三道茶
20代最後の年、一人で中国の雲南省を訪れ、そこで年越しした。
目的はチベットに潜入を図ったまま行方不明となった僧、能海寛の足跡を辿ること。
大晦日、大理の茶店で「三道茶」を飲んだ。
少数民族、白(ペー)族のお茶である。
注文すると、三杯の茶がやってくる。
一杯めは苦い味。若い頃の辛苦を表す。
二杯めは甘い味。人生の喜びを表す。
三杯めは山椒も入った複雑な味。人生の振り返りを表す。
すなわち三杯で人生を表す茶である。
あれから10年近くなる。
もっとも私の頭の中には、うやうやしく三杯の茶を持ってきた、茶店の女の子しか記憶にない。
歳をとっても、まだ苦い茶を飲まされそうな私の人生。
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