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【映画】Альпинист(Alpinist)

ロシア(旧ソ連)映画といえば私はタルコフスキーの作品くらいしか見たことありませんが、今、彼の地では「Альпинист」(Alpinist)という映画が公開されている模様。

В субботу, в 21.05 – фильм «Альпинист»

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ストーリー
主人公、マックス・パブロフは日々のルーチンワークには飽き飽きしているが、ヒマラヤやパミールで活躍するクライマー。恋人マリア、良き友人のレイを持ち、「死の壁」と呼ばれる困難な岩壁の登攀にも成功する。

そんな彼の人生が、ふとしたことから狂っていく。
誰も引き受けない危険な高所作業を請け負ったパブロフは、大衆の目前で墜落、下を流れる川に沈んでしまう。
彼の運命やいかに・・・

というわけで、テレビ映画の劇場版だそうです。

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左から主人公マックス・パブロフ(Andrew Chadov)、恋人マリア(Agniya Ditkovskite)、友人レイ(Denis Granchak)

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恋人と困難な岩壁の登攀にも成功・・・

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色男は仕事も彼女も順調の様子。

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そんな主人公を、悲劇が襲う・・・

ちなみにこの映画は山岳映画というカテゴライズではなく「メロドラマ」だそうです。(だってロシアの映画評論サイトにそう書いてあるもん)

撮影の裏話が掲載されているサイトもありまして・・・

Вместо актеров — скалолазы

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撮影の模様。風光明媚な観光地でロシアのクライマーが集う岩場があるクリミアで撮影中。

興味深いのは撮影スタッフのコメント。
「ジャッキー・チェンはスタント撮影を他人に委ねることはなかったが、(主演の)Andrew Chadovは岩場の取り付きから離陸することができなかった」
なんて暴露してます(笑)

いーじゃん、だれでも最初はそうなんだからさー。
クライマーって世界中どこでも性格悪そうだよね(笑)
でもロシア語でもクライミングで「離陸」って言うんですね。

マイナーなロシア映画ですから日本公開など望むべくもありませんが、ロシア人のクライミング観をかいま見るためにも、いっぺん見てみたいですね。

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ゴー・ミスンの言葉

今、韓国の月刊「山」に掲載されたゴー・ミスン一代記を読解中。

ロクスノ誌に掲載されたインタビュー以上に興味深い生前の姿が浮き彫りになっている記事、その中で印象に残った言葉。

『強いということは歯をくいしばってこらえるのでなく、どこでも笑うことができるということ』 ゴー・ミスン

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登山活動中、時間があれば刺繍で心を静めるゴー・ミスン。

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「農」の日々、終わる。

8月の間、通い続けていた某農場。
農作業も今日が最後。
いつものように収穫作業。
来月から始まる流浪の日々の準備のため、今日は早上がり。

昨日はパートの若いお姉様方3人と共同作業。
文字通りのマシンガントークで私の事をいろいろ聞かれる。
さりげなく育児の事に話をそらす。
考えてみれば、酒席でもなく同世代~若い世代の女性と育児や家庭の話をする機会も貴重なものだ。
せっかくの出会いでしたが、私の農場通いは本日でおしまい。

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農場に通い始めの頃はピンと立っていた稲穂も、今は頭を垂れていました。

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農場は某扇状地の末端、素晴らしい湧水のある所。
澄んだ水面に揺れる水草を見て、ああ私の人生も清く澄んだものにありたい・・・と思ふ。
実態はメコン河並に濁りきってるけど(笑)

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周囲は葛の花に彩られていました。
葛の花は初秋の季語。
『葛の葉の吹きしづまりて葛の花』正岡子規

夕方、元の職場に戻り、来週からの行程の打ち合わせ・資材準備、そして夜7時まで金属加工作業。
盛りだくさんの内容で、今日という日が終わる。

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イタリア隊、K7に新ルート「Children of Huse」開拓

まだイタリアメディアしか取り上げてないようですが。
あ、K7と聞いてピクッときた貴方、いわのぼりする方ですね。怖い怖い。

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K7, nuova via per Orlandi e Larcher by Montagna.tv8/26

イタリア・トレンティーノのfortissimo(強力な)チーム、 エリオ・オルランディ、ファビオ・レオニー、ロランド・ラーチェル、ミケーレ・カゴールらのパーティーがK7峰西面、ウエストピラーの垂壁1100mに新ルート開拓。9割をフリーで登攀。
ルート名は「Children of Huse」(フーシェの子供達)。
エリオ・オルランディのコメントによれば、山麓の最後の村で出会った子供達の微笑、そして非常に感銘を受けた人間の文化や宗教の多様性に心を動かされて命名。
なお、登攀活動中にリカルド・カシン氏の逝去を知り、氏のメモリアルルートでもあるとのこと。

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本当に、加齢によって体力は低下するのか?

コーチング・クリニック誌と、今は無きトライアスロン・ジャパン誌(以下、TJ誌と略)のバックナンバーを購入。
前者は最新のスポーツ理論を知るため時々読む。
TJ誌のバックナンバーを洗い直し、来年の目標(もちろん山)めざして生活から見直し中。

先日の北海道大量遭難でも論議されてきたが、TJ誌で目から鱗だった記事の話題。
「本当に、加齢によって体力は低下するのか?」

多くの人が中高年登山者に対し、加齢による「体力低下」を唱える。
しかし本当にそうなのか?
そんな疑問を私が抱くのは、トライアスロンの世界では40、50歳台から競技を始める方もおられるからだ。
それも、昔取った杵柄などというものではなく、中高年になってからのトレーニングで培った体力が勝っている場合が往々にしてみられるのだ。

「一般に信じられている「加齢により体力は低下する」といった見識の多くは、老若男女さまざまな年齢層を単純に横に並べて比較しただけの結果から知られていることに過ぎず、一個人が加齢していく中での変化を追跡したものではない」

という書き出しで始まる記事は、「体力の低下は生理的な現象である以上にライフスタイルや生活習慣に大きく依存する」「加齢よりも運動不足による体力低下の方が深刻」という海外の研究結果を紹介。

