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美しすぎる死に場所

ダークな話題をば。
今年に入って、アメリカの国立公園内で既に18人が自殺を遂げているそうな。

18 suicides reported in national parks this year by Los Angeles Times 6/29

アメリカの国立公園といえば、それだけでハイキングのガイド本が日本でも出版されている位、国内外で人気が高い所。
人は死に場所を選ぶとき、風光明媚な所を選ぶんですかね。
鬱々な私の経験では、もう場所なんてどーでもいいと思うんですが。
ちなみに、記事で挙げられた生々しい実例は、

☆ユタのキャニオンランズ公園で、遺書を残して徒歩で砂漠地帯に入り行方不明。
☆グランドキャニオンで2004年以降10名自殺。91年公開「テルマ&ルイーズ」のラストシーンを模したといわれる。
☆同じくグランドキャニオンの崖っぷちで、記念撮影を頼んだ若者がそのまま崖から飛び降り自殺。
☆ヨセミテフォールから飛び降り。自分の墓に植える木の代金を遺して。

記念撮影頼まれたまま目前で飛び降りって・・・、居合わせた人間も絶対にトラウマになりそう。
記録に残る国立公園初の自殺者は、1884年のイエローストーン国立公園、モルヒネで服薬自殺した27才の女性とか。
この記録を調べた歴史家によれば、"Perhaps these persons wanted their last moments to be spent in a beautiful or famous place, or perhaps they wanted their deaths somehow inextricably linked to nature," というわけで、美しい場所で最期を遂げたいという願望ではないかと推測しています。

山に入って生き生きとして帰って行くツアー登山のおばちゃんもいれば、大自然を死に場所に選ぶ人もいて。人間とは複雑な生き物である。

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時計修理

先日のツアー中に、腕時計がポロッと地面に落ちた。
バンドと本体をつなぐ軸が斜めに曲がってしまっていた。
速攻でカシオの修理部署に発送。
私が使っている時計はカシオ・プロトレックのPRT-41SJ-1JF型。↓
Pa0_0149

ホントはHardOffで売っていたアナログタイプのプロトレックを購入しようか迷った挙げ句、新品のこっちを買ったのであるが、こうも早く壊れるとは・・・
バンド修理だけかなと思い、気軽に発送。
突然カシオから連絡が入り、本体カバーがやられているので交換と防水テストで消費税込み8190円ですよ~と、家計赤字の私に死刑宣告が入る。修理そのものはスピーディーに、5日ほどで代金引換便で帰ってきた。

国際ガイド某氏もブログで語っていますが、山行にはやはりアナログタイプの時計が欲しいところですね。
私の場合ツアー引率では、歩き始めからの経過時間が知りたいため表示画面をストップウォッチにして歩いています。
過去の遠征登山でもやはり経過時間を容易に知ることができるダイバーウォッチでストップウォッチ無し、カレンダー表示のみのシンプルなタイプを使っていました。
プロトレックのウリの高度計はあんまり魅力は感じないですね。遠征登山ではトーメンの高度計持って行くし、もう6000mなんて高いトコ行くつもりもない(ことにしておこう)し、ツアーのおばちゃんに「今標高どれくらい?」って聞かれた時に重宝する程度でしょうか。

今の腕時計のラインナップって、やたらと多機能が強調された携帯電話と同じく、デザイナーの自己満足が先走ってシンプルさを欲する消費者のニーズが無視されていると思うのは私だけでしょうか。

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まあ日本には何でもありますが。

ちょっと気になる英語の話題。
BBC NEWSでネパール・エベレスト街道のレポートが掲載されておりまして。

Life in Everest's commercial shadow  by BBC News6/25

エベレスト山麓の商業主義の影、と題して、今や物資にあふれ何でも手に入る観光地エベレスト街道をレポートしています。
BBCNewsがこのようなネパールの様子を紹介するのは別に珍しくないのですが、ひっかかったのは冒頭の次の一文。
以下記事引用開始
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En route to Everest, it takes a foreigner two days from the nearest airstrip to walk up to the village of Namche Bazaar.
And yet it is known as "the Japan of Nepal", a place where almost everything can be got.
------------------------------------------------
以上引用終わり(強調は筆者)
 何でも手に入る場所 → 『ネパールの日本』、ですか。
 自国からわざわざコックの一団呼び寄せてリッチな登山生活していた欧米人に言われたかぁないなぁ、ぼかぁ。
 そもそもネパールに西洋様式のライフスタイルをもたらしたのは記事書いてるお前らイギリス人だろうが!
 the Japan of Nepal が蔑称なのか敬称なのか、日本人はよ~く考えた方がいいようですね。

