにチョモランマ北面のピーク、ラクパ・リを目指すドキュメンタリー映画です。

さて広告チラシには「チャレンジすることの大切さを教えてくれる」とあるのですが、この映画、日本のマスゴミが好むような「困難に打ち勝ち栄光を掴む」という類のお話ではなく、
「子供達にとってこの登山は何なのか」
「子供達にとって、そもそも「チャレンジ」とは何に対して、何を意味するものなのか」
と、登山を通じて根元的な問題が追求されていきます。
子供達を引率するスタッフ、サブリエ、エリックの衝突に息をのむ思いがしました。
強く印象に残ったのは、エリックの言葉、
「子供達を利用して何かを証明しようとしてはならない」
という言葉でしょう。
事実、80年代末~90年代初頭にかけて、ヨーロッパあたりでは「障害者の登頂」をウリにスポンサーを集め、肝心の障害者は「客寄せパンダ」でガイドとシェルパが登頂しておしまい、という「悪しき前例」があります。

私自身、盲目の子供達が実際に登った、この映画の舞台となるチョモランマBC~ABCの道は何度も上り下りした経験があるので、その苦しさ、まして盲目というハンディを負った子供達の奮闘が身にしみて感じ入りました。
この映画を評したブログの多くは子供達の奮闘に感銘を受けているようですが、私としては先週に自然の家行事で子供達を山に引率したばかりのため、劇中の引率スタッフの方に感情移入せざるをえませんでした。

クライマックス、子供達の身を案じるサブリエと、是非とも登頂させて子供達に何かを掴ませたいというエリックやガイド達の意見が衝突します。
その結末は映画を実際に見ていただくとして、普段、子供達を山に登らせて何を学んでもらえばいいのだろう、と考えてきた私にとって、サブリエの考え方に少し励まされる想いがしました。
劇場は10月末の月山のように座席はガラガラでしたが、素晴らしい映画でした。
頭がヨセミテの花崗岩より硬い登山者よりも、学校の先生、野外教育関係者にぜひ視てほしい映画です。

話題は蛇足ですが、この映画のウエブサイトに「今秋上映予定」と掲載されている仙台・山形の映画館に電話かけてみたら、いずれも「その映画の上映予定はありません」と回答が返ってきたもんだ。
東北の映画関係者って「俺は、君のためにこそ死にに行く」とかを頭ごなしに酷評する左巻きの連中が多いけど、これこそ政権与党の批判の的にしている 地 域 格 差 ってもんだろ?
おまえらこそ口で言うことと実際やってることが違うんだよ。

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コメント

みてきました。

サブリエの強さに驚き
子供達の頑張りやエリックの感慨深い言葉にしんみり。

サポートスタッフはよくよく考えてしまうことは沢山あるだろうね
圧倒的な風景に

山登りしていないときっと違う感想を持っただろうと思う

自分自身まだまだ頑張らなくてはいけないなと痛感した日です。

投稿: pop | 2007.08.18 23:41

本編ではサラッと流しているわけですが、サブリエのエピソードだけで十分映画になるんじゃないの?と思いましたね。

<<自分自身まだまだ頑張らなくてはいけないなと痛感した日です。

私は最近ちと凹み気味です。ふぅー。

投稿: 聖母峰 | 2007.08.20 17:57

確かに!
彼女の彼氏も素晴らしい人ですな

日々鬱々凹みは分かる気がするというか同様だったりする‥汗

少しでも明るく希望のあるいいものを見聞きしたり、笑ったり、思いっきり運動したり、忙しく集中してみたり。
無理やりに自分自身を元気づけてますが、根本的解決がないまま生きるとは、映画をみてまだまだ甘い自分を思い知ります
何か自分で出来ることを少しでも(明るく元気に)行動することをやめないほうが結果的に良いかと振り返っております。
スパイスのバリバリきいた沢山頷き笑える聖母峰さんの記事も重要な要素です…(笑)


お互い頑張りましょう~(ほどほどに)

投稿: pop | 2007.08.20 20:55

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