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アリランの歌

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弘前で土方仕事。
ビジネスホテルの窓からは夕日と岩木山が見える。

部屋の冷蔵庫もOFFにして、空き時間は沈黙の中で読書。

A ニム・ウェールズ(エドガー・スノーの妻)、キム・サン共著の『アリランの歌』を読了。

 韓流ブームが日韓関係を深めるとかいう頭腐ったメディア関係者の世迷い言は信用する気にならず、朝鮮近代史の本に取組中。
 並行して呉善花女史の『韓国併合への道』を読んだが、さらに中国革命運動下の朝鮮人活動家という複雑な状況下のドキュメンタリーに関心を持った。
 岩波文庫『アリランの歌』の解説は、トンデモ歴史本として名高い講談社現代新書『朝鮮史』の著者にして北朝鮮賛美者・梶村秀樹氏というのも左翼な岩波らしく香ばしくて愉快愉快。
 しかしまあ、共産主義活動家の青臭い言動を読むにつけ、中学生の頃読んだオストロフスキー『鋼鉄はいかに鍛えられたか』読後のような感覚が蘇る。

 私にとって、アリランの歌を「まともに」聞いたのはテレビでもラジオでもなく、幸いにして肉声である。

 韓国のグォンギョル登山学校で夜遅くまでしごかれ、閉店間際の芸術の街・仁寺洞(インサドン)をぶらつくのが私にとって癒しになっていた。
 観光案内所を兼ねた土産物に入ったとき、カウンターで店番をしていた若い女性が、中を物色していた私を意識する様子もなく、突然にアリランの歌を自身に聴かせるかのように、静かに歌い出したのだった。

 アマゾンの書評にもあるのだが、キム・サン(偽名、本名は張志楽)は日本の官憲から連行される途上、『インターナショナル』を聴かせてくれと言う依頼を断り、アリランを歌う。

 それから半世紀以上経つ。
 私は良い(または、ましな、と言い換えても良い)時代にアリランの歌を聴いたものである。

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