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ビーコンのスイッチOFFのまま遭難 → 過失致死の判決(オーストリア)

 スキーツアー中に女性が雪崩で遭難死、アバランチビーコンはスイッチがoffでザックの中に入れてありました。

 この事故で同行・生還した夫に対し、オーストリア・ザルツブルグ裁判所において過失致死罪(執行猶予3ヶ月)の判決が下り、この判決内容について関係者の間で波紋が広がっています。

 3 months suspended sentence for forgetting beacon by Pistehors.com2011.10.11

Images(画像はイメージです)
以下記事引用開始
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 夫婦は2010年3月17日、オーバータウエルンのラートシュッタットでツアースキーに出かけた際、新雪がつもっていました。
 「安全なルートを降りていくし、ビーコンは必要ないと思っていました。妻は私を信頼していました」と男性はオーストリアの放送局に語っています。
 他の参加者が雪質のピットチェックを行い、何かあった場合に備えて彼は後方にまわり、女性が前に進みました。
 夫の目撃では、斜度35°、80×250mにわたる斜面で雪崩が発生し妻が埋没、ビーコン反応が無いため事故現場に到着したレスキューの捜索は非常に難航しました。妻(58歳)は1m以上の雪に埋没、頭部外傷が致命的な結果となりました。
 被告の弁護士は判決に呆然となり、上告するかどうか検討に時間を要すると発言しています。
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以上引用おわり

 記事によれば、既にフランスにおいて、同様の事故でより経験のあるメンバーに責任があるという判例が出ており、オーストリアの判決においても「ビーコンのチェックを行うべきだった」という判決が下されることが可能となると解説されています。
 今回の判決に対し、オーストリア山岳協会のMichael Larcherは判決を疑問視、
「彼女は初心者ではなく、ビーコンのスイッチをオンにする十分な知識がありました。ビーコンの不備が主な判決理由だったとすれば、私の意見では全責任が夫にあるというわけではありません。それは個人の責任の問題です。」と発言。
 オーストリア山岳救助隊代表のEstolf Müllerは、
「誰がどんな経験があるのか法的に判断することは非常に困難です。危険にさらされない限り、法廷が個人的なスポーツに介入することには、私は疑問に思います。山岳地に入る場合には、誰もが自らの責任を負わなければなりません。」と発言。

 さて、この判決に関して日本ではどうなのか?
 法制度の異なる海外の判例がそのまま日本の裁判に影響するのか不明ですが、「引率者責任」「注意義務」という視点で遭難事故における経験者(リーダー)に厳しい判決がでている日本では、同様の判決が下されても不思議ではない、と私は考えています。

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