ふーん。
やっぱりトレーニングって重要なのね。

山の世界では、結構ご高名な登山家のセンセイも「山に行くのが一番のトレーニング」って発言してるけど、そのセリフ聞く度に「なんだかなあ」と思うのです。※

※これはトレッキング・ハイキングでの話ね。クライマーのみなさんはどうぞ好きなだけ山行ってがむばってね。

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『黒い稲妻』トニー・ザイラー氏逝去

日本、我が蔵王にもその名を残した名スキーヤー、トニー・ザイラー氏逝去。

トニー・ザイラーさん死去、アルペン初の3冠 by 読売新聞8/25

本県とゆかり深いザイラー氏が死去 蔵王スキー場の国際化に貢献 by 山形新聞8/25

トニー・ザイラー氏に関する私(の母)の思い出は・・・もうずいぶん前ですね、05年の当ブログに書きました。

うちのばーちゃん外人好き

拙文でも書きましたが、昭和35年という交通機関も道路事情も貧弱な時代、天童市の田舎の農村から若い女性がわざわざ蔵王スキー場に駆けつけるほどの魅力を持っていた人なんですね。
故人のご冥福をお祈り致します。

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パスポート更新

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期限にはまだ間があるのですが、早めにパスポート更新。

新パスポート受理とともに、古いパスポートを見直してみる。

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中国入国のスタンプも、昔に比べてだいぶ簡単になりましたね。
以前は1ページまるまる使ってビザのスタンプ・シールが貼られていたものですが。
ちなみに上記スタンプの中国渡航の際はエラい人の鞄持ちで、公安の護衛付きバスに乗り高速道路爆走、中国の小学校で子供達と運動会に興じるという、まず二度と巡ってこないだろうという思い出深い旅あいや、出張でした。

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ハンガリーのブダペストからオーストリア・ウィーンまで鉄道で移動・国境越えした際のスタンプ。
汽車のイラストが可愛らしい。

さて、今手にしている新しいパスポートで、私はどんな経験をするのでしょうか。

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都合良く造られる「神」と「悪魔」

以前当ブログで、無脳症で生まれた乳児の遺体を「カエルの生まれ変わり」として驚喜するネパールの民衆について、批判的に書きました。

人々に翻弄される「神」

似たような悲劇は、未だネパールで起こっているようです。

Nepalis flock to see 'baby god'  by BBCNEWS8/12
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/8197192.stm
(元記事には先天的な障害を持って生まれた乳児の画像が掲載されています。URLは掲載しますが、私の意志として容易にクリックして見られるようにはリンクさせていません。好んで見てみたいという奇特な方はどうぞ御勝手に)

「神の子」に群がるネパール人、と題された記事は、ネパールの寒村に住むジャヌカ・ギミレが出産した子供について取り上げています。
その子は先天的な障害「寄生性双子( parasitic twin)」として、通常の手足の他に、腹部に脚と手が付いた状態、すなわち4本の腕と4本の脚を持って産まれました。
そして夫妻に何が起こったか。

Ganesh 4本の腕を持つということで、ヒンズー教の神・ガネッシュの生まれ変わりとして沢山のヒンズー教徒が子供を見ようと各地から集まることになりました。その数およそ5000人。多いときには一日に100人ものヒンズー教徒が訪れ、崇拝し、お布施や衣類・食べ物を寄進したそうです。

その一方で、母であるジャヌカ・ギミレは恐れを抱いています。
「夫がいなければ、村人は私を魔女として殺したでしょうに」、と。
村人は迷信深く魔女の存在を信じている、とジャヌカ・ギミレは語っています。
折悪しくモンスーンの到来が遅れ、雨の時期がずれこんでいます。
農業に依存するネパールの村では死活問題。
現に地元のヒンズー僧侶は、雨が降らないのはその子供の呪いだとして、こう語ります。
「百姓はその子のために農業ができない。前世に対する神の呪いだ。」

父親はカトマンズの医療機関で治療を希望しましたが、医師は6ヶ月の診察期間が必要としました。
両親にとって、半年もカトマンズに滞在する余裕はありません。
治療には5万ドルが必要とみられています。

5万ドル。
世界最貧国のネパールの、しかも僻地の農民にとっては生涯年収を遙かに上回る数字です。
それ以前に、障害を持って産まれた子供が人の都合によって「神」にも「悪魔」にもなりうるという現実。

宗教の問題だ。
そう言われるとき、人はそこで思考停止になりがちですが、果たしてそれでいいのでしょうか。

私が仏教徒の家としてそうやって育てられたように、毎夏の盆の墓参りでは、寺に飾ってある「地獄絵図」(スプラッタ映画顔負けの、鬼が人間を切り刻んだりしている絵)を子供に見せ、「食べ物好き嫌いするとこうなるんだよ」と言って聞かせたりしてます。
それを「あなた、それは子供にトラウマを及ぼす虐待行為ですから即刻止めなさい」と言われれば、素直に従えるか自信ありません。
そして私自身、人の二倍も三倍も悩む性格なもんで、「宗教に走って救われたらどんなに楽だろ」と思う時があるのは認めましょう。

それでもなお思うのですが、人の都合で障害児を「神」「悪魔」に仕立て上げる行為が宗教の名の下に繰り広げられるのは許されるんでしょうか。
ネパールには「昔の日本がある」とか「子供達の目が輝いている」などと語る中高年トレッカーは多いですが、現地の人々の人生に深く影響を及ぼす宗教のあり方に、暗澹たる想いを抱かざるを得ません。

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【映画】モーターサイクルダイアリーズ

とある事でガイドの師匠からお叱りメール。

悪いのは私なんですよ。
ええ、ええ、そうなんですよ。
いい歳なんだし、いつまでも落ち込むのはね・・・

と、思いつつ、あれ?
身体が重い。
パソコンも開く気しない。

檄鬱だ~

こういう時は気分転換が大事って心療内科の先生も言ってたな。
というわけで

Nori3 現実逃避。

Nori げんじつとうひ。

Nori2 げ・ん・じ・つ・と・う・ひ。

私の現実逃避はお薬でなく映画館。
映画館で一日限定公開の『モーターサイクルダイアリーズ』(2004年日本公開済)を観る。

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若き日のチェ・ゲバラとその友人による、オートバイによる南米縦断旅行を描いたロードムービー。
ちなみに私はロードムービーなるものが好きではない。
なぜなら、実際の旅の方が波乱に満ちていてフィクションに勝るからだ。
この映画に興味をそそられた理由は、ゲバラの若き日を描いた映画、ということにつきる。

めんどくさいので結論から書く。
この映画はいい!
旅する人間にも共感を呼ぶ映画であった!

