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神話の衣服 カウチンセーター展

仕事が終わり、人の欲望と邪悪が渦巻く、仙台中心部へ行く。
東北電力グリーンプラザで東北日本カナダ協会が催している『神話の衣服 カウチンセーター展』を見学するためである。
会場が18時閉館のため、以前から行きたかったのだが、現場作業の都合でなかなか行けず、今日たまたま早めに作業が終わり、ようやく見学が実現。

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カナダ観光促進目的の「美しきカナダ展」の中で、展示ケース二つだけの、ミニ展示なのだが、カウチンセーター展は見逃せない。

21世紀の今現在、登山の防寒着といえばフリースが主になっているが、私が山を始めた80年代半ばは、まだウール、登山必携の防寒着といえば 『 セ ー タ ー 』 である。
山岳部の部室で読む、ICI石井のカタログに掲載されている高価なカウチンセーターは、いつもあこがれであった。
 爺のような昔話はさておき、展示内容は、

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おなじみの丸編みセーター、フロントジッパータイプなど5着、

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民族衣装としてのカウチンセーター、ベストが展示されている。

 カウチンセーターの「カウチン」とは民族名でもあるが、本来の語源は「暖かい土地」をさす。ただしカナダに羊が入ってきたのは19世紀、スコットランドが源らしい。ある意味、歴史的には新しい衣類である。

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 カウチンセーターの特徴である、その柄は、熊→養い主などの意味があるらしい。熊の他、シカ、クジラなど具体的な模様は理解できるが、画像のセーター、前身の裾は「波」で「すべてが一つになる環、世界」を意味し、袖の模様は「水」で「精神性、清め」の意味を示すのだという。(展示解説より引用)

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この左右非対象がとても印象的。

 カウチンセーターは未脱脂の毛糸を用いるため、保温性が高く、「50年はもつ」と言われているという(展示解説より引用)

 さて未脱脂の毛糸製品といえば、山屋におなじみなのは「ハンガロン」の手袋ですね。私も販売終了まで愛用しておりました。
 高校生の時から憧れていたカウチンセーター、振り返ると結局買う機会もカネもなかったのでした。ははは。遠征登山の帰り、カトマンズに降りてきたときには、もう真っ先にチベット族のおばちゃん経営のセーター屋さんに行って脂臭いセーターを買い求めましたが。
 しかし、伝統に裏打ちされた素晴らしい絵柄は、なによりカウチンセーターのすばらしさです。

 前述のように今やフリースなど高機能の化繊製品が登山用品を占めていますが、80年代末期のノースフェイス社のカタログにもニット製品が掲載されていたと記憶してます。TNF社で発売していたセーターでは、ポップコーン編みを採用し、より多くの空気を身にまとうようにして保温性を高めているセーターもありました。

 たしかヨーロッパあたりではセーターといえば漁師など、オトコのウェアのはず。
 石油起源の化繊ウェアの軽さやメンテの手軽さは確かに便利ですが、たまにはこんな天然素材のウェアも見直してみたいものです。

 透湿繊維や高保温・吸湿の合成繊維は、その背景には企業戦略があるわけですが、天然素材、とくに民族衣装由来のウェアには人間の文化の積み重ねが存在するといったら言い過ぎでしょうか。

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