ピッケルを創る女性
アメリカの工業デザイナーのコンペ『FastPitch Competition 』で21歳の女子学生が優勝しました。
女子学生がデザインしたのは、ピッケルです。
Ice ax entrepreneur picked as Stateline FastPitch winner by Rockford Register Star 2010.6.22
コンペ優勝者のカトリーナ・エパーソン(Katrina Epperson)
カトリーナ・エパーソンはイリノイ大学アーバナ・シャンぺーン校で工業デザインを学ぶ21歳。
本人はもちろん、親爺さんが熱心なクライマーで、受賞の知らせもデナリ登山中に娘から衛星電話で知ったそうな。カトリーナ嬢の親爺さんのブログも検索してみましたが、コメント欄は祝福の嵐でしたね。このコンペでカトリーナ嬢は優勝賞金5000ドルをゲット。
設計されたピッケルはCONDORという名称でAzimuth Designsというベンチャー企業から180ドルで販売とのこと。
ピッケル「CONDOR」、スペックはシャフトはアルミ合金製、ヘッドはステンレススチール。人間工学に基づいたヘッドのカープとラバー製カバー、シャフトのイエローは雪の中でも目立つようにという配慮から明るい色を採用しています。
コンペ主催者によれば、受賞・賞金だけが重要なのではなく、そのデザインにおいて人脈ネットワークを拡げるなど、何かを学ぶ過程が重要と主張しています。
筆者が注目するのは、このような工業デザインのコンペにおいてピッケルという登山用具が評価されたことですね。
工業デザイン、というと聞き慣れない方がいらっしゃる方もいるかもしれませんが、日本ではあのタレント・稲川淳二氏が工業デザインを手掛けていることが知られていますね。
以前にも当ブログに書きましたが、私自身は初めての海外遠征で使用したザックとして、某登山用品店のオリジナルザックの試作品を使わせていただいたこともあり、登山用品のデザインってどんな過程で進められるのだろう、とちょっと関心がありました。
ある書籍でICI石井スポーツの越谷英雄氏が、登山用品をデザインするようなセンスを持った登山家がいなくなってしまった、と嘆いていましたが、若いクライマーが少なくなっている現在、登山用品をデザインできる人材もまた希少な存在なのではないでしょうか。
登山用品店で道具を手にするとき、明確に設計思想が感じられる製品は好感が持てます。
個人的には、日本人に合うギアを開発しているmt.daxやエキスパート・オブ・ジャパンなんか頑張って欲しいところです。
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