前略、出張の途中。
先月に続き島根県での仕事を終え、山形に向かう。
島根には諸般の事情で山形から車で移動。
上司(という名の親方)と二人、交代で運転しながらの移動となる。
一日では山形には戻れないので、帰路は富山市のビジネスホテルに一泊。
朝、島根県を発ち、雲に見え隠れする伯耆大山を眺めながら車を駆る。
夕暮れ、前線の厚い雲に覆われた剣岳山麓を眺めながら富山市に到着。
富山市。
訪れるのは私にとって一億万年ぶり(推定)である。
大学進学で文化人類学をやりたいと思っていた私は、富山大学受験のため高校生の時に富山を訪れていたのだ。
もっとも、富山大学からは「おめえみてえな低脳来るなバカ」という回答がきた。
大学受験で訪れた富山市は、その雰囲気がなんとなく落ち着いていて、「この街に住みたいな」と思ったものだった。その願いは叶わなかったのだが。
長距離の運転で上司(という名の親方)ともども疲労困憊していたので、まずはメシ。
宿の周囲は飲み屋しか見あたらず、富山に来てなぜか
で、このお好み焼き屋、店内に「赤谷尾根から望む剣岳」とか積雪期の剣の写真とか飾ってあり、しかも漫画・新聞とともに
ヤマケイのバックナンバーが置いてある怪しいお好み焼き屋さん。
お好み焼きを焼いてくれるおばさんに
「もしかしておばさんアルパインクライマーですかぁ?」
と聞きたくてしょうがなかったが、上司(という名の親方)が側にいるのでここは我慢する。
食事後、上司(という名の親方)と別れ、速攻で富山駅前へ。
登山用品店があったので早速偵察。
登山用品店チロル
店内は狭いながらも、剣の麓の店らしくバックカントリーのギアでぎっしり。
しかもROCK&ICEやClimbing誌も置いてあり、地方都市の登山用品店としてはなかなか凄いお店でした。
さて、富山駅前をぶらついていると、
仕出し料理店の店内や、
海産物の土産物屋の前には、イヌイットの集落の如く大きな魚の干物が吊されている。
富山の師走の風物詩、新巻鮭の寒風干しです。
夜の歩道で、吊された新巻鮭をぼんやりと眺めていると、背後から通りすがりのOL達の声が聞こえてきました。
「この光景見ると、12月きたって感じよね。」
ああ、富山って、季節感のある街なんだなあ。
一度宿に戻り、それから近所の銭湯「観音湯」に行く。
古ぼけた建物の、昔ながらの銭湯。
大きな浴槽のバブル風呂に浸かりながら、富山大に合格していたら自分の人生も大きく変わっていたんだろうな、と考えてもしょうもないことを考える。当時は山岳部ではなく探検部志望だったから、ヒマラヤに行くことも、山岳ガイドをめざすことも、今の仲間に出会うこともなかっただろう。やはり、別の人生を考えても、それは意味のないことである。
ちなみに、浴場の壁のタイル画はさすが剣岳山麓なのか、富士山ではありませんでした(笑)。
明日、また長い距離を運転して山形に帰ります。
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