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山の名前

アカどもの残滓が、亡霊のように浮かび上がりますな。

'Soviet Latvia' finally disappears from Tajik maps by AFP2/4

タジキスタン領にある「ソビエト・ラトビア」峰の名前が地図上から消え、このたび「ラトビア」峰に変わるそうです。
タジキスタン大統領がラトビア訪問にあわせた措置のようですが。
スターリン峰→コミュニズム峰→イスモイル・ソモニ峰に代表されますが、皆さんご存じのように旧ソ連のパミール山域の山名は政治状況に応じてコロコロ名前が変わっています。
このAFP記事で面白いのは最後の部分、
『ソビエト時代にノスタルジーを感じる人間はご安心、タジキスタン領内には「Soviet officer」(筆者注・ソ連軍将校?)なる旧ソ連由来の地名がまだまだ残っている』と報じています。

さて、パミールだけでなく、アメリカでは北米最高峰「マッキンリー」の呼び名について、先住民の伝統名を尊重して「デナリ」と呼ぶ方が多くなってきました。
山の名前が変わる。
我が日本では、ちょっと記憶にありません。
(もしご存じの方おられましたらコメント欄にご一報下さい。純粋に好奇心から知りたいです)
私の記憶では「剣岳」の「つるぎ」の表記が「剱」とする通達があったこと、「八ヶ岳」の「ヶ」「ガ」の表記など、漢字の表記が問題になりました。
また昨秋、鳥取の大山の登攀ルート名が統一、これに伴いルート名が変わった部分もあるようです。
これら表記や登山ルート名が変わった事例はありますが、山の名前そのものが変えられた、というのは記憶にありません。

先年の日本各地における市町村大合併は、地理学を学んだ者にとっては誠に暗澹たる政策、地名というかけがえのない財産が行政のバカどもに改悪させられた愚行でしたが、山の名前は変わらない。
(最近はブログ上で「殺す」と書くと警察にパクられるようですが、わたしゃ何度でも声を大にして言いますよ。カタカナ地名を嬉々として自治体名に採用するバカは 腹 切 っ て 死 ね !
あれだけ市町村名が改変させられたにもかかわらず、山の名前が不動であることは特筆すべきことではないでしょうか。
と申しましょうか、政治家の都合でコロコロ変わる旧ソ連圏が異常といえばそれまでですが。

それでは、登山愛好者の皆様が普段愛用されている国土地理院の地形図に記載されている山の名前は、誰が決めているのでしょうか。
これは国土地理院の役人が勝手に書き込んでいるわけではありません。
地形図を製作する際に、各自治体の長宛に国土地理院が「地名調書」の作成を依頼します。
この「地名調書」に掲載される地名、すなわち各自治体、役場が用いる公式名称や一般的に用いられている地名が調査された上で地形図に用いられます。
 したがって地名の調査確認方法は各地域で様々なようで、山や沢に詳しい営林署の職員が協力したり、信濃大町の例では山岳博物館も協力していると聞いています。

 人間の歴史・営みや自然の形態を凝縮したものが「地名」なのですが、人文地理の一般書を紐解けばよく書いてありますが、我が日本はお世辞にも地名を大切にしてきた国家とはいえません。
 そんな国にあって、山の名前がこのまま尊重されることを願っています。

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