題名とは裏腹に、ポンコツオートバイは物語半ばに早々に壊れてしまい姿を消す。
その前に主人公が旅の真骨頂を示唆する台詞を吐いている。

「歩く旅の方が人々に出会える」

アタカマ砂漠で一組の夫婦と出会う。
その夫婦は共産主義者として土地を追われ、働き口を求めてチュキカマタ鉱山(なつかしー、高校の地理で覚えたよ)を目指している。
妻から旅の目的を問われ、くちごもる主人公たち。

そうそう、海外をチャリで走ったり、遠征登山のキャラバンで長旅していると、思ったもんだよね。
懸命に働いている人々を見て、「俺って今、何してるんだろう」って。
私としてはこのアタカマ砂漠での出会いの場面が一番印象に残りました。
もちろん、若き日のゲバラにも大きな影響を与えます。

結構おどろきなのは、主人公演じるガエル・ガルシア・ベルナルの印象が、最初はただの優男だったのがストーリーが進むにつれゲバラ本人に似てくること。

やはり実話を元にしたストーリーの強みなんだろうけど、ロードムービーも悪くないね。
史実ではゲバラは悲劇的な最期を遂げるわけですが、この映画には人生の輝きというものがありました。

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ピエール・マゾー氏、80歳。

中高年のアルパインクライマーの皆様には聞き覚えのあろう、あのピエール・マゾー氏。
8月20日が誕生日で今年80歳でございます。

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07年にも当ブログで取り上げましたが、ピエール・マゾー氏の名前でフランスのサイトを検索すると圧倒的に政治関連の記事が多いです。
「フレネイの悲劇」でボナッティと共に生還したピエール・マゾー氏、フランス人初のエベレストサミッターとなった後は政界入り、政治家・法律家として活躍。市長、スポーツ大臣から憲法院院長まで務めました。
日本語のウェブサイトを検索しても、フランス関連の法律・政治学の論文に名前が散見されます。
おそらく、日本の法律学者・政治学者の方々にはマゾー氏が一流の登山家とは知らない方が多いことでしょう。

ボナッティ氏もマゾー氏も、アルピニズムの黄金時代(あ、鉄の時代でしたっけ?ま、鉄でも金でも、私にとっては輝かしく眩しすぎる時代ですが)を築き上げた人々が高齢の域に達していますなあ。
どうぞいつまでもお元気で。

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静寂の鳥原小屋へ2009

一昨年、昨年に引き続き、朝日連峰・鳥原小屋を訪問。
目的はもちろん、小屋番の鈴木正典氏との面会である。

昨年の記録
朝日連峰 静寂の鳥原小屋へ
一昨年の記録
静寂の朝日連峰 -ぶな峠から鳥原山をめざす-

登山道の踏査も兼ね、ルートは年毎に変えている。今年は白滝登山口から。
当ブログの読者の大多数を占める関東在住の皆様に御説明申し上げますと、古寺登山口からの比較的緩やかな登山ルートと異なり白滝登山口コースは、

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「やまのぼり」をたっぷり体感できるコースでございます。(ジグザグっぷりにご注目。)

登山口からすぐ蒸し暑い樹林帯に突入。
シャツは汗に濡れ、袖から汗が滴となってしたたり落ちる。

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真夏の樹林帯でハッとさせられる「青」。
すみませんが筆者は焼き鳥の種類しかわかりませぬ。

登山口(白滝林道の最終地点)からちょうど1時間30分で鳥原小屋到着。
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彼方に朝日連峰の稜線、手前の森の中に鳥原小屋というメルヘンチックな風景。

小屋に近づくと、小屋下トイレ・水場の方から
「はい、おつかれさーん」と声をかけられる。
神社に参拝してから声の主に顔を合わせる。小屋番の鈴木さんだ。
一年ぶりの再開にお互い笑顔で挨拶。
早速、小屋の中で休憩させてもらう。
盛夏に訪れても、この小屋の中はとても涼しい。
ホットコーヒーを飲みながら鈴木さんと会話を楽しむ。

今年の話題はなんといってもツアー登山。
鈴木さんもアミューズ社のツアーには関わっており、ツアー登山全般についてお互いの経験をもとに討論。(山岳ガイド嫌いなどっかの遭難専門ブログや、当ブログより非人道的な台詞が飛び出す某大型掲示板に燃料投下したくないので、議論の内容はひ・み・つ)
話題は変わり、鈴木さんの奥様も私と同じ白滝コースから小屋に向かっているという。
しばらくして、鈴木さんの奥様が小屋に到着。初めてお会いするが、とてもチャーミングな素敵な奥様でした。
そういえば、鈴木さんとは目茶目茶マニアックなヒマラヤ登山の話はしても、女性の話をしたことは全く無い。
さぞ素敵な出会いがあったんだろうなあ・・・と一人妄想する。
奥様もあちこち出かけられている山屋ではあるが、月山はまだ登っていないという。
森敦の『月山』に影響を受け、月山は「とっておき」の山にしてあるそうな。
普段「午前中に月山登って午後から買い物かぁ~」などと軽く考えている自分の姿勢をちょっぴり反省。

朝日連峰・大朝日岳は相変わらずの大人気。
昨日は盆休みということもあり、大朝日小屋に200人近くが宿泊したらしい。
避難小屋たる大朝日小屋にはそんな大人数は収容できないため、小屋備え付けのテントを張り、非常的措置として小屋前に幕営となるパーティーもいたらしい。
大朝日岳にこだわらなければ朝日連峰も静かな山行を楽しめるのだが、やはり遠方から来られる方々にとっては外せないピークなのだろう。
「それに比べて・・」
と毎年ではあるが、鳥原小屋の訪問者数の少なさを鈴木さんは嘆いておられた。
でも私にとっては、この静かで綺麗な鳥原小屋が落ち着くし、それが魅力でもある。