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平山ユージとハンス・フローリン、再びノーズへ

平山ユージとハンス・フローリンのペアが再びエルキャプ・ノーズを登った模様。

Speed climbers to try for a record in Yosemite by San Francisco Chronicle6/26

Mnelcaptian26_p_0498685882ヨセミテのエルキャプ、ノーズのスピード登攀といえば先日当ブログでも書いたフーバー兄弟の記録と、それと前後する平山ユージとハンス・フローリンのペア。
後者のペアが02年以来、再びノーズを登った模様。

で、私はクライマーではありませんので次々と塗り替えられる記録には「はいはい、凄い凄い」としか思わないのですが、上記記事で印象に残ったフレーズはこちら↓

"The only reason I'm alive after 27 years of climbing is because I am afraid of heights," Florine said. "I'm always concentrating on what could go wrong."
「27年間クライミングしていて生き残れたのは、高い所が怖いからです。何かマズいことをしていないか、常に集中しています。」-ハンス・フローリン-

 ハンス・フローリンほどの人物でさえも、こういった慎重派なんですね。
 クライミングジムとかで「大丈夫だから行けよ」とか「墜ちるの怖いの?」とか初心者けしかけてる 糞 爺 に聞かせてあげたいですな。
 ハンスは昔はプロアスリートとしてXゲームなんかにも出てスポンサーが付いてたらしいですが、今は構造設計の会社勤め、カミさんと子供2人と暮らしているそうです。

 ノーズ登攀の結果を知りたいクライマーの方はどうぞこちらをご覧下され↓

Losing face: Duo fails to reclaim speed climbing record by San Francisco Chronicle6/26
(平山ユージは「侍戦士」と呼ばれていますな・・・)
 Stonerider 平山ユージ公式ブログ
 Speedclimb.com ハンス・フローリンのサイト

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月山の地滑りは昔から ~人と自然の共存とは何か?~

当ブログによくコメント下さる方から「月山で地滑り」というコメントがあり、よくご存じだなあと思っていたら・・・帰宅して新聞読んでビックリ。(この日の朝は社説と社会面読み流して出勤してたのでした)

山形・月山山ろくで地滑りの可能性、国交省が対策着手へ by 読売新聞6/26
嫁売は最近すぐリンク切れになるので以下引用
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 山形県の月山(標高1984メートル)南西側山ろくで、広範囲な地滑りが起きる可能性のあることが国土交通省の調査で分かった。
 軟弱な地盤と豊富な水脈が主な原因とみられ、3年間に最大約1・7メートル移動した地盤もあった。同省は来年度にも過去最大規模となる約9650ヘクタールの地滑り対策に着手する考え。
 専門家は「放置すれば直下型地震で大規模な崩落につながる恐れがある」と指摘している。
 山ろくの地盤は、硬い火山岩の上に、深さ約100メートルの軟らかい火山噴出物が堆積(たいせき)。さらに、月山の万年雪から出る大量の雪解け水が地表近くを流れており、地滑りを誘発しやすい。対策工事の対象地域は、同県西川町の寒河江ダムから北北西に約15キロ離れた同県鶴岡市の月山ダムまでで、集落や湯殿山温泉などの温泉街が位置する。
 同省は昨年度からの調査で同地域の地滑り面を確認。来年度にも井戸やトンネルを設けて地下水を排水するほか、えん堤や杭(くい)を施し、地盤の動きを止める本格的な工事に着手する。
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読売紙のローカル山形欄ではなく、全国版の社会面に大きめの文字見出し。
これって絶対「岩手・宮城地震」に感化された記事だよな。
ネット配信の記事も特集・岩手宮城内陸地震の一部として配信されてるし。
記事だけ読めば、月山で地滑り状態が「突然」発覚したような印象を与えますが、事実は違います。
月山朝日ガイド協会会員であり山形応用地質研究会会員の私がはっきり書いておきますが、

月 山 一 帯 は 昔 か ら の 地 滑 り 地 帯  なのであります。

特に湯殿山に近い大網地区なんてのは地滑り関係者には知られた地域で、私も若かりし頃、地滑り学会の見学会で歩き回ったことがありました。このあたりの人々にとっては地滑りとのつきあいは明治以前、即身仏(ミイラ)で有名なお寺も地滑りの影響で移転するなどしています。
山形・庄内を結ぶ幹線道路である月山道路も、開設当初から補修の連続、お盆の時期に工期がかかり、片側交互通行規制で大渋滞が発生し、
市民からクレーム
 ↓
地元マスゴミ山新が取り上げる
 ↓
国交省陳謝
が、もはや山形の夏の風物詩(笑)

