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山岳スキー教程

Pa0_0015昨秋、北海道の滝川市に滞在した折、図書館で見つけた北海道山岳スキー同好会編著『山岳スキー教程』(2007年4月出版)。手元に置いておきたく、アマゾンで購入。

 若気の至りで年末年始の利尻に一人寂しくでかけ、成果もあがらず下山した際、登ってくる地元パーティーとすれ違いになった。そのとき地元の登山者の方に言われたのが、

 「内地の方も山スキーやられるんですか!?」

 内地の方、という呼ばれ方もさることながら、本州の人間は山スキーをあまりやらないと見られていることに、東北人の私としては凄いカルチャーショックだったのでした。
 以来、北海道の方の山スキーの知識、その蓄積ともいえるテキストがあれば・・・と思ってました。
 最新の山スキー・・・あーはいはい、今はバックカントリーって言うんですね(棒読み)の知識・装備、小技なんかは山岳雑誌で得られますが、基礎となる思想・知識を本という形で得たいと思い、今回購入。

 内容はカービングスキー出始めの頃で、記載されているビンディングも一昔前のタイプ、装備ではフリースの文字は無くウールだったりと古い箇所は目立ちますが、内容は「スキー運動のバイオメカニクス」から始まり装備、滑降技術、気象、雪崩、医療、栄養(食料)、ツアー計画、コースガイドと幅広い。
 
 内容で特筆すべきは、「山岳スキー技術講習」である。小項目として、

・受講者と指導者の関係
・学習と講習計画
・講習会及び講習環境
・講義及び屋内での実技
・実技
・講習の評価

など、講習会運営のための簡単なノウハウの記載がある。

 興味深いのは、あとがきである「編集をおえて」。
 この本の母体となったテキストは平成14年8月に完成されていた。
 当初は北海道新聞社に出版を依頼したが、「一般の人たちを対象とした書籍ではない」という理由で実現しなかったという。
 日本の地方紙では有数の左翼偏向で知られる北海道新聞社であるが、郷土出版物は素晴らしい本が多い。北海道に出かけた際はよく自分への土産に北海道新聞社の山岳書・民俗関係書を購入したものである。
 その北海道新聞社が山スキーの技術書を「一般の人たちを対象とした書籍ではない」と判断したという記載は、山スキーの社会的認知度を伺い知る上で興味深いと思う。

 同書は本州在住の人間にとっても、北海道の冬山・山スキーの世界を知る上で 手 頃 な 参考書になるだろう。

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