他のパーティーが鳥原小屋にやってきた。
相変わらずテキパキとした鈴木さんの対応。
登山者のストックを集め、紐でまとめる。
出発時にスムーズにいくように、そして他パーティーと混同しないようにとの気遣いである。
その他、鈴木さんのホスピタリティは毎度のことながら参考になる。
「最近は小屋を訪問するどころか、素通りしていくパーティーも多いよ。本来、山やっている人間って、好奇心が強いもんだと思うんだけどなあ」
鈴木さんの一言に、最近の自分の登山に対する姿勢を反省。

あっという間の2時間が過ぎ、鈴木さんと素敵な奥様に挨拶して下山。

日本全国、朝日連峰にあこがれの登山者の皆様。
朝日連峰を訪れるのは今度が2度目というリピーターの皆様。
ぜひぜひプランに鳥原小屋泊をお取り入れください。
静かな朝日連峰が楽しめますよ。

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鳥原小屋付近の湿原にて。
空には鱗雲とたくさんのトンボ。
登山道には力尽きた蝉の死骸。
暑い中にも、朝日連峰には秋の気配が漂っておりました。

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本日の行動食は、
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山形市のシェ・ミオの焼き菓子。ナッツクッキー、チョコフィナンシェ、カフェステックケーキ。
蒸し暑い夏の樹林帯もチョコパワーで突破でござりまする。

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お盆

お盆です。
独身の頃は
「明日からタイの少数民族に会いに行く。じゃ。」
と家族に言い捨てて成田に向かったりしてましたが。
家庭を持ってからは山行も控え、親戚まわりです。
私の実家の墓参りを終えた翌日は、カミさん実家へ。

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山形の郷土料理、棒鱈煮。
親戚の家を廻る際、いろんな棒鱈煮や漬け物が楽しみなわけですが、カミさん実家の棒鱈はじっくり煮こまれて、骨も柔らかくなってました。農家らしく、玄関には死者の霊を迎える草鞋も置いてありました。

カミさん実家の墓がある寺は、歌人・斉藤茂吉の生家の隣。(茂吉の墓もこの寺にあります)
寺のトイレの窓から見える風景に、ふと思う。
この寺からは、村山葉山は見事に見えるのだが、月山は緩やかな丘陵に遮られて見えない。
この丘陵は東方に位置する三吉葉山の火山由来か、西方に位置する白鷹山火山由来か、地元の地質研究会「山形応用地質研究会」の巡検で研究者同士かなり議論になっていた記憶がある。
いずれにせよ、仮にこの丘陵が存在せず、月山の眺めが良ければ、茂吉の短歌・日本の詩歌も少し変わっていたかも。

もちろん、茂吉は月山についても素晴らしい歌を幾つか遺している。

『けむりあげて雪の解けゐる月山をひたに急げり日は傾くに』

気温差で白い水蒸気をあげる雪渓、そんな風景を眺めながら真夏の月山を登った方も多かろう。
近郷近在の久々が寺に集まり始める頃、私たちは寺を後にした。

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ブログ更新も、

Pa0_0756 盆休みです。

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インドはとっても景気がいいらしい。

日本全国勤労登山者の皆様。
盆の期間とはいえ、この不景気に休暇のやりくりにはご苦労なさっていることとご推察申し上げます。
いまどき、インドのあの会社はヒマラヤ登山隊を出すそうで。

Tata Steel team to set out for mountaineering expedition by Indopia8/11
以下記事引用開始
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ジャムシェドプール発8月11日伝

 タタ製鉄会社は5名の女性を含む19名の登山隊をジャンム・カシミールのレー地域にあるストック・カンリ(20350フィート)に派遣します。
 登山隊はインド女性初のエベレスト登頂者バチェンドリ・パルに率いられます。彼女はタタ製鉄アドベンチャー財団のチーフを務めています。
 登山隊はジャムシェドプールを発ち、明日デリーに向かう予定、と隊の技術顧問(ラジェンドラ・シン・パルl)は語りました。
 隊はタタ製鉄会社の様々な部門から集まった13人の従業員から成っています。
(後略)
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以上引用おわり

いやあ、自動車産業で有名なあのタタグループの製鉄会社が派遣する登山隊でそうです。
日本にも職域山岳会なんて存在しますが、この未曾有の不景気でどーなっちゃってるんでしょう。
その割には、経営者っぽい人が結構ツアー登山やら海外公募登山に行ってるみたいですけどね。
末端の労働者は休みとるのにもヒーコラしてるんですけどね。
私も労山に入会して日共を応援しようかな(棒読み)

ちなみに上記のストックカンリ隊は8月20日に登山開始、8月24日には登頂予定だそうです。
インドも日本も勤労登山者の皆様、無理せず安全に登山を楽しまれることをお祈りしております。

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いにしえの人工壁。

ロシアの某クライミングサイトに掲載されていた画像です。

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石積みで構成された人工壁。

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裏側の様子。鉄骨で補強されています。

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もちろんリードクライミングも可能。

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人工壁近景。石を積み上げ、セメントで固めた様子がよくわかります。

この人工壁が建設されたのは1987年。
人工壁としては初期のものですね。
場所はロシアの古都スモレンスクの南東、デスノゴルスク(Desnogorsk)という街です。
このデスノゴルスク、1974年から原子力発電所の開発で栄えた街ですが、かのチェルノブイリ原発事故(1986年)で開発がストップ。街全体に失業者があふれ(当時のソビエト体制でも失業ってあったんですね)不景気のどん底、治安は悪化。
そこで青少年育成のため当時の政府がスポーツを奨励、その一環として建設されたのがこの石積み人工壁なのだそうです。

日本でも人工壁が盛んになる以前は、石垣登りに精を出したクライマーの方は少なくないかと思います。(私も学生時代に「常盤橋」なんて石垣にOBから誘われました)
考えることは誰しも似たようなものになるのでしょう。
その石積み人工壁設立の陰に、原発開発とその挫折が関わっているとは、ロシア(旧ソ連)らしい事情が伺えます。