今回の記事で私が何を言いたいかといえば、月山山麓における地質調査業・建設業者と地滑りとの闘いは今に始まったことではないし、関係者は以前から対策を続けていたということ。
岩手・宮城内陸地震で深刻な被害が発生し、亡くなられた方のご冥福と行方不明者の無事をお祈りする一方、それ(内陸地震の被害)にひっかけて関係ない地域までセンセーショナルに大騒ぎするのは辞めなさいよアホのマスゴミ。
風評被害って、お前らマスゴミが作っているということに全然自覚ないんだよな。
現に、朝日連峰の登山道に岩手・宮城内陸地震の影響はありませんか?って問い合わせがあるくらいなんだからさ。

ちなみに昨年、ネタ探しにブナ林歩いていたら山形県自然博物園の敷地内を某●菱マ▲リ▲ル社の作業服着た男性がうろついていたので、同業他社の私としては国交省の動きはなんとなく察知してました。
上記に引用したネット配信記事では割愛されていますが、今回の地滑り対策の工期は数十年、工費は100億以上になると読売は報じている。
担当部署の国交省新庄河川事務所にも予算が付くし、土建業者も当分仕事に事欠きませんな。
こういうことになると『市民派』『環境派』あがりの議員や活動家はすぐ「税金の無駄」とか「土建国家」とかわめくけど、これこそあなたたちがいつもおっしゃる『自然との共生』ではありませんか?
道路って、完成してはいおしまい、じゃなくて、常にメンテが必要な構造物なんですぜ。
地滑り地帯に高速道路作るのはバカ、とネット上で書いてる匿名のバカがいましたが、地滑り対策というランニングコストも見込んで道路を運用していくことがベストなはず。
(蛇足ではあるが、山形・庄内を結ぶ道路については、月山の貴重な湿原である念仏ヶ原周辺を通すという幻のプランも存在していた。詳細は山形県学術報告書を参照)
『自然との共生』って、なにもブナ林に抱きついたり、自然観察会で歩き回ったり、エゴバックとやらで買い物するだけじゃないでしょ。
地滑り対策はそこに住む人間にとって必要な工事であり、泥と汗にまみれて働く土建業の作業員のお仕事だって、立派な『自然との共生』の一形態じゃないですか?土建業嫌いな自然保護活動家の皆さん?

でもまあ、今後予想される国道112号線で連続する片側交互通行を思うと正直うんざりもするけどね。
現場代理人の皆さんがんばってね。

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ヒマラヤンシェルパティー

最近の物価高につき、山行前はまず百均に直行。
そこでこんなの見つけました。

Pa0_0148日東紅茶『ヒマラヤンシェルパティー』

自宅で作ってみると・・・
ただのブドウ風味の砂糖水だろうが!(怒)

でもこれ、某大型掲示板ではメチャメチャ評判が良かったりします。
粉末ワイン入りが売りのようですが・・・う~む。
そういや映画『グランブルー』で極寒のペルー山中でヒロインが紅茶にドボドボとウイスキー注ぎ込んで飲むシーンを思い出すぞな。
ちなみに私、シェルパとは長らく遠征登山で過ごしましたが、こんなお洒落な飲み物飲んでるところ見たことがありません。
好奇心の強い方はぜひ買っておためしあれ。

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【訃報】イグナツィオ・ピュッシ逝く

イグナツィオ・ピュッシというクライマーを覚えていたのは、いかにも意志の強そうな容貌が、ダグ・スコット著『ビッグ・ウォールクライミング』に掲載されていたからでしょうか。
50年代を代表するイタリアのクライマー、イグナツィオ・ピュッシは6月11日、73歳で逝去しました。

