クライマーのための地質学
アメリカという国は、ハイウェイ毎に道路脇に見られる露頭のガイドブックがあったり、国立公園毎に詳しい地質解説本があったりと、日本に比較して地質学が身近な国であります。
クライミングの本で北山真氏の著書だったでしょうか、開拓に関する項目で地質に関連した記載が少し掲載されていて、なるほどクライマーという人たちも地質と密接な関係があるのだなあ、と思わされました。
さて、洋書としてはクライマー諸氏に結構知られている「FalconGuides」から、またまた興味をそそる本が出版されたようです。
Flakes, Jugs, and Splitters: New Climbing Geology Book by About.com:climbing2/11
以下記事引用開始
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あなたがクライマーなら、舞台となる岩が好きなはず。
異なる種類の岩には異なる技術を必要とします。
花崗岩にはスラブ、クラック、ビッグウォールがあり、砂岩には剥離するクラック、もろい岩、そして砂漠の岩塔があります。石灰岩では、あらゆるサイズのポケット、オーバーハングしたケイブがあります。
(中略)
地質について学びたいならば、大学の講座を受ける必要はありません。
クライマーで地質学者のサラ・ガーリックによる新刊書『 Flakes, Jugs, and Splitters: A Rock Climber’s Guide to Geology』 を読むことができます。
(中略)
本の後半では、岩に関する疑問に答えます。
なぜ多くのルーフがガンクスにあるんですか?
なぜフロリダにクライミングエリアが無いのですか?
なぜフエコタンクスには沢山のhuecos(くぼみ)があるのですか?
キリマンジャロは噴火しますか?
なぜヨーロッパには石灰岩の岩場が多いのですか?
本を読み、答を見出してください。
岩、地質学、そしてクライミングがより好きになることでしょう。
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以上記事引用おわり
日本では、東京学芸大の小泉武栄氏や元国土地理院の五百沢智也氏が地質・地形に関する良書を出しています。
クライミングに特化した本は日本ではまだありませんが、クライミングに限らず山に登る皆さんにはもっと地形・地質について関心を持っていただきたいと思います。
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コメント
仰る通りです。岩場は靴や用具の選定や技術で地質は重要ですが、登山一般にも摂理が分かっているだけで、安全対策が充実するように思いますね。雪の下にある地質・地形でも差が出て来ることは容易に想像できます。
投稿: pfaelzerwein | 2009.02.13 03:28
re:pfaelzerwein様
<<安全対策が充実するように思いますね。
全くご指摘の通りです。
私のような者が声高に取りあげなくても、岩場開拓やリボルト作業等の岩場保持に尽力しているクライマーの方々は岩質には気を遣っておられるようです。
このような登山者・クライマー向けの地質の手引き書が商業出版物として出てくるところに「アウトドア」に対する彼我の違いを感じ、注目した次第でした。
投稿: 聖母峰 | 2009.02.13 20:49