« アリランの歌 | トップページ | 花巻市 石窯パン工房ミッシェル »

なめとこ山を、知っていますか。

宮沢賢治の著作『なめとこ山の熊』。
童話の舞台となる『なめとこ山』が実在するのは、皆様ご存じでしょうか。
所在地が確定されたのは、平成に入ってからであります。
宮沢賢治の著作に出てくる山岳をほぼ網羅した奥田博著『宮沢賢治の山旅』でもわずかに触れられているのみである。
その後地元研究者の古文書を元にした研究が認められ、現在では国土地理院の地形図にも記載されている。

N3 2万5千分の1地形図「須賀倉山」より
 
前述した奥田氏の著作では、山腹の伐採が進んだなめとこ山を「モヒカン刈りの山」と形容されている。
この「なめとこ山」に通じる県道の冬季通行止め解除を待ち、なめとこ山を目指してみる。
私にとっては2回目の試み。前回は不明瞭な踏み跡と藪に行く手を阻まれて温泉ツアーとあいなった。
今回は東方の金勢神社から入山。
そこには伐採を免れた、素晴らしいブナ林が稜線に展開していました。

Pa0_0570 登山口から15分ほどに位置する金勢神社。立木に結びつけられたしめ縄が、質素で山の神社らしい。山行の安全と、親類家族・ガイド仲間の安全を祈る。

Pa0_0572 登山道の両脇はマイヅルソウが一面に満開でした。

Pa0_0571 雨の日の低山には、ギョリンソウがよく似合う。

 童話の舞台、なめとこ山。
 なめとこ山が実在するという事実を前に、人々の反応は大きく二つに分かれるようです。
 実際に訪れ、原作の雰囲気を体感してみたいという人。(私はそうです。)
 物語の山はそのままに、イメージを壊さず、そっとしておきたい、という人。
 
 後者の方が多いようですので(前掲書の著者・奥田氏もそのようです)、山の様子の詳細な記述は省くことにしましょう。

 Pa0_0569 この日、私はなめとこ山の頂上で、カプチーノを飲みながら一休みしていました。ガスに包まれた、幻想的な林の中で。

 昨年書いた、「雪渡り」に出てくる氷上山の記事を求めて宮沢賢治フリークの方も当ブログを訪問されておられるようですので、追記を一つ。
 登山ルートには新旧とりまぜて、熊糞をいくつも見かけることができました。

Pa0_0567
正真正銘、『なめとこ山の熊』の爪痕。
なめとこ山の熊は、いまも健在です。
山のどこかに。

----------------------------------------------------
山岳ガイドの重要アドバイス
 とはいえ、なめとこ山に入ってみたいと考えてる方のための重要情報。

 なめとこ山登山に関しては『やっちゃん日記』様のウェブサイトが参考になります。
 ただし、2009年5月30日現在、なめとこ山への最短コースである北ノ又林道登山口に至る林道が土砂崩れで通行不能になっています。
 Pa0_0573 北ノ又林道の土砂崩れ現場(林道分岐から約1kmの地点・2009年5月30日筆者撮影)
 もう一つの登山ルートとして、なめとこ山東方に位置する金勢神社から稜線伝いになめとこ山を目指すルートが存在しますが、2009年5月30日現在、途中のピークおよび頂上直下周辺の笹藪がひどく、刈り払い跡を探すのも困難な程度に荒れています。山慣れた方(具体的には、年月が経過した刈り払い跡・踏み跡を見分ける事が出来ること)以外は、入山は控えた方が賢明です。
----------------------------------------------------

立ち寄り湯

近場には大沢温泉など、良い温泉場がいろいろあるのだが、やはり『なめとこ山の熊』にも登場する鉛温泉がおすすめ。

鉛温泉 藤三旅館(BGM付サイトなので注意)

Pa0_0566 ウェブサイトは立派だが、非常に静かな湯治場です。日帰り入浴料大人700円。
この入り口の「自炊部」という「部」がなにやら体育会系の雰囲気で私のツボにはまりますな。
湯治場なので、中には売店があり、湯治客のためにありとあらゆる生活用品が狭いスペースに並べられている。
時間が止まったような空間です。
肝心の温泉では、特におすすめなのが「白猿の湯」。
浴槽の深さ約130cmの立って入浴する浴槽。浮力が働くので、立って入浴しても楽です。この「白猿の湯」は基本的に混浴ですが、女性専用タイムが決められているので注意のこと。

|

« アリランの歌 | トップページ | 花巻市 石窯パン工房ミッシェル »

山岳ガイド日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21370/45180885

この記事へのトラックバック一覧です: なめとこ山を、知っていますか。:

« アリランの歌 | トップページ | 花巻市 石窯パン工房ミッシェル »