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湯田川温泉 遊女達の痕跡をたずねて

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さくらマラソンの入湯券の抽選に外れ、静かな温泉場を求めて、未だ訪れたことの無い湯田川温泉を訪れる。孟宗竹で有名な温泉である。
集落手前にある共同駐車場に車を停め、徒歩で共同浴場へ。
途中、大きな水槽に大量のむしろを干してある施設を見かける。

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作業しているおじさんに「ここは何の施設ですか?」と尋ねると、「稲籾を発芽させる施設だよ」と答が返ってきた。
そういえば、毎年ローカルニュースで稲籾を温泉で発芽させる施設を見たような記憶がある。目の前にあるのが、まさにその施設だった。
 稲籾を温かい温泉水で発芽を促す、というのは実は歴史は古い。文献資料によれば、農耕に工夫を重ねた大井多右エ門がこの手法を考案したのが1848年。温泉という「地熱」を利用した、古人の知恵である。

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とぼとぼと、静かな温泉街を歩く。
公衆浴場は近所の商店でチケットを買うシステム・・・と思ったらそうではないらしい。
チケット買いたいんですが、と店の人に言うと、「じゃ一緒に行きます」とおばちゃんが浴場まで同行する。
そしておばちゃんが電子キーをドアロックに近づけると、センサーが感知してドアが開くという仕組み。
ドアのキーがやたら近代的な割には、入浴客が来るたびに商店のおばちゃんがいちいち同行するという仕組み。
ま、この非合理的なとこが良くも悪くも『田舎』ですね(笑)

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湯田川温泉公共浴場。
トイレ無し、石鹸シャンプー・タオルの類は自分で用意すべし。

入浴後、マラソンで疲れた身体のクーリングダウン(今更おせーよ)を兼ねて、湯田川温泉にある梅林公園へ。
急な階段を登ると、そこは梅の花盛り。
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さらに奥に進み、小高い丘の地蔵尊を目指す。
事前に文献で調べたとおり、小さいお社、地蔵の隣にこれまたとても小さいお稲荷様を奉った祠があった。

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お稲荷様の狐といえば、農耕の神様として一般民家にも奉られているが、この梅林公園のお稲荷様は湯田川温泉にまつわる遊女が関わっていると言われている。
 16世紀末、戦国時代に滅んだ武将・家来達の女性が今の湯田川温泉に流れ着き、そのまま遊女になったとも言われている。江戸時代から明治・大正、太平洋戦争終結後の売防法で廃止されるまで、その手の女性たちが「営業」していたらしい。稲荷信仰は商売繁盛を願う遊女たちによって狐像を納められたり、自分たちの部屋に飾っていたりしたという。

 2010年の今、ここは静かな、ひなびた温泉街である。
 梅林公園には私の他に2組のカップルが訪れていたが、祠には全く関心を向けることなく、温泉街へと降りていった。
 文献資料には、遊女たちの存在を記す資料はあるが、何を想いどんな人生を歩んだのかという記録までは残されていない。かくいう私も、遠い歴史の陰に埋もれた女性たちの事を考える前に、自分の人生で手一杯というのが正直なトコである。
 祠に手を合わせ、次の目的地を目指すべく梅林公園から立ち去った。

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