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北日本海外登山研究会 K2登山隊の健闘を讃える

東北6県+新潟のメンバーで構成された「北日本海外登山研究会」によるK2登山隊が8月4日、退却・下山を決定いたしました。

北日本海外登山研究会主催:「2009年 K2登山隊」ホームページ

ボトルネック下の深雪、止まぬジェッストリームに阻まれた模様。
登山隊関係者の皆様のご健闘を、尊敬の念をもって賞賛いたします。

関東・関西の大都会と異なり、イナカの東北では数ヶ月仕事を休んで遠征登山に赴くということがどれだけ困難なことか、岩雪やらロクソノやらで上っ面だけ池田常道氏の価値観に洗脳された都会のクライマーには想像もつかないことでしょう。
 たまに「今更酸素吸って」とか「今更固定ロープたどって」とか噛みつくバカクライマーがいますが、そのような日本社会の構造を理解できないクルクルパーは、かあちゃんのオッパイでも吸って寝ていて下さい。

隊長の保坂氏はHAJの重鎮であり、あることがきっかけで私にとって尊敬する岳人。
隊の通信文において、
『隊長の私自身隊務遂行のためBCで居べきでないか?』(原文ママ)
という言葉は、「気遣いの人」たる氏の人となりを表している一文でした。

秋田の児玉氏は、遠征登山を巡る会社との関係について、私も相談(というか一方的に悩みを打ち明けた)したこともある方ですが、退却の判断には、氏らしい人柄が滲み出ていると推察いたします。

隊員皆様の無事帰国を、心よりお祈り致します。

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ザックとウェアを新調しました。その2

先日はザック購入について書きましたので、本日はウェアです。

先の記事で書いたように、ガイド山行時の勝負服・・・というか、無雪期は師匠から譲ってもらったホグロフスのアンダーウェアを愛用していました。
アンダーウェアなんですけど、とても着心地が良くて汗の排出・保温も良く、その上極薄なので長らく愛用しておりました。
で、今回新規に購入したのは、

Fmw0301sg
ファイントラック社の ドラウトベントTMジップロングポロ です。

購入に際してはザックと異なり、各社のカタログを読んで決めました。
ファイントラック社のカタログは丁寧に解説が掲載されており、買う気になった次第です。

既にプライベート山行と先日の自然の家行事で使用しています。
特徴として、脇の下にベンチレーターのジッパーがあります。
もちろん山に登ればそんなの関係なく汗まみれになり、しかも私は人一倍汗っかき。
ウェアの生地が二重になっており、ベタつかず快適でした。
ただ、こういう汗の排出性が良好な衣類では注意が必要なのですが、保温性はどうなのか、まだこのウェアで風雨に曝されてないので現段階ではわかりません。

さて、先日のザックに続きウェアのインプレッション記事を書いてみました。
私のブログを長らく読んで下さった方はお気づきかと思いますが、私はあまり自分が使っている登山用品の記事を書きません。
 今回購入した品について書いたのは気まぐれ(笑)です。

 以前、愛用しているマウンテンハードウェア社のサブザックについて書いたところ、結構反響が大きく、アクセス解析を調べても現在もなおそのザック名で当ブログを訪問される方がいらっしゃるようです。
 自分が書いた記事を参考にしてくださるのは書き手としては大変嬉しいのですが、その一方で複雑な思いを抱いています。
 その登山者の方にとって、登山用品を選択する楽しみを減らしているのではないか・・・と。

 先日書いた記事の、「カッコいいから」ザックを選んだ、という書き方は、もっと自由に自分の好みで登山用品選びましょうよ、という私の願いを込めています。
 過去、当ブログで登山靴に関しては登山用品店のプロの助言を参考にしましょう、とは何度も書きました。
 しかし同じ登山用品でも、自分の好みを(その人の経験に応じて)反映できる道具があると思うのです。 

 「今度○○岳に行くから登山用品一式選んで」という中高年の方がいる、とは関係者から実際に聞く話です。
 嗚呼、なんてもったいない。
 その人は「(山の)経験を積むに伴って、登山用品を選ぶ」という楽しみを一つ失っている、と私は思います。

 慎重に慎重に、カタログをいくつも読んで選んだ用具が結局気に入らなかった。
 人からもらったり、バーゲンでたまたま入手した用具がもう手放せないほど愛用品になった。
 登山用品とのいろんな出会い・つきあいも山の楽しみの一つだと思います。
 それは人間関係とも、よく似ていますよね。

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『農』の日々。

Pa0_0746 昨日の空。

Pa0_0755 本日の空。

気象庁もサジ投げて東北の梅雨明け宣言放棄。
私の会社員人生のようにどんよりとした空が続いておりますです。

今月は諸般の事情で、山形県内のとある農場で働いてます。
(あ、会社はまだクビになってません。社員の身分のまま派遣みたいな形です)
私の所属する部署で現場仕事が入ると、そちらにかり出されます。
有事には本来の仕事。
それまでは農作業。

まさに 平 成 の 屯 田 兵 状態。

本日は収穫物を出荷できるよう、綺麗に整える細かい作業。
パートの若い女性と対面で作業。
どうやら私が山やっているという情報を吹き込まれているらしく、色々聞かれる。
その女性、幾度か月山でボードでバックカントリーの経験があるという。
月山でBCのツアーを開催しているといえば、ガイドは限られる。
よくよく聞けば、IDEHAさんのクライアントでした。
さらに、彼女の友人は今年富士山に登りたいと張り切っているという。
ある業界関係者から富士山ブームは関東近辺ぐらいだよと聞かされていたが、やはり全国的にも富士登山ブームなのか・・・と思う。(山形県内でも富士に登りたい、という声は時折聞く。)

農作業の合間、隣の水田に目をやると、様々な植物が楽しませてくれます。

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キツネノボタン。
ボタンというよりは、映画『KILL BILL』で栗山千明が振り回していたアヤしい武器に似ていますな。

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名前不明。
ぽつんと水田脇に美しく咲いてました。

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香りからして、ハッカの一種。

以前、各県の特徴を取り上げる楽しいバラエティTV番組で、世界一のハッカ産出地として北海道の北見が取り上げられていましたが、そもそもはかつてハッカ産出日本一を誇った山形県から持ち込まれたものです。(明治時代の話)

その昔、山形ではハッカが大量に生産され、ハッカ脳(ハッカの固形物)として出荷されていました。
同時に大きな役割を果たしたのが、「木地師」が作るハッカ容器。
根拠となる資料名を思い出せないのですが、以前読んだ郷土資料の写真には、今現在のコショウ入れのような形の容器が掲載されておりました。
木地師が作るものといえば椀物のイメージを抱く方がほとんどだと思いますが、こんなものも作っていたのだなあと印象に残っておりました。
山形のハッカはその後、合成香料の発達で廃れていきました。

