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国威高揚登山を煽ったのはナチスだけ?

 映画『アイガー北壁』を巡っては、主人公たちは当時のナチ政権に代表される国家主義の犠牲となった、とする感想を述べられている方が多いようだ。
 トニー・クルツ達の逸話は悲劇として語られたが、映画の最後にハインリヒ・ハラー達の初登攀をナチ政権が巧く利用した旨のテロップが流れる。

 ここでお知らせしたいのは、イデオロギー(イデオロギーという語については様々な解釈があるが、ここでは政治思想という意味で使わせて頂く)の道具として登山を利用したのはナチスドイツだけではないということだ。

 5月、ロシアのクライミングサイトを賑わしている話題は、「大祖国戦争」、ロシア・旧ソ連における第二次世界大戦(独ソ戦)にまつわる登山の話題である。(なんで5月かというと、1945年5月がベルリン陥落=独ソ戦終結だから)

 日本の中高年登山者にも人気の高い、コーカサスのエルブルス(標高5642m)。
 1942年、ナチス・ドイツ軍がこの山頂に立った。

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ドイツ軍の登頂を報じる当時の記事(ロシアのクライミングサイトより引用)

で、翌1943年、これを放ってはおかんとするソビエト軍が全力でエルブルスに登山。

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エルブルス山頂を目指すソビエト軍兵士。右の人物の背中に飛び出ている棒のようなものは、ハンマーに鎌でおなじみのソビエト国旗だそうな。祖国を背負っての山登りは大変ね(棒読み)

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ナチスドイツのハーケンクロイツ旗をとっぱらい、ソビエト国旗を翻す兵士たち。

で、このエルブルス登頂の話題はロシアのクライミングサイトでは祖国栄光の記録として今も語り継がれているわけですね。

ナチスは駄目でソ連の共産主義者はOKってか?
もちろんナチスドイツの悪逆非道を肯定するつもりはありませんが、日教組のアカどもはともかく、まともに歴史を学んだ方ならソ連の共産主義者どもが粛正の名の下にどれだけ多数の人間を死に追いやったかご存じのはず。

 いつぞや中華人民凶悪国が外国隊をシャットアウトし五輪聖火リレーのプロパガンダ登山を展開したことからもわかるように、イデオロギーに彩られた登山がいまもなお存在することは記憶しておくべきでしょう。
 五輪の金メダルやるからアーリア人で誰か登ってみそ!というナチドイツと、五輪の記念だから俺たち以外だれも登っていけないアル!という中国のアカどもと、根底に流れる国家主義は同じでしょ?

 アイガー北壁オフィシャルサイトでいみじくも谷口ケイさんが「今の時代のこの国に生まれた自分に感謝です。」
と述べておられますが、提灯記事が並ぶコメント欄で、特に共感できる言葉でありました。

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