【映画】バンフマウンテンフィルムフェスティバル インジャパン仙台
念願の「バンフマウンテンフィルムフェス 仙台」を見に行く。
相変わらず「当日券」が「当日に」売り切れというインチキ商売をしている日本バカゴニアが主催であるが、そこは韓信の股くぐりの心境で会場入り。
上映作品と各々の感想は次の通り。
ain't Got No Friends on powder Day.
健常者と障害者のペアによるバックカントリースキーを描く。
【感想】
パンフには『「不慮」のスタイル』などと遠回しな表現が用いられているが、チェアスキーはもはや確立されたスポーツではないのか?(少なくとも私はそう思っているが。)
チェアスキーが「障害者むけレクレーション」という概念を遙かに越えた、素晴らしい映像。
Ice Mines
アイスクライミングの第一人者ウィル・ガッドによる地下廃坑におけるアイスクライミングの開拓の模様を描く。
【感想】
クライミングエリアの開拓に際して、多くの人脈を頼りに活動している姿が印象に残る。やっぱクライミングの幅を拡げるためには人との繋がりが大切なんですねえ。
Trial & Error
伐採予定の森でマウンテンバイカー、ライアン・リーチの驚異的なライディングを描く。
【感想】
私がマウンテンバイクのマニュアルとして最初に入手した本の著者、ウィリアム・ニーリーの世界を思い起こした。マウンテンバイクでいわゆる「トライアルバイク」に劣らぬ機動力を発揮する姿に、本来のMTBの魅力が描かれている。そして「伐採」という問題がこの短編映画にパンチを効かせている。
Commited to Grid
イギリスのトラッドクライミングを2人のクライマーを通じて描く。
【感想】
プログラムAB通じて、最も印象に残った作品。「最高!」とか「イエー!」とか喚くことに終始する西洋人を描いた映画が多い中、ストイックなまでに精神的に自己を追い込み、完登する姿は、おそらく全プログラムを通じて日本人の精神性に訴えるものがあるのではないか?
Serching for the Coast Wolves
元トップアスリート、グドルン・プフリューガーによるオオカミの探索と接触を描く。
【感想】
長距離ランナーにして生物学者。幅広い人脈。この映画を視ていて、このお方がどうしてもちらつきました。
Respect
自然への畏敬の念を、バックカントリースキーヤーを通じて描く。
【感想】
雪崩シーンの連続。西洋人の「畏敬の念」とは、我々日本人とはちと違うようだ。
higher Ground : Mountain Photographer.
クライミング専門フォトグラファーの内面を描く。
【感想】
前々からクライミングを記録するカメラマン各氏は尊敬申し上げるのですが、写真ではなく自身の言葉で語られるクライミング、それもまた興味深い。
In-Flux
西欧・北欧・インド洋の孤島でカヤッカー達が遊びまくる。
【感想】
カヤッカーが楽しんでいる姿はよく描かれているが、それだけの内容。
It's Fantastic
新スポーツ「スピードフライング」を描く。
【感想】
スピードフライングとはパラグライダーのスピードの出るタイプで、主にスキー滑降時に飛行する。劇中ではスペイン・カナリア諸島でスキー無しでの滑空が描かれる。その行為の紹介だけで、前作の「In-Flux」同様、深い思索は何もない。
King Lines
クライマー、クリス・シャルマのライフスタイルと軌跡を描く。
【感想】
まずパンフの「地球市民としての彼の非常に興味深いライフスタイルを探索する」って何だ?このパンフ作った奴、ホントにこの映画観てんのか? ああ、環境テロリスト支援する左翼偏向カルト企業日本バカゴニアっぽい表現ですね(笑)
はさておき、50分という長さを感じさせない作品。クリス・シャルマの人となりがよく表されている。
会場もクライマーが多いせいか、クリス・シャルマのクライミングに「おおっ」とか「ああっ」とか声が漏れ聞こえていました。
シャルマが古い友人とザイオンのムーンライト・バットレスを登る場面で、シャルマは物事の準備が苦手なのでクライミングの準備もパートナー任せ。パートナー曰く「俺はガイドじゃないんだぜ」。
こんなところに山岳ガイドが引き合いに出されるなんて、アメリカでもガイドクライミングが定着しているのかなあ、なんて感じながら観てました。
いやいや、10本も連続して映画を観るとお腹いっぱいです。
日本では登山・探検・冒険は写真という媒体でよく記録はされていますが、映像という点ではどうでしょう。今回初めてバンフマウンテンフェスを拝見して、これだけの作品が製作されるプロダクション(または個人)の存在の多さに驚いた次第でした。
参考情報 ブログ「雪山大好きっ娘。」 [映画]BANFF MOUNTAIN FILM FESTIVAL in JAPAN
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