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対立軸から何が生まれるんですか?

某ローカル出版誌のために野外活動をテーマにした原稿を書いている。
参考文献として、地質調査総合センターの機関誌『地質ニュース』07年12月号を読み込んでいるのだが、目的外に大変印象的な記事に出会った。

横浜に残された最大緑地、円海山緑地北端の『谷戸』の環境保全をめざすネットワーク『瀬上の森パートナーシップ(SMP)』を取り上げた記事である。
以下引用開始
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 SMPの活動はいわゆる「反対運動」ではありません。民有地の開発計画ですから、まずは地権者の意向が尊重されるべきです。(中略)何が事実か、何が大切かということが明らかになれば、良識ある市民は自分で判断し行動できるのではないでしょうか。行政や事業者も、市民の環境意識が高まり企業の社会的責任の問われる時代において、多くの人々の目のあるところでは合理的な判断や行動をとるであろうことを期待しています。
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以上記事引用おわり 

『良識ある市民は自分で判断し行動できるのではないでしょうか。』
素晴らしい見識である。

 一方、徹底して行政攻撃を仕掛ける某市議会議員に率いられた反対派と、合意形成に無頓着な行政が対立しているのが、山形県の最上小国川ダム問題である。
 一年間を振り返る年末の報道特別番組で、地元赤倉温泉の旅館経営者が、
「反対賛成いずれも禍根を残すのは避けたい」という意味の発言をされていたのが印象に残る。 

 執拗に行政を攻撃し続ける某市議会議員の姿勢が賢明とは、私にはとうてい思えない。
ご自分のブログで

 『そして「生命と財産」というが、この川の洪水災害で何名の人命を失った過去があるのだろうか。』

 とまで発言されておられるが、人命が失われなければどのような被害が発生しても良いのか?
 ダム工事はどうせスーパーゼネコンが受注とおっしゃるが、砂防ダムはともかく本格的なダム工事を単独で施工できる山形県下の建設会社など私は不勉強にして知りません。県下の建設会社が受注すれば受注したで、「県知事と業者の癒着」と騒ぐのは「市民派」活動家の皆さんのような気もしますが。
 またこの問題を検索する際、釣り関係者がブログで盛んに反対を唱えていますが、そこに防災の視点と意識は、全く感じられません。

 以前当ブログに書きましたが、私は一年間ダム現場で働いてました。
 正確に書けば、ダム本体工事ではなく、ダム建設に伴う移転集落のための事業に携わっていたのですが、ダム建設によって移転する地権者の方に、直接挨拶に伺いお話を聞く機会もありました。
 ま、私は不良社員ですのでいろいろ失策をしでかし、後々会社の偉い人からも馬鹿呼ばわりされる仕事っぷりでしたが、私の登山観・自然観において決定的なターニングポイントになった出来事でした。私が野外教育活動に関わることになったのも、このダム工事に関わったおかげです。

 前述の攻撃的な某市議会議員の活動ぶりに、正直言って敬意を抱きますが、実際にダム現場で汗かいた人間としては頭ひねらざるをえない姿勢も目につきます。
 地質調査の結果を受け、県知事が河川改修に否定的な立場を表明した際、担当した研究者を「御用学者」と某市議会議員は御自身のブログではっきり書いておられましたが、そういった「レッテル貼り」の姿勢こそ、ダム反対者と賛成者を名簿に明記し思想調査と言われた県土木部の姿勢と何ら変わりないのではないでしょうか?
 
 タイトルにも書きましたが、「行政」と環境保護を標榜する「反対派」の対立こそ、不毛な論議と遺恨しか生み出さないのでは、と危惧しています。
 一月には県知事選挙を控え、小国川ダム予算も認められた今、この問題に注視したいと思います。
 2009年元旦、あえて元旦にこの問題について触れてみました。

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