Ignazio Piussi  by Planetmountain.com6/20

1934イグナツィオ・ピュッシの代表的な経歴としては、トニー・ヒーベラーらと組んだチベッタ北西壁冬季初登が挙げられるでしょう。
この時にビバーク時の燃料を忘れ、ピュッシがクライミングギア(木製の楔)を燃やして食事を作ったというエピソードがあります。
しかし日本人クライマーに知られる経歴といえば、なんといってもモンブランのフレネイ中央柱状岩稜の「初登」でしょう。
ボナッティ、マゾーら三人だけが生き残った「フレネイの悲劇」から一ヶ月後、ボニントンらイギリス隊が同ルートに挑みます。同時に迫ってきたのが、ルネ・デメゾンらフランス人とピュッシの仏・伊合同隊でありました。
困難なクラックで英国隊が行き詰まり、仏・伊隊がギアを貸し渋るとボニントンが「うちらのテクニックをみせたれ」と石をクラックに突っ込んでチョックの代わりにして突破、仏・伊隊も後に続いた・・・というのが、たしか日本の山岳雑誌に掲載されていましたが、当地イタリア・フランスでは「肝心なときに同じギア共有したんだから同時初登だべ」という解釈になっているようで、日本で紹介されているエピソードとは異なっています。
このことを裏付けるかのように、Planetmountainの紹介記事でも『1961 1st ascent Freney Central Pillar (Mont Blanc』と表記されています。
 アルプス鉄の時代を生きたイグナツィオ・ピュッシ、フランスのピエール・マゾーが『彼のような男、クライマーはもう出てこない。』という賛辞を送っています。偉大な登山家のご冥福をお祈りいたします。
C6fcdeb82831071129d717903ac1d23a若き日のピュッシ

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『握手』 ~08年ガイドシーズン Kick Off !!~

朝日連峰山開きの22日、今年の先頭を切って北陸某県からのクライアント22名を引率して大朝日岳。
ガイドの師匠とペアを組んでのガイド山行である。
師匠とは短くないつきあいながら、一緒にガイドするのは今回初めて。

ヒメサユリは残念ながら蕾状態。
熊越を下りたところに、たった一輪だけ花開いていました。
満開よりも、かえって印象に残ったのではないでしょうか。
さて、ガイドの様子は・・・・

Don師匠の私に対する態度(模式図)

Jani私の師匠に対する態度(現実)

Doctor私と師匠を見守る登山ツアーのおばちゃん達の態度(推定)

 実は、昨年末からガイドの更新制度、自分のガイドとしての資質、「自分の山」、いろいろな事から、JMGAを休会しようか悩んでいた。今の試験制度の下、必死に資格取得を目指している方々には大変申し訳ないのだが、今回のガイド山行の結果によっては、すっぱり資格を返上しようとも考えていたのだ。
 12時間かけて下山、拠点の古寺鉱泉に到着。
 師匠は鉱泉の玄関口に立ち、クライアント一人一人に握手をして声をかけ、労をねぎらう。
 事実上サブガイドだった私は出しゃばるまいと、少し離れた場所で、下りてくるクライアント達にお疲れ様、と声をかける。
 一人の女性クライアントがタオルで目頭を押さえながら、「ようやく大朝日登れました、ありがとうございます」と私にも握手を求めてきた。
 十数年勤めてきた会社の仕事とはまた違った喜び、充実。
 今の資格で今年も頑張ろう、と思い直した。

 クライアント達とも別れ、帰り際、師匠と反省会も兼ねて話し込む。
 師匠「今日のガイディングは・・・70点」
 今日の●●は▲点、という言い方は師匠の口癖。
 私「ええっ!70点  もらえるんですかっ!」
 と切り返す。
 話は具体的なガイディングからガイド倫理まで、広範囲に及ぶ。
 一番印象に残ったのは、
 「握手って大事なんだよね。ツアーだと大勢のお客がいて、一言も会話しない人もいるわけでしょ、だから最後には握手して声かけるようにしてるんだよ」という意味のことを言われる。下山時、師匠より引っ込んだところでクライアント達を迎えていた私は、改めて自分の不明を恥じ入る次第。
 その他いろいろ指摘されたことはあるけど、私自身のガイドノウハウなので、ひ・み・つ。

 どんより曇った空の下、厚い雲に覆われた月山方面を眺めながら、また今年もガイドシーズンが始まるな、と気分を新たにする。

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日山協のウェブサイトは昼行灯か?【6/24加筆】

こんな素晴らしい記録がPDFファイルで公開されてましたね。

GIRI-GIRI BOYS 2008アラスカ登山隊報告 by 日本山岳協会6/20(PDFファイル)

しかしこの記録、日山協ウェブサイトのトップページには 何 の 通 知 も 見 出 し も 無 く 、海外登山奨励金のページの片隅にリンクが掲示されているだけ。
海外登山奨励金なる制度を発足させた日山協ですが、カネだけ出して「その価値についてはまったく理解してない人間がいる」ということをさらけ出しているリンクですな。
指導員とやらで地域でデカい顔している日山協会員の皆様、文句があればコメント欄にはいどうぞ↓

