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15℃の夏・鳥海

ガイド1日目、鳥海山を鉾立から往復。
鉾立の駐車場に到着した頃には、頭上には厚い雲が立ちこめている。
高度を上げるに連れ、視界不良、そして湿気を含んだ風。
御浜小屋に到着したものの、全く視界が効かない。鳥海湖どころか、10m先も見えない状態。

Spas_071912
地上天気図では太平洋高気圧が大きく張り出していた。
梅雨明けというキーワードですっかり油断してたが、実際には気圧の谷が生じて雲が広がっていたのだ。

千蛇谷への分岐・七五三掛(しめかけ)で雨具着用。
雨ではないのだが湿気を含んだ風で濡れがひどい。
視界は効かなくても地形を把握している私はいいが、全く行程のイメージの沸かないお客様には無限の上り坂に思えるだろう。所々で今いる箇所・大物忌神社までの行程をお話する。

頂上の大物忌神社に到着後、判断を迫られる時。
鳥海山の頂上、新山をめざすかどうか。
断続的に強い風、視界不良、霧雨ほどではないが湿った風、そして気温は15℃。
お客様たちには早い昼食を取らせ、添乗のAさんと協議。
Aさんからは全権を委ねていただき、「途中で引き返すことも皆さんにお話しておきましょう」と言われるが、それはガイドの仕事である。
私からお客様たちに、この先の行程は皆さんにとってクライミング同様の世界であること、天候次第で頂上目前で引き返すことがあることを言い渡す。

約50分で新山往復。
頂上直下では、関西から来たらしい他の中高年パーティーが少しパニック状態になっていた。
幾度も登った新山、慣れない岩場でリーダーも当事者もパニックになる方がよく見かけられる。
こわごわ足場を探す登山者、怒声に近い声で足場・手がかりの指示を出すリーダー。
リラックスして余裕を持った方が、身体の動きもスムーズになると思うのだが・・・
私たちのお客様の感想は
「こんな山があるなんて今まで経験したことがない」
「童心に戻ったみたい」
と、岩石が積み重なった新山の登りを新鮮な気持ちでとらえて頂いたようだ。

下山。
御浜小屋から下ったあたりで、ようやく霧雨状のガスも風も穏やかになる。
天候が穏やかになるとともにお客様の気持ちにも余裕が出てきた。
鳥海山の県境の話などをしながら、鉾立駐車場に帰着。

鳥海山の千蛇谷と外輪山の分岐、七五三掛の広場は視界が効かなくなると行く先がわかりづらくなる。
行く先に迷う他パーティーを幾度か見かけた。
お客様からも、「こんなところ、ガイドがいなければとても一人で行けない。」という声を頂戴した。

ガイドは本来お客様の安全を確保するための存在であり、「単なる道案内ではない」と言われるし、私も道案内と呼ばれるのは不本意なのだが、今日はあまりにも視界が悪すぎた。ほんの10m先も見えない視界不良、「道案内で結構、お客様を「安全に誘導」するのもガイドの使命だろ」と思いながら歩く。

雲に覆われていたのは鉾立の駐車場まで。
バスがどんどん高度を下げると、視界がひろがり庄内平野が目に飛び込んでくる。
明日は月山。バスは羽黒山方面へと向かう。
車窓から見える月山は雲の中。
悪天時の対応を考えながら、宿に入る。

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