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稲の花も咲き始め。
天候不順と言われる今夏ですが、良い実りになりますように。

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韓国登山界の『ニューウェーブ』

ま、登山界なんてのはどこでも似たようなもので。

記録・競争を目指さぬ新世代登山家 by ハンギョレ新聞8/3
以下記事引用開始
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記録・競争を目指さぬ新世代登山家
新ルート、シェルパレス、最少の装備で‘8000m峰のスター登山家にだけ支援’が変わってこそ

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登山家キム・チャンホ(40)氏が去る4月ヒマラヤ マナスル峰(8163m)無酸素登山途上、頂上付近で休憩中(キム・チャンホ氏提供)

 先月23日、登山家キム・セジュン(40)氏はヒマラヤ山脈パキスタン側にそびえるラトック1峰(7145m)を登るため、22日間の偵察山行を終えて帰国した。
 ラトック1峰は1978年から、日本のヤマノイヤスシ、アメリカのジェフ・ロウら世界的登山家が登ろうとしたが皆失敗した難ルートだ。
 キム氏は前人未踏のこの山を登ろうと2年かけて準備中だ。

‘他の人々から認められなくても…’
 キム氏は他の人々が登ったことがない新ルートを開拓する登山家だ。 我が国では無名だが、海外では名高い。インドヒマラヤ・メルー峰(6600m)北壁。落石・雪崩も多くて登られていないルートだ。キム氏は昨年シェルパレスで最小限の装備を利用して、55日間かけてこの山に登った。
 キム氏がメルー峰登頂に成功したという情報は米国「クライミング」、フランス「モンターニュ」等、世界的に権威ある山岳雑誌に紹介された。登山家として快挙である。だがキム氏の成功は国内メディアでは全く紹介されなかった。

 登山家モ・サンヒョン(35)氏も‘アルピニズム’を追求する登山家だ。 彼は先月一ヶ月間、スイス・シャモニー地域のアルプスに行ってきた。 アルプスには高さ1000~4000mの山脈が数千ヶある。モ氏が行ってきたところは‘シャルドネ-ウィノスパー(渓谷)’などだ。 こちらは高さは4000mに過ぎないが、氷壁と岩壁だけでも1000mを越えるビッグウォールが多い。ビッグウォールは歩いて登るのでなく壁を登らなければならないから、主にロープを使い数多くの技術が必要とされ、また危険だ。モ氏は“1000mを越える岩壁を登り、楽しむだけでなく技術と応用力も学んで新ルートを開拓する真の意味の単独登山をしたい”と話した。

去る4月ヒマラヤ・マナスル峰(8163m)を登った登山家キム・チャンホ(40)氏もシェルパはもちろん同行者もなしで単独登攀を楽しむ。2006年にはヒマラヤ山脈ガッシャブルム2峰(8035m)を一人ザックを担ぎ18時間20分で登った。

 国内山岳界の付和雷同の現象、これら‘新世代’登山家らの新しい挑戦と違い、国内の山岳界では相変らず‘8000m以上’の山に登ってこそ名声を得て財政的支援を受けることができる。オム・ホンギル、パク・ヨンソク氏など国内最初に8000m以上の高さの‘ヒマラヤ14座登頂’を果たしたスター登山家らだけに登山用品メーカー等の後援・支援金も集まる。
 こうなっては8000m峰ではなくても他の人々が登らない新ルート、または新しい方法で登攀しようとする若い登山家らは支援を受けることができず、自費をはたいて山に登る。ヒマラヤ登攀には1人当り2000万ウォン(訳者注:日本円で約160万円)がかかり、5~6人でチームを作れば少なくともチーム当たり1億ウォン余りが必要だ。
  実際、キム・セジュン氏はメルー峰に登る際には10年間毎月8万ウォンずつ積み立てた終身保険を解約しなければならなかった。
 2007年韓国人として最初にヒマラヤ・ローツェシャール峰(8400m)を登ったある若い登山家は、
「支援がいくつかのスター登山家らだけに注がれ、若い登山家らが新しい形式の登山をすることはできない。先輩登山家らの方式を否定するのでなく、もう物量主義・成果主義方式ではない他の種類の登攀方式が必要だ」
 と語った。

 登攀の多様性が必要とも指摘されている。ビッグウォール登攀、山頂まで歩いてスキーで降りてくる‘テレマークスキー’、自然壁の登攀技術を習得するのに必要な人工壁登攀(スポーツクライミング)等、外国では多様な登攀方式が活性化している。
 ヒマラヤ遠征隊長をした重鎮登山家イ・某(43)氏は
 「国内メディアはスター作りに、登山用品業者は広告効果に汲々としていたのが現実」としながら、「国内の山岳界は画一的な山岳文化」と指摘した。

パク・スジン記者
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当ブログの読者の皆様で、登山に詳しい賢明な方なら、日本、韓国のみならず欧米どこでも、メディアはタイトルのみを重視した登山、スターを作りたがる傾向があることはご存じでしょう。

 日本でも「ウインタークライマースミーティング」に集うような真の実力者はあまりメディアに取り上げられませんが、私は韓国は「登山大国」と認識していただけに玄人向けの登攀も大衆に評価されていると思っていましたが、日本とほぼ同じような状況とは予想外でした。

 誤解していただきたくありませんが、日本のどっかのゴミ拾い屋のようにたいした内容の登山をしていなくても多くのスポンサーを集めるのは、やはり「プロ」としての実力です。

 「8000m14座」や「最高齢」「最年少」というタイトルは「数」として理解されやすく、非常に大衆受けしやすいものです。
 真に困難な登攀者の行為が理解されるためには、当事者の努力が必要とされるのも、また現実でしょう。
 先日亡くなった原真氏の「登山家として生きるための、戦術ではなく戦略を磨け」という意味の言葉はけだし名言ですね。