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6月24日加筆
 23日付けで日山協サイト表紙に08年度奨励金登山隊公募と共に、登山隊報告およびイギリスのクライマーズミーティングの記録も見出しに大きく掲載されております。

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ワイダ、そして『灰とダイヤモンド』

Depression_by_thirsty5天災と鬱は突然やってくる。はい、鬱です。
私のお守りワイパックス舐めながら、映画のお話です。

先の出張中、NHK教育のETV特集でアンジェイ・ワイダ監督の特集番組を見ました。
私の好きな映画監督、その映画との出会いは中学生の頃、高校生になってから自主上映会でさらに親しむこととなりました。
特に好きな映画は『灰とダイヤモンド』。
中学生の頃、生徒会長などという自身の能力をわきまえない立場にいた自分が「単に生徒を管理するための存在ではないか」と悩んでいた当時、祖国建設を夢見ながらテロリストという許されざる存在となり、やがて死んでいく主人公の姿は非常にシンパシーを感じるものがありました。

さて、この番組で意外だったのは、東側諸国の例に漏れずポーランドでも映画製作に際しては厳しい検閲制度があったのですが、映画『灰とダイヤモンド』のラストシーンは共産党幹部に「反政府主義者の惨めな最期」が描かれているとして歓迎されたとのこと。
ははは、共産主義者って時代を超えて バ カ ですね。
番組では紹介されていませんでしたが、私の記憶では『灰とダイヤモンド』の主人公の最期、胎児のように身を縮めて死を迎える場面は、主演のズビグニエフ・チブルスキー自身の発案によるものと記憶している。
番組によれば、検閲は厳しいものの、映画製作の現場には「自由」があったとのこと。
『灰とダイヤモンド』が名作たりえたのは、ワイダの才能はもちろん、俳優や大勢のスタッフの情熱の賜と私は解釈しています。
Wajda05ズビグニエフ・チブルスキー

番組でもっとも印象に残ったのはワイダ監督の言葉。
検閲をくぐり抜けて社会主義体制の現実を描くべく挿入された、様々な演出を指していわく、
『沈黙は、時には雄弁である』

情報があふれ、コミュニケーションの手段が発達した現在、会社員生活において 常 に 意志の伝達で失敗・鬱々になっている私にとっては、鋭利な刃物のように感じ入る言葉でありました。
抑圧の下、沈黙でさえ表現の手段とした人々がいる一方、他人と接することに挫折を感じる自分ってなんだろうね、と責め続ける今日この頃です。

それでは今夜も抗鬱剤をつまんで、サヨウナラ。

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『To the Limit』NYタイムズで紹介さる

欧米メディアのクライミングの取り上げ方から、文化としてのクライミングを再認識する事は当ブログのみならず多くの方々が用いている手法ですが・・・今回の記事も改めて唸らせられます。
フーバー兄弟によるエルキャプ・ノーズのスピードクライミングを記録した映画『To the Limit』がニューヨークのマンハッタンで公開、ニューヨークタイムズの映画欄に掲載されています。

Movie Review To the Limit (2007) by The New York Times 6/13
(動画あり)

13limitxlarge1

この映画に関しては、雪山大好きっ娘。さんが昨秋『Am Limit』として内容を紹介されておられます。
参考記事 雪山大好きっ娘。 Am Limit 2007/11/14

ニューヨークタイムズといえば高級紙でありながら反日偏向記事満載、キチガイ記者ノリミツ・オオニシがこれまた日本の保守派ブロガーを楽しませてくれますが、時折クオリティの高いクライミング記事を掲載しています。

思うに、こういう第一線のクライミングを劇場で見ることができるアメリカ、ニューヨークはうらやましい。

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野菜好きなクライマーに朗報!!

