チェザレ・マエストリ、80歳。
10月2日は、知る人ぞ知る、イタリアのチェザレ・マエストリの80歳の誕生日でございます。
Maestri: 80 anni di alpinismo tormentato by Motagna.tv 10/2
どうしても日本の登山界では、マエストリといえばパタゴニア・セロトーレの「ボルト乱打事件」「疑惑の登頂」とダーティーなイメージに彩られていますが、本来ならばドロミテやその他山域の困難な単独登攀がもっと評価されていいはず、と私自身は感じています。
当ブログではあえて触れませんでしたが、メスナーが最新の著作の題材として、マエストリのセロトーレ「疑惑の登頂」を取り上げ、改めて登頂成功を否定しておりヨーロッパのクライミングサイトで話題になっていました。
その影響でしょうか、上記記事のインタビューでマエストリは、
『Le polemiche di Messner? Non raccolgo, sta distruggendo l'alpinismo』
(メスナーの反論?気にしないがね。彼はアルピニズムを破壊した。)
と、メスナーを「アルピニズムの破壊者」として語っています。
80歳という高齢のためでしょうか、
「私は偉大な登山を行った者として人々に記憶されたい。」
「(セロトーレの疑惑に対して) もう反論するつもりはない。」
と、若かりし頃に比べてだいぶトーンダウンしております。
そしてまた、人生においてセロトーレの疑惑は長い間苦痛であった、と正直に述べています。
以前にも当ブログで書きましたが、ヨーロッパにおいて、登山家の「名誉」は尊重される一方、登頂の疑惑というものに関しては徹底的に追求されるのだな、と感じます。
ただし、メスナーの「栄光」が数々の著作として邦訳され、極東の島国・日本に住む登山愛好家がメスナーを英雄視する一方、ほとんど著作・記事も少ないマエストリを一方的に「疑惑の人」扱いすることに疑問を抱くのは私だけでしょうか。
様々な問題はあれど、マエストリはその数々のソロクライミングから登山史に残る人物であることは間違いありません。どうぞいつまでもお元気で。
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