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【速報】リカルド・カシン氏逝去

3652_2 まだ英語圏メディアは報じていないようですが、多数のイタリアメディアが報じています。

 偉大なアルピニスト (そもそもアルピニストとはどっかのゴミ拾い屋ではなく、このような方に用いられるべき言葉ではないか?)、イタリアのリカルド・カシン氏が8月6日、亡くなりました。享年100歳。
 その業績はここでつらつら挙げるつもりはありません。
 若い方でカシンって誰?という方はご自身で図書館に赴いて調べて下さい。

 Ciao Riccardo Cassin by Planetmountain8/7

 日本のオールドクライマー(失礼)のカシンのイメージといえば、グランドジョラス北壁の初登ですかね。中高年といわれる年齢でカシンリッジやヒリシャンカ登った人生に私は大きく惹かれます。
 上記プラネットマウンテンの記事に寄れば、カシンリッジ初登の際にはあのケネディ大統領から祝電もらったとか。いやあスケールが違うぜカシン爺さんは。

 あらためて、偉大なる先達のご冥福をお祈り致します。

3653 グランドジョラス北壁初登時のカシン、エスポジット、チゾニ

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月山で一番熱い夏2009

山形県朝日少年自然の家チャレンジキャンプ(夏季長期キャンプ)の月山登山をガイド。
子供達29名、スタッフ12名を引率。

例年は登山の前日から参加なのだが、今年は前夜にキャンプ入り。
子供達の一日の振り返り時間『きらりタイム』に間に合うよう月山に入る。
登山当日にいきなり子供達と対面するのではなく、前日から子供達の様子を確認し、夜のミーティングで班付きサポーター(ボランティアスタッフ)から子供達の個性・特徴を聞く。それを安全管理に繋げるのが私のやり方だ。

自然の家の活動に関わり始めた当初は、ザックにスイカを忍ばせて大朝日岳に登ったりしていたが、今はそのような無意味なパフォーマンスはしない。安全管理が私に求められている役割であり、それに集中することが全てである。

志津キャンプ場に設営されたキャンプ村で自然の家の先生・サポーターの皆さんに挨拶。
空き時間を利用して、日本キャンプ協会の石井氏に相談事。
参加者名簿を見ると各班に中学生、小学6年生がいる。登山中、班付きサポーターを補助するため、「年長者は年下の者を面倒見ること」と強調してよいものか。それは年長の子供に逆にプレッシャーを与えたりしないだろうか?と、石井氏に相談。
参加者に不登校の子がいること、やはりチャレンジキャンプの目標に掲げられている「みんなでチームとして力を合わせる」ということに主眼を置いたほうがいいのではないか、という回答をいただく。
夜は車内に寝袋を広げ、携帯とラジオで気象情報収集に専念。
東北はいまだ梅雨明けせず。

翌日。
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月山登山当日の朝食。
コラ!
パンの耳残すでないぞ!

みんなと朝食を共にした後、私は別行動で先に月山姥沢口に移動。
ここで参加者、そして登山講師として招かれている山形県自然博物園の横山館長と合流。
登山口で『大滝さんから登山の注意を聞く』という時間があり、ここで登山時の注意を子供達に話す。

そして、月山登頂。
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半袖では涼しすぎる、月山の頂上。
みんなで昼ご飯。

月山から牛首経由の下りは急坂が続く。
計画されているよりも、早め・間隔を短く休憩を取る。
リフト乗り場に向かう最後の上り坂はどうなることかと思ったが、木道では子供達のおしゃべりがにぎやか。この調子なら大丈夫だろう。
リフト目前で「温泉で頭がいっぱいかもしれないけど、岩がごつごつしているから転ばないでね!」と締めておく。

月山のリフト乗り場には沢水を導水した水飲み場がある。
帰路、多くの子供達が水飲み場に群がった。
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月山の沢水に群がる子供達。

リフト駅から自然の家所バスが待つ駐車場までの間、「僕、タッキー(私のキャンプネーム)と歩く!」と一人の男の子がなついてついてきた。
さきほどの水飲み場で冷たい水を詰めたペットボトルを私に見せ、
「これ、持って帰るんだ!」と嬉しそう。
「ジュースよりうまいだろ!?」と私。
水のおいしさ。
それをわかってもらえるだけでも、子供達には山に登ってもらう意味がある。

今年も反省点の多いガイディングだった。
自然博物園の横山さんからはペース配分を評価していただく。
私のブナ林ガイドの先生であり、ガイドを志した当時、「日本の山、月山に山岳ガイドって必要だろうか?」と自然博物園の事務室で横山さんから議論を問いかけられたものだった。
そして今、その横山さんからガイドとして認めてもらえたことは私にとって大きな喜びだ。

登山後は西川町・水沢温泉にてみんなで汗を流してキャンプ場に戻る。
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留守番のスタッフが用意してくれた夕食。
豚汁と混ぜご飯。

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大鍋一杯の豚汁も、月山帰りの子供達の食欲にこうなりました。

当初の予定では、夜の『きらりタイム』で子供達の月山登山の感想を聞くまで滞在する予定だったが、携帯に電話が入る。
リストラ寸前社員のはずの私、明日は急遽遠方の現場作業に出ることになった。
予定を切り上げ、子供達と先生・サポーターの皆さんに挨拶しキャンプ場を離れる。
こうして今年の「月山で一番熱い夏」は終わりです。

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月山・志津の某所にて。
ヤマブドウが実りの秋を待っていました。

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ザックとウェアを新調しました。その1

夏のボーナスをカミさんに相談無く

D0104052_1442092 持 ち 逃 げ し て

ザックとウェアを新調。

今回の買い物には前振りがありまして・・・

左翼カルト企業・日本バカゴニアのマークをご自身のサイトに掲載しているガイドのセンセイ方と違い、私はどこからもスポンサーなど受けていない、末端の兼業ガイドであります。
家庭に育児に出費がかさむわけで、山道具購入の費用捻出には苦労しておりますです。
山のウェアなんかは古物商の免許を持つなじみの登山用品店の古着コーナーで買ったモンベルやノースのウェアを使ってます。(シャツなんかは一着500~1000円くらいなのでめちゃめちゃリーズナブル。)