19944
「EVEREST」ブランドのキャベツ発見!!
ラトビア共和国の首都リガの市場だそうですが。
ロシアの某クライミングサイト掲示板では「リガ行きチケット買わなくちゃ!」と書き込みされています(笑)
ロシア人クライマーもこういうの好きなマニアいるんだろな。

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父の日メッセージ

出張先から山形大の公開講座経由で、ようやく自宅に戻る。
出張中、世間サマでは父の日とかいう行事があったらしい。
玄関の棚の上に折り紙で作ったメッセージカードが置いてある。
5歳の娘が走ってきて、「ちちのひのカードだから、なか読んで」と言う。
おお我が娘よっ!!
『おしごとごくろうさま』とか、
『いつもげんきでね』とか、
書いてあるのかなっ!?と期待に胸膨らませてカードを開くと・・・

『しちじにはかえってきてね』
次のページには、
『たまにはろくじにかえってきてね』_| ̄|●

嗚呼、
260427
家庭に拘束される予感。

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山大でおべんきょ。

9日間の出張を終え、山形に帰県。
会社から自宅には寄らず、脳天気な天下り役人が学長を務めている田舎大学・山形大学に行く。
080616社会人講座『中国を深く知るための5つの方法-人文学部教員が語る「とっておきの中国」』受講のため。
小腹が空いたので、会社から退出間際、中国出張チーム土産の中国産チョコと甘栗を鞄に入れて大学へ。
今宵は脳味噌の中も胃袋の中も中国漬けになりそうだ。
勤務先が中国に合弁会社を展開していることもあり、会社の図書室には中国関連の書籍は充実しているし、中国経験者も周囲に多いのだが、その多くは所詮一個人の『体験談』に過ぎない。
一部の山岳関係者にみられるような、中国の登山組織とのコネを自慢げに吹聴する爺はもう時代遅れ、と私は見ている。
変化の激しい中国社会の広範な知識を得るためにも、中国研究者の知見に触れておきたい。なぜならば、中国の登山界は「国家」という存在に大きく影響されているからだ。
まあそこは社会人向けの公開講座、あまり過大な期待はせず教室の一番先頭の席を陣取り、中国産チョコを喰いながら講座に臨む。

開講式を終え、初日の今日は、新宮学教授の『首都北京の中軸線とオリンピック会場』。中国近代史と都市学の観点から北京をという都市を再認識する。
新宮教授、「チベット問題に関しては欧米の価値観で報道され・・・」とか、言葉の端々に左がかった視点がちらつき私としてはウハウハ楽しみながら聴講。
最後の質疑応答では受講者から「今の中国は北京に一極集中ではないか?その背景は?」という質問に対し、新宮教授は「東アジアの安定という観点から、中国は一つでありつづける事が望ましい」という意味の回答。
 キチガイ左翼の巣窟AMLもそうだが、ソ連崩壊・ユーゴ紛争を例に中国の民族問題をひとくくりに否定的に語る方がいらっしゃるのは実に興味深い。
 今日の講座で、北京の歴史と都市構造、そしていかに北京虐殺五輪が競技者を無視して構築されたイベントかよ~くわかりましただ。
 参加費2000円で、中国寄りの研究者の楽しいお話が当分楽しめそうです。

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三道茶

20代最後の年、一人で中国の雲南省を訪れ、そこで年越しした。
目的はチベットに潜入を図ったまま行方不明となった僧、能海寛の足跡を辿ること。
大晦日、大理の茶店で「三道茶」を飲んだ。
少数民族、白(ペー)族のお茶である。
注文すると、三杯の茶がやってくる。
一杯めは苦い味。若い頃の辛苦を表す。
二杯めは甘い味。人生の喜びを表す。
三杯めは山椒も入った複雑な味。人生の振り返りを表す。
すなわち三杯で人生を表す茶である。

あれから10年近くなる。
もっとも私の頭の中には、うやうやしく三杯の茶を持ってきた、茶店の女の子しか記憶にない。
歳をとっても、まだ苦い茶を飲まされそうな私の人生。

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花茶

中国茶の一種に「花茶」というものがある。
花茶もさらに様々な種類があり、茶葉に花を混ぜたものや、花そのものを感想させたものなど、様々だ。

チベットの某峰で登山活動を終え、先発隊として一足早く下山した私たち。
その山はベースキャンプからTBC(車の最終到達地)まで、標高5000m付近の高度で、20km以上歩かなければならない。
疲労困憊した我々を、連絡官と通訳がお茶でもてなしてくれた。
もう日は暮れて夜。
ふと疲れた顔を上げると、連絡官のお茶瓶(注)の中で、花がふんわりと開いていた。
背後にあるランタンの光が、茶の中の花を際だたせて美しく見せている。
小さい瓶の中にだけ、花が咲いている。
プレモンスーン期も終わりに近づき、じき冬になる荒涼としたチベットでの出来事。

(注)当時の中国では、インスタントコーヒーの空き瓶で茶を飲むのがポピュラーだった。
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サバヒー

