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【山スキー修行日記】 嗚呼、不忘山の大失態

宮城蔵王、白石スキー場のリフト終点から不忘山めざしスキーで登高開始。
スキー場はどんより厚い雲で覆われている。
リフトの終点から藪に入る。
南蔵王のブナ、ダケカンバを眺めながら登高。

Pa0_0955
先日の暖気、そして突然の寒波を物語るように、ダケカンバから今にもしたたり落ちそうな滴がそのまんまの形で凍結していた。
標高が上がるとともに青空があらわれる。

Pa0_0949_3

二月の蔵王でこんな青い空が望めるなんて!!
気分はもう

Ply0851タイトルそのまんまです。

登高開始から約2時間、頂上直下の稜線にたどり着く。
山形側からガスと雲が沸いてきた。
今日の目的は山スキーの足馴らし、頂上は意識せずここから下降することにする。
稜線からの斜面には先行者たちのスキーのトレースが幾重にも付いている。
少し斜面に入り、ピットを掘って雪質チェック。
15、30cmで容易に破断。
表層15cmは結晶体も大きなフワフワの新雪で予想どおりだが、深度30cmは堅雪中の弱層。
もっとも、それ以前に自分のスキーの技量を考慮して、登ってきた稜線を忠実に下り、樹林帯を戻ることにする。

スキーのシールを外し、踵を固定して、さあ滑るぞっ!!

あれ?
あれれ????

最大傾斜に向かって前傾姿勢だというのに、全くスキーが滑らない。
ヒューヒュー冷たい風が吹いている中、ザックを背負って前傾姿勢で斜面に停止している姿、もし他の登山者がいたらすんごいシュールな光景であっただろう。
それはともかく、全くスキーが滑らない。

真っ先に頭に思い浮かんだのは、遭難報道で知られる左翼ジャーナリスト本○勝一もやらかした、シールの接着剤がスキー板に残ってしまう状態だった。
板を脱いで滑走面を調べる。
接着剤ではない、板の滑走面が薄く凍結して雪が張り付いている。
こすって氷をはぎおとし、再びスキーを履くが、まず滑らない。
仕方なく、加藤文太郎なみのきついプルークボーゲンで稜線を下降。
200mほど高度を下げると少しスキーが滑るようになった。
そのまま樹林帯に入る。
するとまたスキーが滑らなくなる。
仕方なくペタペタ歩くが、板だけに雪が張り付くだけでなく、板より大きな幅の雪の塊がスキーにくっついてくる。
マッサージを受ける度、マッサージ師の方に「お客さん、凄い脚の筋肉ですねえ」と言われる私だが、水上飛行機のフロートなみに巨大な雪塊がスキー板にくっつき、脚が疲れてきた。
樹林帯を抜けた緩傾斜地で休憩。

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べちょべちょべっちょりな私のスキー板

性格Mと言われる私だが、汗水たらして登ってきた斜面をスキーで歩いて下るというのはさすがにイライラする。
スキー板にこびりついた雪をみて、いつも仕事で使っているプロパンガスバーナーでぶっとばしたくなる。
ガスバーナー → 熱 で少しひらめいた。
ちょうど青空が戻り、日差しも出てきた。
太陽の方角に滑走面をむけてスキー板を差し、ゆっくり昼食をとる。
パンとコーヒーを食べながら色々考える。

この原因は板か?雪質か?
昨冬、休日に時間がとれず蔵王のナイタースキーに行った際、激しい降雪と気温-10度の中、普段使っているゲレンデスキー板が滑らなくなり難渋したことを思い出す。あれと同じ現象だろうか?
雪質なら、どうしてシールを履いた登高時に雪がまとわりつかなかったのか?
山スキーヤーはこんな雪質でも対応できる技術があるのか?
この板を購入した時、ブログにコメントを頂戴した山岳ジャーナリストの柏さんはご自身のブログでワックスにこだわっていたが、ワックスの使用・使い分けは必須なのか?
一昨年、ゲレンデスキーに入れ込んでいた頃、ガイドの師匠から「ゲレンデと山スキーは違いますよ」というメールをもらっていた。そのときは滑走技術の違いのことかと思ったが、師匠が言いたかったのは雪質も含めた事だったのか?

 山岳ガイド嫌いなアルパインクライマーの糞爺どもに「山スキーの取り扱いも知らねえのか」と笑われそうだが、誤解なきよう書いておけば、今バックカントリーと称してブイブイ言わせている連中が赤ん坊どころか精子と卵子の状態以前のころから、高校山岳部で山スキーで歩いていた。当時は貼り付けシールではなく紐とフックで固定するシールだった(あ、わたしゃこれでも70年代生まれだい)
 その後ブランクをおきながら、ジルブレッタ300で蔵王・月山や北海道の山を歩いたが、もっぱらアプローチ用途専門で、山スキーで滑降ということを意識したことは 全 く 無かった。
 やれやれ、失われた時間は大きすぎる。

問題点を野帳にまとめながら、短い昼食が終わる。
太陽に向けて差しておいたスキー板の滑走面を見てみる。
黒い滑走面は日光の熱をよく吸収し、融けかかった雪塊は触れるとヌルっと落ちていく。
今だ。
急いでスキーを履き、滑り始める。
なんとかゲレンデで滑るように、スキー板を操ることができた。
しかし滑るうちにスキー板は冷え、再びパッタンペッタン歩く。
ようやくスキー場のリフト終点がみえる藪に到着。
そこを抜けると、圧雪車の排雪用空き地だった。
圧雪車のキャタピラの跡に踏み入れると、今までの滑りにくさが嘘のようにスルッとスキー板が走る。
あまりの変貌、まるでうちの会社の女子社員のようだ(←これオフレコね)

今までのストレスを解消するがごとく、白石スキー場のゲレンデを急傾斜は小回りで、緩傾斜は大回りで姿勢が後傾にならないよう注意しながら滑降、スキー場の駐車場に戻る。
いやいや、なんとも、スキー板の取り扱いについて深く考えさせられる半日でありました。

※2/14追記
早速スキー用ワックス購入しましただ。
チューンナップにも気を配らねば・・・ね。

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【山岳ガイドおすすめ温泉】

Pa0_0943_2 南蔵王高原と命名された一帯には、幾つか新規に掘削された温泉があるが、とりあえず無難であろうと考えて古くからある遠刈田温泉をめざした。
遠刈田温泉の公共浴場、神の湯。入湯料300円。無料駐車場有。
石けん・シャンプーの類は備わってませんのでご持参ください。

遠刈田温泉 神の湯 ウェブサイト

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