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地震日記3/18 お断りの電話 【3/19加筆】

 被災地に赴く医療チームの支援として日本山岳ガイド協会が動く。
 「その拠点となる宿をさがしてくれ」と、既に医師団と共に先発として現地入りしているガイドの師匠から連絡が入り、夜の23時半まで電話をかけまくる。
 
 岩手・宮城県境付近はもともと宿泊施設も少ない田舎。
 ネットで民宿・旅館をリストアップし、電話につぐ電話。

 電話といっても、被災地に近い場所、

 「宿はもうやっていません」

 という返事もあれば、復興関係だろう、

 「業者さんでいっぱいです」

 という返事もあれば、機械的な女性の声で

 「災害地のためかかりません」

 などのアナウンスが聞こえてきたりする。

 返答があるのはまだいい。
 発信音が続いたり、もう電話線がズタズタなのだろう、反応が無いところもある。
 やはり被害は甚大なのだ。

 被災地支援チームの宿なので、被災地に近いことが条件、しかし被災地に近いところは電話も通じない。宿もやってない。少し離れたところは震災復興関連の業者、避難者でいっぱいなのだろう、どこも満室。

 もう何軒に電話かけたろう。
 (あ~師匠、こんな時期こんな地域で宿なんか空いてるわけねーよ)
 と思いつつ、まだ電話してないビジネスホテルに電話する。

 満室という回答だった。
 電話を切る際、ホテルのフロントマン(男性)は 

 「どうもすみません、すみません、すみません」

 と何度も何度も、泣き声に近いようなか細い声で「すみません」を繰り返していた。

 そこで、はっと気が付いた。
 恥ずかしいことだが、ようやく気が付いたのだ。

 そのホテルのフロントマンは、私が電話をかける以前に、もう何人もの避難者の宿泊申し込みを断ってきたのだろう。

 本日中の宿の手配は断念。
 あのフロントマンはじめ、皆が安らかに眠れる夜は、いつ来るのだろう。

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 コメント欄にご指摘がありましたので、加筆いたします。
 文中の「ガイドの師匠」は医師チームと共に被災地視察を行っており移動が多く、通信事情の悪い現地に滞在中のため、各種手配のバックアップを臨時に私が個人的に担っていたものです。

 日本山岳ガイド協会では医療チーム支援を目的に活動を開始するため、医療に必要な「水」を常時入手できる宿泊施設=活動拠点を求めていた次第でした。

 支援活動に参加するガイドは自炊は当然のこと、被災地現地に負担をかけない「自己完結」を旨とした装備で参加しております。(今回の宿探しも素泊まり前提として探しておりました)
 この点につきましては私の書き方が足りず、多くの方に誤解を招いた点、お詫び申し上げます。

 これから展開される山岳関係の医師団による医療支援、日本山岳ガイド協会の支援活動に御理解いただきたく、お願い申し上げます。

 なお3月19日現在、岩手県内の旅館の御理解を得て、医師団および日本山岳ガイド協会支援チームの活動拠点が決まりましたことを記しておきます。

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コメント

 本当にお役に立ちたいけど、どうにもならない状況ばかりです。職場にも「運転手さんを貸してください」とか「ローリーで運んで」とか依頼は来るのですが、当方、化学薬品が専門で構造が違うし許可証もない、車があっても燃料がない。「ごめんなさい」というばかり。(;´д`)トホホ…
 来週には燃料が入るようだから、遠回りしても運びますからね。

投稿: かもめ | 2011.03.19 21:10

 日々愛読させていただいております。
 貴兄の知識の広さに感心させられております。

 今日のブログを読んで「ボランティアは地元に迷惑をかけないことが第一。自分の食料も何もかも用意して行くべし!」との鉄則に沿って、山岳ガイドなら登山用具一式を持って自炊を覚悟で参加すべきです。「その拠点となる宿をさがしてくれ」などと指示してくる貴兄の師匠に多いに腹が立っております。

投稿: oyaji | 2011.03.20 07:03

re:かもめ様
 かもめ様のところも大変なご様子ですね。
 当方も、本業でもプライベートでも、普段何気なく入れているガソリン・軽油の有り難みをつくづく思い知らされております・・・

投稿: 聖母峰 | 2011.03.20 08:37

re:oyaji様
 コメントありがとうございます。
 私の書き方に足りない点がありまして、この文面ではoyaji様のお怒りもごもっともですね。
 
 文中の「ガイドの師匠」なる人物は医師団と共に先発として被災現地を視察を行っており移動が多く、私が後方バックアップのような形で各種連絡を担っていた次第でした。

 日本山岳ガイド協会では医療チームのバックアップにあたるべく、医療活動に必要な水を確保するため、野営ではなく宿泊施設を探していた次第です。
 支援に当たる山岳ガイドも「自己完結」、地元に負担を与えない体制で参加するよう装備していることを強調しておきたいと思います。

 この点、誤解を招く記事であったことをお詫び申し上げます。
 また、日本山岳ガイド協会の支援活動について御理解いただきたく、なにとぞお願い申し上げます。

投稿: 聖母峰 | 2011.03.20 08:44

 聖母峰 様
 日本ガイド協会が医療チームのバックアップのため苦心されておられてることも知らず、早とちりのコメントを記してしまい申し訳ありませんでした。
 ヒマラヤ登山等、医師の同行が求められる遠征も経験している皆様は、救急医療チームとの結びつきも深いことと存じます。その結びつきの中で、出来る限りの協力をされておられる方々に敬意を表します。

投稿: oyaji | 2011.03.20 12:43

私の会社も災害復旧のため全支店から多くの社員が要請を受け被災地入りしています、原発近く(30km圏に近い)の現場もあり退避マニアルを周知徹底の上の作業です。
最初に総務の社員が食料と寝具などを現地の支店や被害の少ない営業所などに持ち込みその後現場社員の投入となりました。しかし、重機、発電機を動かすための軽油の確保には苦労していました。(今は改善されましたが、先週は新潟でも燃料が品薄で確保に苦労しました。)
夜は、支店や営業所等の床や廊下に布団をしいて寝ています。食事は新潟などから持ち込んだインスタント食品がほとんどです。(問題は燃料・食料の補充)現在、新潟を補給基地としていますが山形や郡山のスタンドでは燃料の確保が難しく補給車両の往復もたいへんです。
私の会社でもタンクローリーやドラム缶の手配に苦労しました。
長文になりましたがお互い復興に向けて頑張りましょう。

投稿: 御隠居 | 2011.03.21 15:04

お二方にまとめてのレスで失礼します。

re:oyaji様
 重ねてのコメントありがとうございます。
 またお気づきの点ございましたらご指摘いただければ幸いです。

re:御隠居様
 コメントありがとうございます。
 多くの社員の方が被災地入り、軽油確保に苦労されておられるとのこと、また言葉には表せないご苦労があるのではとお察しいたします。

 仲間内でも新潟まで行ってガソリン確保という話も持ち上がっておりましたが、その新潟でも品薄だったとは、やはり深刻な状況ですね。

 会社員としてはダメダメな自分ですが、社会人としては震災に負けずにいきたいと思います。
 御隠居様ならびに社員の皆様のご健康も、心よりお祈りいたしております。

投稿: 聖母峰 | 2011.03.21 19:05

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