Imagessaba
棺材板の次に紹介する、辛くなくて美味い台湾料理。
それが「サバヒー」である。
私がニフティのパソコン通信・フォーラムを楽しんでいた頃から、その名はとどろき渡っていた。
サバヒーの本場は台湾の台南といわれるが、私が食べたのはMTBで台湾縦断中に立ち寄った、東沿岸の都市・花連である。
サバヒーはニシンや鰯に近い魚で小骨が多い。英名ミルクフィッシュと言われるように、その身は白い。
このサバヒーを用いたサバヒー粥が、台湾の国民的料理なのである!(強調)
中華料理では貴重なサッパリ系料理、これを食べて私はさらに台東めざし自転車を漕ぐのでありました。

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棺材板

Images11それを食べるために台湾に来た、といっても良い。
それが「棺材板」。
厚い食パンをくりぬき、中にホワイトシチューを入れ、さらに食パンで蓋をした屋台料理である。
台湾縦断中に探し求めて、結局ありつけたのは高雄の夜市(夜の露天街)だった。

うまい!
意外なことに、このホワイトシチューは魚ダシのシチューでした。
台湾料理イコール激辛、と勘違いしている日本の方が多い。
山形市内にも台湾料理を銘打った店があるのだが、その辛さを強調した料理が好きになれず、当ブログでは取り上げていない。(といいつつ、不味くて高い職場の飲み会の帰りにはついつい立ち寄ってしまうけど)
辛くなくても美味しいものは、台湾にもいっぱいありますよー。

※当記事は自動更新でお送りしています。

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味噌汁の思い出

20代後半の頃、台湾東沿岸をMTBで縦断すべく、一人で走っていた時のこと。
GWでギリギリ一杯休みをとり、タイトな日程で走っていた。
5月とはいえ、台湾は暑い。
ヨレヨレになりながら、大型トレーラーが停車している簡素な食堂に入る。
ここで今日の昼食、チャーハンを喰う。
「あ~、みそしる、のみなさい。」
と、店の爺さんに日本語で命令口調で言われた。
それが日本語であることに気が付いたのは、疲労のためか、間をおいてからだった。
台湾で日本語が生き残っている事情についてはさておき、無料サービスのみそ汁を飲む。
疲労した体には、ちょっと薄い味噌汁。

インスボンに登る当日、お世話になっていた申さんと食堂で朝食をとる。
鉄製でいかにも堅固な器に、グツグツ煮えたぎっている味噌汁。
ここは韓国、やはりコチジャン風味なのだが、紛れもなく味噌の風味だった。

台湾と韓国でも味わった味噌汁、欧米では神秘の味なのか。
かなり以前、ディスカバリーチャンネルで日本の食生活特集をみていたら、味噌汁の作り方を説明していた。
ダシをとる場面、煮干しを鍋にいれる場面でいきなりスローモーションになり、尺八のBGMが流れる。
そんなに魚ダシが珍しいか西洋人!

郷に入れば郷に従え、なんて構えるより、せっかく来たからにはなんでも吸収したいという理由で海外ではスムーズに食習慣に順応する私ですが、味噌汁はやっぱりホッとしますね。

※当記事は自動更新です。

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自動更新のお知らせ

ネット環境の無い土地にお出かけのため、しばらく自動更新で他愛もない話題を更新いたします。
それではみなさま、ご機嫌よろしゅう。

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Japan's Hidden Hot Springs

Imagedb英検のテキストばかりでは面白くないので、レアな英訳を知るためにBookOffで105円で購入。
 わが東北では秋田は泥湯、宮城は峩々温泉など、日本人の間でも渋い!マイナー!な温泉が掲載されている。
 さて、わが山形は・・・吾妻の姥湯に白布、銀山温泉・・・え?ASAHI?
 朝日の温泉といえば田園地帯に開発された朝日町の「りんご温泉」(湯舟に本物のリンゴがぷかぷか浮いている温泉)かと思ったら・・・朝日鉱泉ナチュラリストの家が紹介されていたりする。
 ありゃHotじゃないけど(注・鉱泉を湧かした湯です)、まあHiddenと呼ばれるにふさわしいわな。
 この「Japan's Hidden Hot Springs」、私が入手したのは旧版で今は新版が出ている。この本片手にいったい何人の外国人が朝日鉱泉に行ったんでしょうか。個人的にはすっかり観光地化した銀山などより肘折温泉がお勧めなのだが。

