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ポベーダ西峰 北西壁 『Camel』ルート開拓

パミール・天山でもあこがれのポベーダ峰。
今夏、ポベーダ西峰(6918 m)北西壁に危険かつ困難なルート『Camel』が開拓されました。
クライマーはロシア・ノボシビルスクのグレブ・ソコロフ(Gleb Sokolov)とビタリ・ゴレリク(Vitaly Gorelik)の二名。
この登攀に関してはいち早くClimbing誌ウェブサイトも英語圏に知らせています。
またビタリ氏は滞日経験があり、仙台RCCの方と親交があり、同会の千葉英一さんのブログでも紹介されておられます。

参考記事
Desperate New Route on Peak Pobeda by Climbing誌
Desperate New Route on Peak Pobeda by ブログTeam Bangees様

登攀ルートは下記画像のとおり
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ポベーダ峰の全体像からは、今回の『Camel』ルートは下記画像のとおりです。
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右が1961年の初登ルート、中央のラインが『Camel』ルート、左が82年スミルノフらによる『dollars』ルート。
ポベーダ峰に憧れていた私は実際に登頂された方からお聞きしましたが、この61年の初登ルートも高度6000mの稜線に到達してから長大な稜線を進まなければならず厳しかったとのこと。

ロシアの某クライミングサイトで詳細なトポが発表されていますが、ルートは高度差約2000m、氷雪の状態が悪くClimbing誌のサイトが強調しているようにdifficult and dangerous な登山だったようです。ロシアのサイトで発表されているキャプション無しのクライミング中の画像は下記の通り。

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4枚目、ルート下半部を覆う雪崩の画像がルートの性格を物語っています。

ロシアの某クライミングサイトには登った二人のインタビューが掲載されています。
印象的な部分を引用すると・・・

Q.あなた方はポベーダ峰のどんなところに惹かれるのですか?
A.グレブ:一目惚れです。
A.ビタリ:世界で一番素晴らしい山です。その質問はこんな質問と同じですね。『あなたはなぜ美人が好きなのですか?』

Q.クライミング中に特に困難だったことはなんですか?
A.ビタリ:愛用のテルモスを失くしたこと・・・冗談です。

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ルートの困難性については、ほとんどのピッチで客観的な危険・・・雪崩の危険性があったことを答えています。
そしてこの登攀の困難さを物語るコメントとして、この9日間の登攀でビタリは10~12kg、グレブは9kg体重が減ったそうです。
このポベーダ西峰 北西壁の登攀は、ロシアの山岳雑誌が選定する「クリスタルピーク2009」にノミネートされています。クリスタルピーク賞は西側諸国にはあまり伝えられない素晴らしい登山が選定されるので、今年も楽しみにしています。

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