趣味でガイドをやるな
イギリスのThe Independent紙の就職・キャリアプランニング欄に山岳ガイドに関する面白い記事が掲載されてました。
記事の内容は、James Thacker、Tim Mosedaleの二人の山岳ガイドを例にして、いかにガイドになったか、どのように生活しているかを取り上げています。Tim Mosedaleはヒマラヤ公募隊も企画しているので、名前だけは知ってました。
以下引用開始
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軍を除隊した後、Mosedaleは野外活動への情熱を生かすために、地元の野外活動センターで働きました。
「私は、£2,000から始まり年間£25,000稼ぐまでになりました。」
(中略)
エベレストのサミッターであるMosedaleは、B&B(訳者注・ペンション風の宿)を経営し、定期的に遠征隊を組織します。
「働き始めたときには、私は8つの仕事を持ってました。レストランで働き、トイレ掃除もしました。徐々にクライアントがつくまで、私は何でもやりました」
「クライミングインストラクターとして生計を立てることは非常に困難です。年収は£5,000から£15,000の間と、それはタフでなければなりません。しかし、オフシーズンにリビアやオマーンのような場所で仕事を見つけることは可能です。油田調査の地質学者と働いているとたっぷり稼げますしね。」
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以上記事引用おわり
イギリスのクライミングガイドも喰っていくのは大変ですね。
イギリスの平均年収は日本円で400万らしいのですが、£15,000でようやく年収300万円ですからね。
この記事でもっとも印象深いのは、Mosedaleが語り、記事も最後に強調している次の言葉です。
"Be professional and offer value for money. Don't treat it as a hobby," Tim Mosedale
「プロとして金額に見合う価値を提供してください。趣味でやらないでください。」
今更ここで山岳ガイドという職業の意味を語るつもりはありませんが、ガイディングの経験を積めば積むほど「好きなだけではやれない」と感じる。
この記事を読み、日本の田舎のトレッキングガイドとしては色々思うところはあるけど、今日は書かない。
ただ、イギリスのガイドも頑張ってんだね、という感慨に浸った次第。
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