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経済誌『Forbes』のスットコドッコイ記事

 ある情報筋から、アメリカの経済誌『Forbes』が「楽園でのおしごと」の一つとして「山岳ガイド」を挙げている記事の存在を知った。
 その記事がこれ↓

 Jobs You Can Do In Paradise by Forbes 2010.2.12

 タイトルの「Jobs You Can Do In Paradise」は意訳ですが「楽園でのお仕事」と訳しましたが・・・だれか英検準2級の私におせーて。
 記事はJobs You Can Do In Paradiseとして、リゾート地でも需要の高い職種として医師、看護士、教師、電気技師、そしてソムリエ、コック、遊覧船の船長、スキーフォトグラファー・・・・そして山岳ガイドを挙げています。

 で、ここで紹介されているガイドは一年のうち8ヶ月を世界中の山で過ごし、年収約70000$というお方。よくよく読めば、大手のアルパイン・アッセントの取締役兼ガイドじゃんじゃかじゃん。

 そりゃガイドは職場は風光明媚な山岳地(Paradise)だろうけどさ、その代表として年収70000$の取締役(とはいっても、96年のエベレストのブラックスプリングにおける救助活動でアメリカ山岳会から表彰されている実績を持つ)のセレブだろセレブ。

 わたしゃ実際にAMGAのクライミングガイドと登った事あるけど、彼は質素な生活に質素な(というかかなりボロい)車を乗り回している個人ガイドもいるわけよ。

 ごく一部の成功者を引っ張り出して、『いやあ、山岳ガイドって、いいですねぇ~』って・・・馬鹿か?

 上は日本経済新聞から下は青春出版社のいかがわしいサラリーマン啓蒙雑誌まで、いろんなメディアで経済の権威と称する人間が語っているのを見聞きするわけだが、たまに「こいつホントに実態知ってて書いてんのか?」というバ勝間勝代がほざいてるみたいな記事に巡り会うわけですな。
 今回のForbesの記事はまさにそんな記事。
 日本語版でこの記事が邦訳されたかは確認できませんでしたが、アメリカのビジネスマンってこんな記事読んで、よし俺もガイドになるかっ!とか思うんですかね。アメリカ人は馬鹿ばっかりですが、そこまで脳味噌腐れているとは思えませんが。

 自分は極東の島国のさらに片隅に住んでいる、しがないトレッキングガイドですが、山という大自然で仕事ができるというのはたしかに幸福ですよ。
 でもガイドという業務を支えるための下準備やら陰の尽力は、このForbesの記事は汲み取ってくれていないですね。年収をひけらかす程度で。

 なんで私がForbesのベタ記事にこれほど噛みつくかといえば、こういう専業ガイドの労苦を拝読した直後だったからですね、たぶん。

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