『クライミングギア』 salus
いつも使えねえ試作品アウトドアギアばかり紹介しやがって、と当ブログをご覧いただいているアルパインクライマーの皆様、こんにちわ。
本日「も」、
すばらしい製品をご用意いたしました。(ジャパネットたかた風)
Salusとは、クライマー同士用のコミュニケーションツールです。
マルチピッチ、アルパインクライミングにおいて、「ビレイ解除~」とか、「登りまーす」とか、コールしますよね。
あの菊池ガメラ大先生も著書で『このコールというものはある意味クライミングで最も重要なものと言ってもよい』と述べられておられますです。はいはい。
で、このSalusは
小型ボックスに赤、黄、緑、茶の4つのボタンが付いています。
このボタンを押すと、相手のボックスのボタンが光るという仕組み。
引用サイト salus mountain safety by malcolmrusselldesign.com
このシンプルな4つの光の交信で、引用サイトによれば製作者は
「safe」(ビレイ解除)
「on belay」(ビレイOK)
「climb on」(登ります)
「acknowledgement」(了解)
の4種類を想定しているようです。もちろん、4種類という範囲の中で、クライマー同士で合図を任意に決めればいいでしょう。
イギリスのDundee universityの学生がデザインしたもので、肝心の製品・販売化されてるかは不明ですが、秋葉原のパーツ屋で材料調達すればなんとかなりそうな・・・
私がこのサイトを拝読して真っ先に思ったのは、ろうあ者のクライマー、クライミングには便利ではなかろうか、ということ。大昔、積雪期の北鎌尾根でろうあ者の方同士のパーティーと出会い、コールはどうされているんだろう、と印象に残っていたもので。
デザインした本人の弁によれば、ハーネスに非常コールボタンがあったら・・・という発想から進展させたとのこと。
でもクライミングギアの発展って、大手メーカーの新発売製品ばかりでなくて、こういった市井の人々(クライマー)のアイデアの積み重ねも大切なんじゃないかと思います。
| 固定リンク
「クライミング」カテゴリの記事
- ヤーニャ・ガンブレット、彼氏と別れる(2021.02.22)
- クライミングが人類に貢献する時(2021.01.23)
- 【訃報】チェザレ・マエストリ逝く(2021.01.20)
- 【訃報】ジョージ・ホイットモア逝去(2021.01.03)
- 【訃報】ハミッシュ・マッキネス逝去(2020.11.24)
コメント
おー、すばらしい。携帯、デジカメ、GPS、携帯トイレ。時代とともに装備も変わるんですね。このサイト軽快でよいです。たまに見てます。
投稿: panawang | 2011.10.03 18:45
re:panawang様
コメントありがとうございます。
<<時代とともに装備も変わるんですね。
クライマーの意思疎通を機械任せにするというのも、それはそれでまた別の危険性は考えられますが、たしかにテクノロジーの進歩が及んでない部分だよなぁと興味深く思った記事でした。
たまにご覧いただいているとのこと、ありがとうございます。こちら山形は山の方は白くなりました。剣岳方面はいかがでしょうか。
またお気づきの点、ご意見ございましたらよろしくお願い致します。
投稿: 聖母峰 | 2011.10.05 22:27