8000万円分の登山用品の使い途
8000万円分の登山用品を購入予定の人たちがいます。
Vermont Guard Gets Climbing Gear by WCAX 4/15
アメリカ・バーモント州の下院議員ピーター・ウェルチは、バーモント議会派遣団が、79万2000ドルを登山用品購入費を連邦予算に組み入れることに成功したと発表しました。アフガニスタン派遣に備え、山岳訓練を積む約1800人のバーモント州州兵のために用いられる予定です。
現在アメリカは、アフガニスタンに州兵を派遣しています。
州兵とは、アメリカの各州毎に置かれた州の軍事組織ですね。州の組織といってもアメリカ国防総省の下部組織でいわゆる「予備役」のため、アフガンや先のイラク戦争でも海外に派遣されています。
ウィキペディアでは民兵という語が用いられていますが、民兵(ミリシア)というと、私の場合などはアメリカの極右武装組織のイメージが強いです。あえて乱暴な説明をすれば、日本の「消防団」の軍事版といえばわかっていただけるでしょうか。
まだバーモント州の州兵にはアフガン出動の命は下っていませんが、「重要なことは州兵が動員される前に、装備が行き届いて十分な訓練を積むこと」だ、そうです。
に、しても登山用品購入費で79万2000ドル→日本円で約8000万円ですよ。
子供を小学校から大学通わせるのにかかる費用で8人はまかなえる金額ですな(最近考えることが山屋から世間一般人に変化してきた気がする)
記事の中で興味深いのは、州軍の軍曹のコメントとして「clean climbing」が移動の痕跡を残さないことに利用されていること。
先日当ブログで書いた、子供たちにティム・オニールがクライミング史を講義する中でフリークライミングの発達にヒッピーが関わっていたことが強調されていました。
クリーンクライミングの先駆者たるヒッピー、反体制的な存在であった彼らが発達させた登山技術が、今現在こうして戦争に利用されているという現実は、なんともいえない皮肉です。
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