だいぶ前は遠征登山の使い古しザックやよれよれラガーシャツなんか使っていたんですが、ある時ガイドの師匠から
「ガイドは身なり・身だしなみが大事だよ。」
と注意されると同時に、師匠から中古のザックとウェア一式を譲ってもらったのでありました。
ガイド山行時の「勝負」ザック、ウェアは長らく師匠のお下がりを使用していたのですが、もう長いこと使っているし、ヨレヨレになるまで使うのも師匠の想いに反することだろうし、師匠から卒業とは言いませんが脱皮くらいしなくちゃ!
と考え、師匠譲りのザックとウェアを換えることにしました。

そして今回購入したのは、
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バーグハウスのアリートプロ45

え?
どうしてこのザック選んだかって?
そりゃあもちろん、

赤 く て カ ッ コ い い か ら だ っ ! ! (断言)

山の道具なんて、カッコいいことが優先っすよ!
え?
機能性?
用途?
そんなの、

全 然 考 え て ま せ ー ん ! ! (断言)

登山用品店の店長・誉田さんからは「掘り出し物あったんだけどな・・・ちょっと待ってろ」と、色んなザックを店の奥から引っ張りだしてもらっていたのですが、アリートプロは最初に目についたときからの一目惚れでした。(誉田さんお手数かけてごめんなさい)

だいたいスペックとかカタログみたってしょうがねえだろっ!
男なら山の道具なんぞ一目惚れだよ一目惚れっ!
(あ、独身山屋の皆さん、嫁とか旦那は慎重に選んでね)

山岳ライターの柏澄子さんはブログに『ここ数年ずっと、35-40リットルのザックについて悩まされている』と書いておられましたが、すごい真面目な方なんだろうな・・・。

とはいえ、私もちょっとザックを選ぶ基準はありました。

シンプルなデザインであること(ヘルメット用メッシュポケットだのサイドにパッドがついてるやつだのは不可)
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アリートプロ45は背面に複雑なアジャストシステムも無く、ショルダーベルトも薄肉で気に入りました。

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ザックサイドのポケットがしっかりしていること。
ストックやポール、ゾンデ、アックスを入れたりなど、結構ラフに使います。
誉田さんから勧められたマックパックも良かったのですが、ここがメッシュポケットになっており私にとっては不可でした。(藪で引っかかりやすいこともある)

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ウエストベルトのパッドも不必要に厚くなく、ギアラックがついていること。
このギアラック、残雪のある東北の山でピッケルを多用する際、ここにピッケル差し込んだりするので重宝するんです。

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これは購入してから気が付いたのですが、チェストベルトのバックルがホイッスルを兼ねています。

でも購入した本音の理由は・・・
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赤 く て カ ッ コ い い か ら だ っ ! ! (しつこい)

長くなったので、ウェアに関しては次の記事にて。

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月山の8月

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ちょっと倦怠期かなーという御夫婦の皆様、


                                                                     


                                                                                                                   

             

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二輪寄り添ったハクサンイチゲが、月山でお待ちしております。

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静かな月山、静かな休日

本日は夕方から会社の宿直当番。
早めに家を出て、登山者で賑わう前の月山をめざす。
いつものようにリフト裏の迂回路から登る。

早朝の登山道。
朝露に濡れた草木独特の、湿った匂い。
ああ、夏山なんだ、とあらためて思う。

下界ではどんより雲に覆われていた月山だが、山上は爽快な雲海が広がっていた。
頂上直下には白い点の行列が見える。
山岳信仰、「講」の人たちだ。
まだリフトは動いていないので、頂上小屋から降りてきたのだろう。
もう幾度と無く目にしている光景だが、遠くから眺める「講」の行列は、月山の雰囲気を厳粛なものにしている。
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エゾシオガマが、しっとりと咲いておりました。

山の天気は変わりやすい。
まもなく山全体がガスに覆われ、視界不良となる。
10時前には下山、急ぎ山形県朝日少年自然の家に直行。
今週控えている月山登山に関する詳細計画書をいただき、所長、担当係長、自然の家関係者に挨拶。
詳細計画書には行程だけでなく、雨天時の対応、自然の家独自の緊急連絡網が記されている。
何より知りたいのが、参加する子供達各個人の体調情報(便秘・生理・朝の寝起き・アレルギー等々)である。
今年も、月山で熱い夏がやってくる。

自然の家からまっすぐ帰宅。
カミさんは葡萄の収穫手伝いのため実家へ。子供達は私の実家へ。
静かな自宅で一人、洗濯と食器洗い、もろもろの雑用。
本日の月山の行動食は家に置き忘れた(笑)ので、自宅でコーヒータイム。
今回は、
Pa0_0716天童市の「ボンむらやま菓子工房泉町店」の、

Pa0_0719左からナッツクッキー、水大福。フィナンシェカフェで、自宅で一人ゆっくりコーヒーです。
フィナンシェカフェは泉町店オリジナル。
ボンむらやま泉町店はスフレやオリジナルチョコの種類が沢山。チョコは「夢」とか「旅立ち」とか、風味毎に名前が付けられている。
子供のおもちゃ箱のように沢山の和洋菓子が置いてあるので、また行こうと思います。

Pa0_0715ボンむらやま泉町店の庭先にて。
桑の実がたくさん実っていて、良い香りがしておりました。

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で、メスナー爺さんは今なにやってんの?

ちょっと古いネタですが、あのメスナー爺さんが結婚!?という見出しがドイツ語圏メディアに出てました。
え~また新しい女作ったのかよ~と思いきや・・・

Mess8
最近のメスナー氏とサビーネ・シュテーレ夫人。

 足も速いが手も早い(笑)メスナー爺さん、8000m峰全山登頂の記録集『生きた、還った』にも寄稿しているサビーネ・シュテーレさんと役所で正式に籍入れたらしいです。サビーネ・シュテーレ夫人とは 長続き 堅実に人生を歩まれてきたんですなあ。
 私の以前の部署の仲間で、式を挙げず籍だけ入れた夫婦が「写真結婚」(結婚衣装で記念撮影)するので、おめでたい話題で併せてブログに書いてみましただ。メスナー爺さんもどうぞ末永くお幸せに。

ちなみに、

Mess
映画『ナンガ・パルバート』も撮影順調のご様子。
左から、ラインホルト・メスナーを演じるFlorian Stetter、ラインホルト・メスナー本人、ギュンター・メスナー演じるAndreas Tobias の各氏。
うーむ、おじさんは映画公開が待ちきれんぞ!

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