 さて、この本を購入した最大の目的は巻末のGlossary。
 sansai(山菜)・・・ edible wild plants
tororo(とろろ)・・・ grated japanese yam
konyoku(混浴)・・・ mixed bathing
 などなど、和英辞書にも乗ってない単語が掲載。全然役に立ちそうにもない英語を勉強中。 

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便器の黄ばみはこすって落としちゃダメ!(CM風)

ロシアの某登山サイトを眺めていたら、登山学校の様子が掲載されていました。
ロシア南部・カフカス北部地方の都市、スタブロポリ山岳連盟の登山学校だそうです。
総勢164名とは、チェチェンに近くて政情不安なとこにしては登山が盛んですね。

19404中高年より若者が目立ちますね。

19410ビレイワークの講習かな?

19405教習にはアルパインも含まれてます。

19413おおっ!なんて素敵なキジ場!
ロシア人がここまでマメだなんて知らなかった・・・

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6月1日のブナ林

6月1日、日曜日。
気晴らし&ガイドネタ探しに月山の自然博物園へ。

Imgp0457雪はまだたっぷり。

Imgp0458はぁ~出張明けの森は最高だぜ。

Imgp0454湧水地の周りはエゾエンゴサクが沢山。

Imgp0461宿主が斃れたツルアジサイはどうなるの~?とシリアスに考えてみる。

Imgp0463おおっ!まるでどっかの山岳団体・・・もとい、私の性格のように曲がっているなあ、と親しみを覚えるブナ。

Imgp0464無事付着したヤドリギの種、この先どうなるのでしょうか・・・と再びシリアスに考え込んでみる。

久々の博物園なので事務所によって横山館長に挨拶。
デスクには見たことないキュートな女性が。
ええっ!エコプロの噂の新人Wさんですか!
今年は張り切ってブナ林行こう(最近すっかりおじさん化)

6月1日現在の山の様子はこんな感じ↓
Imgp0466左から湯殿山、姥ヶ岳、月山

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新疆ウイグル自治区で登山料値上げ

新疆登6000米以上高峰要付上万元 by 天山網6/2

今、とある中国登山料金ぼったくり事例を調べていたところ、タイムリーなニュースがっ!
記事の概要は、新疆ウイグル自治区内の「登山管理を強化」を目的に登山料(登録料)値上げだそうです。
内訳は、
8000m峰・・・25000元
7000m峰・・・15000元
6000m峰・・・10000元
初登頂は別料金、新ルート開拓は登録料の2割増。

で、中国登山に詳しい人はご存じのように、中国登山の規定は米ドルで決められているのですが、今回の報道では中国元。
10000元といえば、「万元戸」なんて言葉が改革開放当初にありましたね。(今は中国でも死語。)
中国元も強くなったもんですな。
ちなみに従来の規定では6000m峰の登録料は700ドル(約7万3千円)、改訂後の10000元は約15万円。
今回の改訂が新疆ウイグル自治区限定かわかりませんが、ずいぶんな値上げですなあ。

6f13e7e4ded8b62cd83edf85dfc70c7d
まあ、いろいろありますよ。物価が上がるとか、しょうがないことはしょうがないのだから、耐えて工夫して切り抜けていくことが大事だ、ふっふっふっ
という、眼鏡チンパンジー福田の声が聞こえそう。
ムスターグアタとか予定している日本の岳人の皆様、節約倹約してがんばってね。

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アイダー、ラフマに買収さる

数々のアウトドア衣料、というよりも、私の短く太い足にもフィットする登山用パンツを出している神様メーカー、アイダーがラフマに買収です。

LAFUMA to acquire EIDER by LAFUMA6/2

アイダー製品の日本販売に関しても、ちょっと「水面下」の情報は得ているんですが・・・アイダーパンツの販売は続行してくれ~ 

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K2で有名人に会える!(かも)

K2遠征やトレッキングを計画している方に朗報!?
K2山域に世界的に有名なあの人が出現!?

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Osama hiding in K2? by Times Now.tv, India 5/27

Osama in K2 mountains? by Daily Times, Pakistan5/26

元ネタはCIAらしいけど、イラク戦争以来(まあそれ以前にも)CIAってチョンボ情報多いからなあ・・・
メディアの見出しには華々しくK2の文字が踊っていますが、当然の如く、ビンラディンの詳細な所在地までは明らかにされてません。パキスタン北部のヒマラヤったって広いだろうがよ、CIAの馬鹿どもが。
その生死に関わらず、この髭オヤジの所在は当分この地域をお騒がせするんでしょうな。

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