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大学山岳部 

いつも拝読している山岳ジャーナリストの柏澄子さんのブログに、衝撃記事。

ウチの部員たち by ブログ『旅の空』様 10.3.16

柏さんのブログで興味惹かれるのは、業界の裏話よりも大学山岳部の様子だったりする。
今回の記事で、ああ、柏さんとこの山岳部も部員減か・・・と思う。
ネット上に流れている大学山岳部のサイトやブログって、OBの爺の記事ばかりで、若い衆の話題がほとんど無いので、柏さんの視線を通じて若い部員が成長する姿を楽しみにしていたのですが。

先日、大学山岳部の先輩に久しぶりに会い、普段のガイド仲間と山岳部の先輩との会話は少し違う、と当ブログに書いた。タイムリーにも、ガイドの師匠も山岳部の会合に出た感想を携帯メールで「大学山岳部っていいな」と頂戴したところに、柏さんのブログの記事。嗚呼。

柏さんいわく、
なにかに所属するというはメリットがある一方で、それに対して時間もお金もエネルギーも使う。Aを選べば、Bをやる時間はなくなるかもしれない。けれどそういうものでしょう、なにかを選ぶというのは。
と書いてあるが、私の考えは違う。
山岳部現役時代、ともすれば挫けそうになる時は自分に
「(山以外に)やりたいことって、山やりながらでもできるだろ?」
と自分に言い聞かせていた。

柏さんは部員の退部に関して、最近の若い衆の気質を事細かに分析されている。
学生に接する時間は私よりも圧倒的に柏さんの方が長いわけで、その分析は現実に即した、的をえたものなのだろうが、大学山岳部の衰退って私としては「ヒーロー不在」が原因なのではないか、とも思う。
ヒーローといっても、朝日新聞社の武田・本多組がその著書に書いたような、メディア上に担がれている登山家のことではない。もっと身近な存在のことである。

 自分をふり返ってみれば、体力も無くて高校山岳部では先輩や同期の仲間にすら疎まれていた頃、山形が輩出したアルパインクライマー滝口康博氏のヒマラヤ講演を聴き、そして自分の高校山岳部のOBがやってきてインドヒマラヤの遠征の様子を聞かせてくれた。(そのOBというのが柏さんの大学山岳部の方というのも、まあなんとも山の世界の狭いことよ)
 大学山岳部に入って間もない頃には、テレビで日・中・ネ三国合同チョモランマ隊の中継を視ていた。
 常に目標となりうる人々が、身近に存在し続けていたような気がするのだ。
 そして私は「加藤文太郎が死んだ冬の北鎌登る」「8000m峰に登る」と目標に据えてモチベーションをかき立てていた。
 いまや世界最高峰も8000m峰も、カネとヒマもてあました爺婆が登る山である。(あ、ボク何か失礼なコト書きました?)若い衆にとっては、目標をたてることすら難しい時代なのだろうか。
 もっとも、大学生にもなって自分で目標を見いだすことも出来ない、というのも頭ひねらざるをえないのだが。

 私自身は後輩を育てるというコトに関しては全く無能な存在であったため、実は大学山岳部の未来を憂う資格は無い。我が大学山岳部には8000m峰全座を狙う某登山家や、国際的に活躍する登攀ガイドもいるが、彼らは皆自分で自分を成長させる能力があった。

 若い衆の成長する姿に一喜一憂する柏さんの姿は、実は私にとっては眩しすぎる光景なのである。

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コメント

こんにちは。聖母峰さん。
トラックバック、ありがとうございます。

申し訳ないです、衝撃を起こしてしまったようで……。
来年度以降の処遇については、今後決まります。

聖母峰さんとウチの先輩が高校の同窓とは知りませんでした。M郎さんのことですね、おそらく。
私が学生時代のコーチでした。

聖母峰さんがおっしゃる通り、身近に目標となり得る存在は、大きいと思います。

私自身は、一緒にロープ結んで、ホント一緒に登ったなという後輩は、もう5年位前までさかのぼらなければなりません。
わが部の場合、先輩後輩の繋がりを途中で断絶させてしまったのが、大きな原因でした。

そちらにも届いたでしょうか。今朝の悲しい報せ。
今日は大学山岳部について、改めて考え直したいと思いました。

投稿: 柏澄子 | 2010.03.23 16:44

re:柏様
 コメントいただき恐縮です。
 M郎さんは私が高校生だった当時、私たちが校舎の階段を上り下りするハードトレーニング中にやってきて、普段着のまま私たちと同じメニューをこなし、そのままヒマラヤの話をして帰られたので「やはりヒマラヤに行く人は違うっ!」とみんなで話していたのを覚えてます。

<<わが部の場合、先輩後輩の繋がりを途中で断絶させてしまったのが、大きな原因でした。
私どものところも、学年が途切れてしまうというのはやはり致命的でした。
 誰もがみな確固たる目標を抱いて山登りを始めるわけではなし、山のおもしろさもつらさもモチベーションも、いかに育んでいくか努力が足りなかったのか、と悔やむところは大きいです。

 お知らせの件につきましては、改めてメールいたします。

投稿: 聖母峰 | 2010.03.24 17:16

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