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磐梯朝日国立公園朝日地域登山道に関するワーキンググループ

月山山麓、西川町で開催された環境省東北地方環境事務所主催の会合『磐梯朝日国立公園朝日地域登山道に関するワーキンググループ』に出席。

国立公園朝日地域登山道ワーキンググループ等について(PDFファイル)

Pa0_0364一般参加という形で傍聴するつもりであったが、山形県自然博物園館長の横山氏ともに月山朝日ガイド協会の人間としてしっかり席が用意してあり、だいぶ恐縮。

このワーキンググループ、07年から展開されている、朝日連峰の風衝地(具体的には朝日連峰・狐穴小屋近くの「三方境」付近の登山道崩壊地)における植生再生等の登山道整備に関わる諸団体の「横の連携をとろう」という目的で開催されているもの。
集まった人間は行政(各自治体観光課)、林野庁、営林署、そして各山岳会の長が一同に集っている。

特筆すべきは、山岳地の風衝地における植生再生という試み自体が全国でも例のない試みであること。また、関係者(とくに各山岳会の長)が一同に会する機会は滅多になかろう。

植生再生作業の具体的な内容は、登山道の踏み荒らしで地肌がむきだしとなり雨等の流水で激しく浸食された地形を「再生」すべく、雨水の流路を整えるため石組み・土嚢で修復、麻製の「緑化ネット」を貼り、周囲の植物から採取した種子や株を植え付けるというもの。
 飯豊連峰での作業実例はこちらのサイトをご覧ください。↓
 http://www.iideasahi.jp/1188-2.htm

 ここまで書いて少し知識のある方にはご理解いただけると思うが、この作業を本来ならば「石一つ、草木一本動かしてはならない」国立公園内で展開するという点がネックなわけで、関係各位の横のつながりが重要になる訳である。
 この点、飯豊連峰では、とくに中心人物となっている小国町の井上氏の談話によれば、関係部署を巧く連携させることによって各官庁の許認可フリーという状況にもちこんでいる成功例といえる。

 とはいえ、やはり組織の形態にこだわる方はいらっしゃるわけで、本日の朝日連峰の会合では「どこが主体とななるのか確認したい」という話題に時間が費やされていた。

 これはあくまでも私個人の見解であるが、登山道のみならず環境問題に効果的であるとすれば、別に主宰など環境省でも防衛省でも個人でもどこでもよろしい、というのが私の想いである。事実、そういう考えだからこそ、昨夏は前述の井上氏のウェブサイトの呼びかけに呼応して私も緑化ネット荷揚げに微力ながら協力させていただいた。

本日のワーキンググループは今後の活動組織の形態についてその候補を討議、結論については来期の会合に先送りされ、次年度の活動予定の確認ということで終了。
環境省の担当者のお話では、山岳関係者が横の繋がりをもてる機会を作りたい、と結ばれていた。
 これに関しては私も意見がある。
 現在の登山界をみれば、山岳会所属の人間よりも、未所属・未組織の人間が圧倒的に多い。朝日連峰を訪れる登山者もまた同様である。
 朝日連峰の山小屋・登山道を実際に管理・整備しているのは地元の社会人山岳会であるが、こういった話し合いの機会がもたれるならば、一般登山者も気軽に参加できる機会が望まれるのではないだろうか。
 昨年展開された緑化ネットによる登山道整備は、作業は行政に委託された業者ではなく一般公募の登山者の手によって行われたものである。これにより、登山道の崩壊・整備問題を、一般の登山者が自分たちの問題として捉えられること、また自分たちの手によって登山道を整備することによって「自分たちの山」という意識が生じるメリットは大きいと私は考えている。

 もう一点、今回の会合に女性の参加者は、環境省に業務を委託されている建設コンサル会社の川端女史と、大井沢の博物館学芸員である武浪女史の二人だけであった。
 登山者の大半は女性登山者が占める。
 登山道整備作業といえばどうしても男性の手による重労働がイメージされがちであるが、緑化ネットの種子配布など、女性の協力でもできる作業はいくらでもある。一般登山者の参加を促す上でも、女性登山者の協力をとりつけることも非常に大きなポイントである、と会合の面々を見ていて感じた次第でありました。

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