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アフガニスタンの人工壁

戦火の下、人命が次々と失われていく戦場で人工壁を作り、登る男。
クライミングって、人の心にとって何なんでしょうね。

VIEW FROM AFGHANISTAN A Canadian soldier finds sanctuary on a homemade climbing wall by Canada.com12/12

以下記事引用開始
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1067698 アフガニスタンのパサブ。
マイク・リーム伍長が南に目を向ければ、そこでは2年前に二人の僚友が死んだ。北に目を向ければ、一週間前に友人が命を失った。東に、西に目を向ければ、そこはさらに多くの友人が血を流した所だ。
 マイク・リーム 32歳。 オンタリオの岩場から遠く離れた場所で、彼は『岩』を登る。周囲は全て山に囲まれているが、そこはタリバンの出没する土地。道路には手製爆弾がばらまかれている。

 彼が作った人工壁という名の『聖域』は、スクラップの材木、石、使い古しのシャベルの柄にドリルで孔をあけたもので飾られています。
 彼にとっては二度目のアフガン従軍、最初の従軍で戦場の現実を知り、すぐに戻ってきました。
 人工壁を作るため、彼は休暇を使い、木材を切り、ドリルで孔をあけました。その間にも戦闘は進行し、多数のカナダ兵が戦死しました。
 「ちょうどこの前の晩、三度の銃撃戦がありました。銃火を間近に見ることが出来たでしょうね。ああ、もちろん僕はすぐに壁の製作に戻ったけど。」
 2006年、リームは『メドゥーサ作戦』に従軍、パシュムル村で多くの時間を過ごしました。1ヵ月にわたり、タリバンの攻撃から身を守るために農村の畑と装甲車の中で生活しました。地雷と手製爆弾のため、兵士は常に油断無く足下を警戒しなくてはなりませんでした。
(中略)
 最初の従軍から戻った後、軍の予備役として、樹木医(訳注:原文はarborist)として、また婚約者として生活していくのに苦心しました。
「1、2時間しか眠れず、リラックスできませんでした。常に緊張を強いられていたからでしょうね。」
彼の婚約は終わりました。後日、元・婚約者からこんな事を言われていました。
「彼女はこう言いましたよ。『迷わないで。あなたはハミルトンに住むよりアフガニスタンに住むほうがいいのよ。』って。」
 人工壁の製作に約100時間をつぎ込んだ後、4メートル四方の壁、クラックとオーバーハングを備えた人工壁が完成しました。今週作業を終えたリームは3時間、腕がパンプするまでクライミングに時間を費やしました。
「昨晩ここに座って、『これはすごい』と思いながら45分間ながめてましたね。やったぜ、って。」
 壁を作ったのは彼ですが、多数の友人が彼に協力し、資材を提供していました。木材、ボルト、シート、2枚の古いマットレスやカーペットの切れ端。
「もう一つ仕上げなくちゃいけないのは、記念プレートです。(協力してくれた友人達の)40~50人の名前が刻まれることになるでしょうね。みんな協力してくれたんです。」
 今回の従軍では、彼は装甲車を運転し、地雷や爆弾が仕掛けられた危険な道を走っています。しかし最初の従軍よりも日々の戦闘は収まりました。
(中略)
 今、彼は自分の人工壁を持ち、戦場の中で人生を費やしてはいますが、日々の暴力と困難と悲しみから離れ、毎日クライミングをしていることでしょう。
「クライミングをしているときは、心奪われます。精神が集中し、全ての煩悩から解放されるんですよ。」
人工壁は、10人以上のクライマーに使われています。
(中略)
「ここには至る所に美しい山がありますが、そこに行くことは出来ません、鉄条網の外に行くことは許されません。」
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以上記事引用終わり

 この訳文では割愛していますが、地雷に吹き飛ばされた戦友の遺体を捜索したり、過酷な日々を送っていたリーム氏。ちなみにクライミングシューズは(現在の?)奥様よりアフガンに送ってもらったそうです。

 アフガニスタンという戦場でモノも無いところで人工壁を作ることもさることながら、戦場で傷つく心をクライミングが癒してくれているのだな、と考えさせられます。
 先日当ブログに掲載したように、登山を戦争遂行の技術として利用するロシア軍の例もあれば(これはロシア軍に限ったことではないが)、今回の記事のように兵士の心のよりどころになるクライミング。
 クライミングってなんなんでしょうね。

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